2009年04月03日
テーマ： 中国留学日記(317)
カテゴリ： 中国総合
大地の咆哮
中国に関わる人たちの必読書。『大地の咆哮』はもうお亡くなりになった元・上海総領事の著で、病床で筆をとり仲間に残した本で、いわば命をかけた遺作。
批判を浴びる対中ODAのあり方に関しても、外交カードとして利用すべしという外交官ならではの考えが現地を訪れた体験のもとに巡らされており、現場をしらない一般国民には興味深い。
また、弱みを握られ、国家秘密を迫られて自殺した元・領事館館員を忍び、守ってやりたかった想いが吐露されている。その自殺に至るまで、日本外務省と総領事館、日本大使館でなされた公文書についても記載がある。
そのほか、中国人の日本観、歴史観、社会についても外交官の経験をもとに幅広く論じられており、中国に関わっている人、これから関わるであろう人にはぜひ読んでもらいたい一冊である。
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