空を見上げて

空を見上げて

卒業研究


 卒業研究 仮テーマ



テーマ
『生きることをみつめて 宗教と福祉の関係から』

動機
 私は幼いころからなぜか、人間は何のために生きるのかということを考えていた。私自身のその疑問は中学時代のたくさんの人との出会いによって、答えが見つかり、何のために生きているのか、どうして今の境遇に置かれているのかといった疑問にさいなまれている人々の援助がしたいと思うようになった。そこから福祉の職に就きたいと思い、大学で専門知識、技術を学ぶ傍ら、思いがけず天理教という宗教を軸に集まっている天理教学生会に参加することになる。そこでは、たくさんの知り合いができる共に、自分を見つめなおすことができ、宗教が根底に流れる福祉や死生観をも学ぶことができた。
 以上のような経緯で大学の講義等では福祉を学び、学生会活動を通して宗教を持つ強みを感じることができた私ならではの将来を考え、悩んでいたころ、大きな転機が訪れることになった。それはおばの病気の発見、死期が迫っていると判明したことである。死に対する不安や恐怖の大きさに立ち向かう姿を見て、福祉を学ぶ者として何かできないかと探していた時、チャプレンとして働いている人の存在を知ったのである。チャプレンとは施設で働くキリスト教信仰者のことで、私が知ることになったのはホスピス病棟でチャプレンとして心のケアをされている人だった。チャプレンとしての仕事やその人の生き方に深く感銘を覚え、終末期のケアに興味を持って独自に学ぶようになり、終末期の援助においてスピリチュアルな痛みに対するケアが求められており、最期を迎える時までその人らしく、前向きに過ごしてもらうために全人的な援助が必要だということを知った。その際の援助に宗教というものは、チャプレンとして活躍している方が既に存在しているように大きな役割を果たすのではないかと考えたことが今回のテーマを設定するに当たっての動機のひとつである。
 また、ターミナルケアを学んでいく中で、ターミナルケアとしての定義は「治療および治療の見込みに限界があり、死が近い状態」とされ、およそ6ヶ月とされている。しかし、後悔の少ない死を迎えるためには日々の暮らしをどれだけ有意義に過ごせるかということが大いに関わってくるのではないかと思う。これを私は生活の質を高めようとしている福祉の流れ、医療のあり方に沿うものと考える。死と生の関係はどちらかに焦点をあてることで、自ずともう一方も明らかになる関係にあると思う。死というものを常に意識している宗教家に死生観を問うことから、生をみつめたいと思ったことも動機のひとつである。

目的
上記のテーマに沿って、宗教と福祉の関係を歴史的に追って行きたい。それと共に、宗教から見た福祉、福祉から見た宗教の関係を把握したい。そこへ、ターミナルケアや死生観の切り口からホスピスやビハーラといった施設の成り立ちを知り、今の宗教と福祉の関係を明らかにして今後の課題や動向をも明らかにすることを目指したいと思う。死を見つめることを通して、生を見つめなおすことを目的とし、生きることを前向きに捉えてもらえるような社会福祉援助者として必要な資質を身につけたいと考えている。

研究方法
 宗教と福祉の関わりを歴史的に追うために、宗教福祉論などの文献を参考にしたいと思う。
 現状、今後の動向を把握するためには、学生会活動を初めとして知り合った天理教関係者やボランティア活動を通して関わっているキリスト教関係者、可能であれば仏教など、対象の宗教を絞らずに信仰を持つ人々に宗教観や福祉観、死生観の聞き取り調査を行う。そこからそれぞれの宗教が持つ死生観、生命観を把握したい。

詳しくは未定の状況であるが、以下のような文献を読み、テーマについてまだ考え、深めたいと考えている。
『宗教福祉論』
長谷川匡俊著
『社会・宗教・福祉 : 龍谷大学社会学部創設10周年記念論文集 』
龍谷大学社会学部創設10周年記念事業委員会編
『スピリチュアルケアを語る : ホスピス、ビハーラの臨床から』
谷山洋三, 伊藤高章, 窪寺俊之著 ; 関西学院大学キリスト教と文化研究センター編
『看護のなかの宗教的ケア』
シャロン・フィッシュ, ジュディス・シェリー共著 ; 窪寺俊之, 福嶌知恵子共訳
『いのちを深く考える : 医療と宗教から見た死生観』
日本ルーテル神学大学教職神学セミナー編
『さまよう死生観 : 宗教の力』
久保田展弘著
『死生観』
日本死の臨床研究会編
『死生観を問いなおす』
広井良典著

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