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2005年07月30日
七月大歌舞伎「NINAGAWA十二夜」感想
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歌舞伎座の「NINAGAWA十二夜」(シェークスピアの「十二夜」を蜷川幸雄演出で歌舞伎化)をようやく観に行くことができました。私は3階での観劇だったのですが、後ろの幕見席も大入り満員。多分中に入れなかった人もいたんじゃないかな。最初の頃は入りが悪かったとの話を聞いていたのですが、「えっ?ウソでしょ?」というほどの盛況でした。ただ勘三郎一座のときの盛況とはなんとなく質が違う気がしたのだけれど。
母が初日を観に行ったのでどんな感じなのかはあらかじめ聞いていました。「大体予想していた通りの舞台。歌舞伎らしいのは最初と最後の辺りだけで真ん中の辺りはとにかくしゃべりっぱなし。」というのが母親から聞いた話の要約。特別良くも悪くも思わなかったみたいです。
さて私が観劇しての感想なんですが…何から言えばいいんだろう?こういういつもと違った舞台を見るといつも以上に考えが湧いてきてまとまらないんですよね。
ちなみに私は観劇する際はいつも必ず観ながら感じたことをメモしているのですが、今回はメモをするのに苦労しました。というのは普段の歌舞伎と違ってほぼ全篇客席が暗くて手元が見えないのです。たとえばスーパー歌舞伎のときなども客席を暗くしますから初めてのことでは全然ないんですけど、でもやはり慣れない。
以下の写真は私のメモノート。上が客席が明るいときに書いたメモ、下が今日の舞台についてのメモです。今日の舞台のメモは勘で書いているのでかなりぐちゃぐちゃ。でも一応読める程度にはメモできてます。
脱線してしまいました。今日の感想を。うーん…やっぱり私も母と同じく全体としては特別良くも悪くも感じませんでした。「なるほど、こういう風になるんだ」というのが素直な感想。でもとりあえずいい方の部類には入ると思います。主人公の琵琶姫(原作のヴァイオラ。以下括弧内は原作における名前。)と斯波主膳之助(セバスチャン)を演じた菊之助さんが良かったし。菊之助さんの持ち味が存分に生かされていたと思います。
あと強烈な印象を与えたのは腰元麻阿(マライア)の亀治郎さん。あの役はいろんな意味で亀治郎さんにすごく合っていると思います(笑)。筋書の中のインタビューで亀治郎さんが「女性が中心になって周囲を動かしていくところは西洋だなあ、と思います。歌舞伎ではまずありえない。」と仰っているように、腰元麻阿は周りを動かす女性という歌舞伎らしからぬ役どころなのですが、それでも亀治郎さんは他の役の人以上に歌舞伎らしいところがあるように感じられて不思議でした。なんていうか…台詞のスピードはめちゃくちゃ早いんだけどリズムはしっかり歌舞伎なので大向こうを掛けやすそうだし、拍手の取り方も歌舞伎らしい。だからどうしたというわけでもないんですが、印象的ではありました。
歌舞伎における女性についての話が出ましたが、このことについてもいくらか思うところがありました。私は歌舞伎が好きですが、女性の活躍する場面が少ないところがつまらないなと思ったりすることがあります。もちろん作者も役者も男性ですし、江戸時代の思想もありますから無理のないことだとは思うのですが、もう少し女性が活躍したり女性の心情を大事にした作品が作られてもいいと思うのにな、と。
そう考えたとき、今回の「十二夜」は結構女性の心情を大事にしていたように思います。それが観ていてすごく新鮮でした。別に演劇というのは歌舞伎だけではないし、歌舞伎は歌舞伎の道を行けばいいんだろうけど、ああいう場面のある歌舞伎が増えてもいいと思うのです。新しい客層を獲得できると思うけどな。
舞台セットに関しては、まず幕開きの鏡の後ろに桜が透けて見えるセットが現れた途端「…スーパー歌舞伎「新三国志3」が始まるのか?」と。桜を桃にしてしまえば本当にそのまま。段治郎さんがせり上がってきても驚かないというか(笑)。でもその他のセットに関してはスーパー歌舞伎と似ているようで違う、あるいは斬新なアイデアといったものでした。全体として簡素なセットで、スタイリッシュな印象を与えるというのが長所、飾り気がない分、おとぎの世界に酔いしれるというよりどこか覚めた目で観てしまうというのが短所でしょうか。
長くなってしまったので最後に照明についてだけ。最後の場面で歌舞伎座の客席がいつもとは違う色合いに包まれるのです。やわらかい、暖かな色合い。「えっ?どうなっているの?」と思ったら、3階の左右後方に設置されているスポットライトを天上に向けていたんです。それで客席全体がスポットライトの暖かな色合いに包まれていたのでした。あれはうまいなーと思った。歌舞伎座もあんな雰囲気になることができるんだ、と。結構お気に入り。
全然まとまりませんでしたが、感想は以上。うん、観てよかった。
ちなみに、歌舞伎座の帰りに、明日の準備のため某所に寄って来ました。では明日は何をするのかということなんですが………それは明日の日記をお楽しみに。
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最終更新日 2005年07月31日 22時15分17秒
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