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2005年02月15日
歌舞伎座2月大歌舞伎昼の部感想
テーマ:
こんな舞台を観た(古典芸能編)(730)
カテゴリ:
カテゴリ未分類
今年最初の歌舞伎鑑賞は歌舞伎座2月大歌舞伎の昼の部となりました。今年の1月は例年に比べればかなり時間があったのだけれど、卒論関係のことが一段落着くまではどうも芝居を見るような気分にはなれず結局一つも観ず終い。去年の12月に国立劇場で幸四郎さんの「勧進帳」の千穐楽を観劇して以来約2ヶ月ぶりの観劇となりました。
東銀座に着いたときや歌舞伎座に入ったときに「久しぶりだなぁ」という感覚があるのかなと思っていたのですが、いざ入ってみればなんだか昨日の続き、といったような感覚。ところがいざ幕が開いたら「うわ~生の舞台だ~」というだけでどこか感激してしまって、これはまずい、と。それだけ観劇から遠ざかってしまっていたんだなということを改めて感じました。舞台を観る感覚ももしかしたら少し鈍ってしまったのかもしれない。取り戻さなければいけないですね。
さて一つ目は「番町皿屋敷」。前回の上演から1年も経っていないので、これはさすがに結構覚えていました。主人であり恋人でもある青山播磨に持ちかけられた縁談話に動揺した腰元のお菊が、青山播磨の自分への想いを確かめるためにわざと青山家の重宝である皿を割ってしまうという話で、怪談ではありません。自らの真情を疑われ傷付いた青山播磨がお菊を手討ちにし、自暴自棄になったところで幕。私としては結構好きな作品。
今回は青山播磨が梅玉さん、お菊が時蔵さんで、前回は青山播磨が三津五郎さん、お菊が福助さんだったのですが、私は前回の方が良かったと思います。前回の舞台を観た時点では特にいいとは思わなかったのだけれど、今回の舞台を観たら前回の舞台の株がぐぐっと上がりました。梅玉さんと時蔵さんのコンビだと近代の作品の持つ精神的な部分を生かしきれていないような気がして…。心理描写や人間らしさという点で、前回の方がよかったと思います。観た当時は「ちょっとやりすぎかも…」と思った福助さんのお菊も今となれば心情はよく伝わってきたな、と。観ていて「わかるわかる」と思えたんです。時蔵さんのお菊に対してはそう思えなかったな。
二つ目は「義経腰越状」の五斗三番叟。佞臣錦戸兄弟に陥れられて酔いつぶれてしまったために義経の逆鱗に触れた軍師五斗兵衛が奴を相手に三番叟を踊るという、物語を味わうというよりは趣向を楽しむ作品。昨年12月の「八重桐廓話」と同様、かつて「歌舞伎を観なければ!」という衝動に駆られた私が何度か通って観た作品なので、大道具や衣装の色合い、台詞など様々なものが懐かしかったです。
五斗兵衛役は初役の吉右衛門さん。そして前回五斗兵衛を演じられたのは團十郎さん。私は團十郎さんの方が良かったという印象を受けました。「番町皿屋敷」と同様、前回の舞台を観た時点では特にいいとは思わなかったのだけれど、今回の舞台を観たら前回の舞台の株がぐぐっと上がったといったところ。
五斗兵衛という役は吉右衛門さんに合っているようにも思うのだけれど、表情や動きなどどこか中途半端な気がして、観ていてちょっとすっきりしなかったのです。一方團十郎さんの舞台は今思えばわかりやすくてはっきりした印象を与える演じ方がコミカルさにつながったのかな、と。そして吉右衛門さんの五斗兵衛と比べてみてふと気がついたのは團十郎さんの目の持つ力。目一つでとぼけても見せればぎょろっと動かすだけで笑いまで起こしてしまう。今まではどちらかというと團十郎さんより海老蔵さんの目の方に関心が合ったのですが、今回の「五斗三番叟」を通して「ああ、お父さんもすごいんだな」とつくづく感じました。
3つ目は舞踊「隅田川」。人買いにさらわれた息子を慕うばかり物狂いになった母親が、息子を訪ねてやってきた隅田川のほとりでその死を知り、嘆き悲しむという物語。母親斑女の前は鴈治郎さん、舟人は梅玉さん。
この作品は歌舞伎で観るのは初めてなんですが、以前藤間紫さんの斑女の前、花柳壽楽さんの舟人で観たことがあって、やはりそれを思い出しました。特に斑女の前の印象がずいぶん違うな、と。鴈治郎さんは舞台上に斑女の前として登場するんですが、藤間紫さんは藤間紫という個性が強すぎて、斑女の前というよりは藤間紫の生き方なり姿勢なりで見せたという印象。好き嫌いは別としてすごく強烈でした。一方鴈治郎さんは、そういう強烈さはなくて、逆に魂が抜けているような斑女の前。でも目にはすごく精神が篭っているのだけれど。
踊りだと鑑賞するときどこに目をつければいいのかふと考えてしまうのですが、ふと「そういえば何人かの人が同じ振りで踊る場面では、その役者さんの持つ個性が表れて面白いという話を聞いたな」と思い出し、同じ振りの場面をじーっと観ていました。そう簡単にわかるわけがないんですけど。
というわけで昼の部に関しては特別「これがよかった!」と感じる作品はなかったんですが、歌舞伎座に行ったことに意義があるということで。
ちなみに見終わった後、文明堂でクリームあんみつと抹茶をいただきました。美味しかった☆
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最終更新日 2005年02月16日 09時35分12秒
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