ねこっぽ雑記

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2004年02月18日
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 今日は文楽「仮名手本忠臣蔵」@国立劇場小劇場を観に行きました。
 私は家から最寄の駅までバスで行くのですが、最近道路工事が多くなって駅に着くのにいつもより時間がかかることが多くなったんです。というわけで今日はいつもより早めに家を出たんですが、そうしたら今度は逆に国立劇場に早く着きすぎてしまいました。でもそのおかげで楽屋入りをする吉田玉男さん(人形遣い)をお見かけすることができたんです。玉男さんというと舞台でのシャキッとしたお姿ばかりが思い浮かぶのですが、楽屋へ向かう玉男さんは腰を曲げて、足もすり足のようにして歩いておられて、今さらながら「そういえば玉男さんってもう80歳を超えていらしたんだっけ…」と思いました。
 その後、まだ時間があったので劇場裏手にある伝統芸能情報館の図書室で少し調べものをすることにしました。ところが調べものをしているうちにそちらに夢中になってしまい、気が付いた時には時計はもう開演時間の11:30をさしていた(泣)!大慌てで小劇場へ向かいました。
 さて今回観劇したのは「仮名手本忠臣蔵」の中の「道行旅路の嫁入」「雪転しの段」「山科閑居の段」です。
 まず最初は「道行旅路の嫁入」。この場面は、
【桃井若狭助の家老加古川本蔵の娘小浪と塩冶判官の国家老大星由良助の息子力弥は許婚であったが、判官が殿中で高師直に刃傷に及んだ時、本蔵が判官を抱きとめ、その結果判官は本望を遂げることができなかったことから、大星家と加古川家は疎遠となっている。大星親子が京山科にいることがわかり、生さぬ仲の母戸無瀬は娘小浪を嫁入りさせようと旅立つ。】
という内容です。
 浅葱幕を振り落とすと背景にはどーんと富士山がそびえていて、そんな中を戸無瀬と小浪が供も連れず駕籠にも乗らずに山科へと向かいます。歌舞伎だと小浪は薄桃色の衣装を着ているのですが、文楽の小浪はお姫様と同じ赤い衣装を着ていて、最初見たときは「あれ?小浪って別にお姫様ではないのに…」と驚きました。ただ衣装はお姫様でもやはり人形の動きはお姫様ではなくて、おてんばとまでは行かないけれどずいぶん元気のいい小浪でした。力弥との幸せな生活を無邪気に夢みる小浪を見るにつけ、その先を知っている側としては何だかいたたまれなくなってしまいました。
 戸無瀬は母親にしてはどこか色気が感じられて、そこが生さぬ仲ということなのかなと。あとは道中で一服する場面があるのですが、キセルをくわえた戸無瀬の口からちゃんと煙が出てくるのには笑ってしまいました。

【小浪を伴って大星家の山科閑居を訪れた戸無瀬は、力弥との祝言を切り出す。しかし由良之助の妻お石は、「金品をもって師直にへつらう本蔵の娘は嫁にできない」と梨園を言い渡す。戸無瀬は、小浪との生さぬ仲ゆえの義理の絡んだ恩愛から、この場で死ぬ覚悟を決め、小浪も夫の家で死ねば本望、と言う。そこへ虚無僧に姿をやつした本蔵が現れ、婿力弥の手にかかり、命で過ちを償い、由良之助夫婦は、力弥と小浪に祝言を挙げさせる。本蔵は由良之助の義心を讃えつつ、師直の屋敷の綿密な絵図面を渡し、息を引き取る。】というのがあらすじ。
 そして感想ですが、う~ん…1月に観た歌舞伎版の山科閑居の方が面白かったです。文楽って、人形が演じる分歌舞伎に比べてクセがないのが特徴だと思うのですが、今回はそのクセのなさが物足りなく感じられました。いつもなら「歌舞伎に比べて文楽はクセがないから、より物語そのものを味わうことができた」ということが多いのですが、今回はめずらしく逆。きっと玉三郎さん戸無瀬の印象が強かったからだと思います。
 驚いたのは由良之助の妻お石と戸無瀬のやりとりが殺気立っていたこと。同じ場面でも歌舞伎はまだおだやか。文楽ではお石、戸無瀬が共に刀のようなキレでやりあっていました。そしてそんな中でもただひたすらに力弥との祝言を願う小浪のひたむきさが印象的でした。…と、感想はこんな感じで。

 帰り際、ロビーでチラシを漁っていたのですが、ふと目に飛び込んだのは「通し狂言 妹背山婦女庭訓」の文字。「えっ!?ホント!?でももしかしたら東京の劇場じゃないのかも…」と良く見たところ、場所は「国立劇場小劇場」。というわけで、5月の文楽公演は「通し狂言 妹背山婦女庭訓」であることが分かりました。私、今までずーーーっと「妹背山婦女庭訓」の中の「吉野川の段」を観たいと思いつづけていたんです。一昨年の1月に歌舞伎座で観た「吉野川の段」にすごく感動してそれ以来ずっとこの時を待っていました。だからもう本当に嬉しくて思わず親に電話してしまいました(涙)。
 しかも私今度の「義経千本桜ツアー」の際に、ちょっと寄り道して妹山・背山(吉野川の段の舞台)に行く予定を立てていたんですよ。そしたらちょうど「妹背山婦女庭訓」が上演されることになって……もう運がいいとしか言い様がありません。なにはともあれ5月の「妹背山婦女庭訓」はどんなことがあっても絶対観たいと思います!





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最終更新日  2004年02月18日 20時10分12秒
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