ナ チ ュ ー ル

ナ チ ュ ー ル

空調物語




ある工場の空調設備物語


・・・・・・・・それは、三年にも渡る悪戦苦闘の物語であった。



その工場に赴任したのは、2000年6月だった。


工場の空調設備が全く有効でないというか、まー一言で言えば「お粗末」としか言いようがない。というのは、赴任前から承知していた。なぜ
理由はいろいろあったし、いいわけも山ほどあったでしょう。
だが、あまりに、空調のシステムの無理解。全くと言っていいほど無知にちかい。


「温度センサー・湿度センサーが全くない空調」


どういっても、どう言い訳しても・・・・・・無理解としか言いようがない。


そうして、この事実「温度センサー・湿度センサーが全くない空調」に気がついて指摘した研究員も一人もいないお粗末さにも唖然とする。





赴任して、一週間は、空気の出入り収支計算から始めた。

やはり、換気扇等のマイナスの方が多い。

これでは、外気を吸入しすぎで、外気の湿度に影響を受けすぎ。と言うより空調になっていない。



で、エアーハンドリングユニットには、コイルが一種類のみ。??????????????????????

これでは、空調には、ならんでしょう。



夏場は、冷水循環

冬場は、温水循環


と聞かされては、

口あんぐりで しばしボーゼン

赴任してしばらくは、驚くことばかりの連続であった。

と同時に、それからが悪戦苦闘の始まり

単なるプロローグであった。


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冷水循環の場合


冷水の温度ですべてがきまる。



となると、冷水の温度を冷たくすると、除湿はするが、寒くて寒くて。


冷水の温度を上げると、全然、除湿しない。


温水循環の場合


室温は、すべて温水の温度で決まる。


後は、機械のオンオフのみ。




air handling unit
  空調機(エアハンドリングユニット)は冷凍機を内蔵しない空調機で、一般に中~大規模建物のダクト方式の空調機として用いられています。機内には送風機、熱交換器(冷水・温水・蒸気)、加湿器、エアフィルターなどを持っています。





空気線図の読み方・使い方




空気線図の読み方・使い方



空気線図は、空気調和技術に不可欠の基本的なツールである。いままで、その重要性にもかかわらず、空気線図に関する詳しい解説書がなかった点が、本書をまとめる動機であった。本書は、この空気線図の「読み方」「使い方」を徹底マスターすることを目標として出版されたものである。

【目次】
第1章 乾き空気と湿り空気(混合ガスとしての空気/空気の性質/湿度の表し方 ほか)/第2章 空調プロセスの湿り空気線図上での表現(単位操作の空気線図上での表現/空調プロセスの空気線図上での表現/湿り空気関連現象 ほか)/第3章 空気調和器と空気線図(空気冷却器と空気加熱器/顕熱交換器と全熱交換器/冷却塔(クーリングタワー) ほか)/第4章 空気調和システムと空気線図(空調システムの構成/空調システムと空気線図/システムと空気線図 ほか)




くうきせんづ 空気線図 psychrometric chart
「湿り空気線図」ともいう。大気圧の下で湿り空気の状態を線図で表したもの。線図上に乾球温度、湿球温度、絶対湿度、相対湿度、露点温度、エンタルピなどを記入し、いずれか二つの値を定めることにより他の値(状態値)を求めることができるようになった空気調和設計上有効な線図である。


エアハンドリングユニット air handling unit
冷温水コイル、加湿器、ドレンパン、送風機、 エアフィルタを一体に組み込んだ比較的大容量の空気調和機。 吹き出し空気を要求される条件にあわせて各機器(パーツ) を組み合わせることができるため、厳密な温湿度を要求される空調にも用いられる。

露点
dew point
雰囲気中の水分が凝縮し始める温度。




結露の種類―発生箇所による分類―
表面結露
一般に結露といえば、表面結露を指す。冬季、窓ガラスやアルミサッシで発生する場合は、水滴は排水孔を通って排出されるが、室内の湿度が減少する。その結果加湿器を作動させることになり、ますます結露を起こさせる悪循環が生じる。

複層ガラスと断熱サッシュを用いると表面結露は起こらなくなる。すると湿度が下がらなくなり、壁の内部で結露が起こりやすくなる。内部結露は発覚しにくく、躯体の損傷をひき起こす。

内部結露
建物の室内側に防湿層がなく、室内で発生した水蒸気が壁体内に侵入する場合に発生する。これにより、木材や断熱材等の腐敗や劣化が進み、建物の寿命が短くなる。主に冬に起こるが、エアコンの完備により夏季にも起こりうるようになった。

建物ではないが布団が湿るのも同じ原理である。体表部の温度は36℃程度で水蒸気を発散している。布団の厚みの中で、外に向かって徐々に温度が下がっていく(これを温度勾配という)。室温が低いと布団の中で結露が起きるので布団は湿り、頻繁に干さなければならない。これを防ぐには室温が下がらないように保温し、布団の中で結露が生じないようにすることである。

結露の種類―発生原因による分類―
冬型結露
暖房された室内の水蒸気の量が多いと冷たいガラス、サッシュ、壁の中の温度勾配で露点以下の部分で生じる。

夏型結露
夏季の地下室やエアコンがよく効いた部屋の冷たいものに、高温多湿な外の空気が流れ込んで接触することで、発生する。また冬型結露の逆で、エアコンでよく冷やされた建物では、外部の湿った空気が壁の内部に進入し温度勾配の露点温度以下の部分で発生する。壁の外部にも防湿膜を設置することにより避けることができる。日本での報告例はまれであるが、アメリカのフロリダ・ミシシッピ州あたりの高湿地域でよく起こる。

初期結露
新築の鉄筋コンクリート造では、コンクリート内に水が含まれ、結露が発生しやすくなることを指す。一過性のものである。

結露の防止対策
表面結露の場合
基本的な結露防止手段として、室内の水蒸気量を減らすか、表面温度を上げる方法がある。

換気
 冬季の場合は、絶対的に外気の絶対湿度(重量)が少ないため、換気を行うことで、室内の水蒸気量を減らすことがもっとも有効である。

暖房(または冷房の設定温度を上げる)
 冬季は、室内を暖房することで、建物内部の表面温度が上昇し、結露防止になる。しかし、内部結露の可能性は上昇する。 夏季は、同様に冷房の設定温度を上げることで、建物内部の表面温度が上昇し、結露しにくくなる。
ただし、これにより湿度は低下するが、空気中の水蒸気量(絶対湿度)は、変わらない。

除湿剤
 室内の水蒸気量を減らすために、除湿剤を用いる手法があるが、大量に用意しないと意味が無い。

内部結露の場合
 建物の施工段階で、室内側に防湿層を設けなければならない。保温層の中の温度勾配で、露点に到達すると結露が起こるが、その元になる水蒸気が室内から漏れないよう、ポリエチレン・フィルムによる防湿膜を張らねばならない。コンセント、スイッチボックスにも防湿シールを施す必要がある。夏季の内部結露を防止するには外部にも防湿膜を張る必要がある。すなわち壁は水蒸気がどちらの面からも全く透過できないようにすることである。

このように完全に防湿層が施工されていると、結露が防がれるのは当然であるが、屋内の湿度の低下も防がれるので加湿の必要が無くなる。パッシヴ・ソーラーハウスでは不可欠の手法である。





けつろ 結露 dew condensation
水分を含んだ空気が表面温度の低い物体に接触し、その部分で露点温度以下まで冷却され、そこで水分を凝縮、露を結ぶか、ぬれを生ずる現象。




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