教会とは?その1


 小学校時の原体験を思い出してみます。

 若い先生(今は神奈川の牧師)とマンツーマンの分級で
「明日にも世界は終わるかもしれない。ありえないとは決して言えない。
三秒後にも終わるかも。1・2・3。あ、三秒後は大丈夫だったね。」
って教わった事。なるほど、と思って、数秒間隕石が落ちてくるかもって想像した。

卒論をニーチェで書いたんだけれど、ニーチェの辿り着いた先は「永遠回帰」って概念だった。自分が死んだあと、また自分が生まれてくるっていう事がずっと繰り返される。って話。それは単純には「終わりのない繰り返し」とはいえないんだけれど、それを信じるとすれば、やっぱり「終わりのない繰り返し」と言わざるを得ない。
 それは目標やビジョンを持つことを無意味な事にする力をどうしても持ってしまっている。(ニーチェも気付いているけど。)

 それに対して、キリスト教の「神の国」って概念は「終わりがある」っていう福音で、それは目標やビジョンを設定する価値があるってことを主張している。僕の経験は死んだ後の事はさっぱりイメージできないし、絶対に完璧な目標なんて存在しないって、言ってんだけれど、それにもかかわらず、「終わりがある」ってことを信じるときにだけ、何か意志や目的をもって生きていく力がでてくることも感じる。「最終試験があるから、勉強する」ってことは「裁きがあるから力強く生きる」ってことなんだろう、
と最近は思う。

「終わるかもしれない」って恐怖心こそが生きる力であって、教会はそれを伝えていく組織なのだろう。

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: