ねこっぽ雑記

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2003年11月15日
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今日は国立劇場で「通し狂言 天衣紛上野初花(くもにまごううえののはつはな)」を観劇してきました。河内山と直侍のどちらの場面も見られるというのは嬉しい限り。幸四郎さんが河内山と直侍の2役をつとめられました。
 国立劇場公演のいいところは、普段歌舞伎座などで見取りとして演じられる演目の前後も上演するところ。いつもなら疎かにされる場面をきちんと見せてくれるので、見取りで見慣れた場面もいつもと違った印象を受けます。そして今回の「天衣紛上野初花」では別々に上演されることの多い河内山宗俊の場面と三千歳直侍の場面があわせて上演され、河内山と直侍の関係というのがよく分かりました。
 まず河内山の場面の感想を。これはついこの間(9月)歌舞伎座で吉右衛門さん主演の河内山を見たばかりなので、ついつい比べながら見てしまいました。
結果から言ってしまうと私は吉右衛門さんの河内山の方が好きでした。幸四郎さんの河内山がうねるような、ねちっこい印象を与えるのに対して、吉右衛門さんの河内山は幸四郎河内山にたくさん水を加えてさらりとさせた感じ。そして吉右衛門河内山は何をやっても楽しそうなので見ているこっちも楽しくなってしまったんです。幸四郎河内山は見ているこちらまで楽しくなる、という感じはありませんでした。ただ幸四郎河内山は正体が見破られた後に北村大膳をやりこめる場面が面白かった。河内山と大膳の関係が、うそを教え込む先生と先生の話はうそだと知りつつも何にも言えない生徒のように感じられました。河内山がこれでもかというほどこの場面のリズムを支配していて、何もできない松江の家臣たちが却って可愛らしく思えたほどでした。可愛いといえば彦三郎さん演じる松江侯役は、“自分勝手”というより“駄々をこねている”という感じで(つまりどこか子どもっぽかった)何だか可愛かったです。
 そして三千歳直侍の場面。これは三千歳役の魁春さんが良かった。魁春さんは襲名されてからぐーんと魅力が増したと思うのですが、今回の三千歳はこらえつづけてきた寂しさを直次郎にぶつける場面の表情が素晴らしかったです。三千歳の今までの思いを何も加工せずに、そのまま表情にしたという感じでした。
 あとは按摩の丈賀役の芦燕さん。芦燕さんというと悪役のイメージが強いのでどんな感じなんだろうと思いながら見ていたのですが、意外や意外(と言ったら失礼でしょうか)、見ていて全く違和感がありませんでした。「芦燕さんって目を閉じているとすごくいい人に見えるんだなぁ…」と思ってしまいました。

 なんだか今日はいつも以上に役者さんに対して失礼なことを言ってしまったなぁ。申し訳ないです。それでは今回はこの辺で。

*今月国立劇場(大劇場)に行くと、シルクを使用した化粧品の試供品がもらえますよ(しかも「天衣紛上野初花」のチラシをデザインした紙袋入り!)。





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最終更新日  2003年11月15日 23時14分06秒
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