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2014年01月15日
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カテゴリ: 食事
 コロッケという言葉はいわれてみると日本的で、クロケットが語源という説明には大いに納得させられるものがあります。しかし、クロケットが紹介される遥か以前からコロッケが存在していた事を考えると、コロッケはどこから来たのかという大きな疑問が生じてしまいます。

 フランスのクロケットがコロッケの原形ではないとした場合、諸説がある中、同じクロケットという名の料理を持つ国が2つあります。その一つがオランダで、フランスの近隣国でもある事からクロケットを伝えた国とされる事もあります。

 今日のオランダでもクロケットは人気があり、手軽に食べる事ができる軽食として売られ、材料もジャガイモが使われています。しかし、コロッケとの最大の違いはジャガイモが完全に柔らかくなるまで煮込んでクリーム状にして使っている点で、ジャガイモがホワイトソースに置き変わったのは日本のコロッケではなく、オランダのクロケットの事ではと思えてきます。

 クロケットという名前の料理を持つ第三の国、それは日本に鉄砲伝来という一大革命をもたらした国、ポルトガルとなっています。ポルトガルのクロケットは「クロケッテ」と呼ばれ、フランス、オランダのクロケットがクリーム状の生地を使う事に対し、茹でて潰したジャガイモと塩漬けの鱈を使うコロッケに似た作りになっています。

 クロケッテとコロッケの最大の違いはジャガイモと鱈で生地を作って適度な大きさに成型した後、クロケッテは一切衣を着けずに素揚げする点となっていて、そのために仕上がりが少々趣が異なる姿となってしまいます。

 コロッケに欠かせない素材であるジャガイモは、江戸時代の慶長年間(1696~1613年)にオランダもしくはポルトガルの船によって日本へもたらされたとされます。青木昆陽によって栽培の研究が行われた事は広く知られていますが、江戸時代に多く出版された料理本にコロッケらしき物が登場しない事から、ジャガイモとレシピの伝来には時間的な隔たりがあり、幕末か明治維新直後に今日の形に近い状態で伝えられたと考えられます。

 クロケットという料理を持つフランスでもオランダ、ポルトガルでもないとすると、意外な揚げ物大国が浮かんできます。それはフィッシュ&チップスという食文化で知られた国、イギリスです。

 フィッシュ&チップスに限らずイギリスでは多くのフライが作られ、ジャガイモも広く食べられています。マッシュポテトという茹でたジャガイモを潰して調理する文化もあり、コロッケが誕生する土壌は充分にあるように思えます。

 また、明治維新による開国後、近代化を急ぐ日本が一番の手本としたのが欧米列強の中で最大の力を誇っていたイギリスでした。イギリス人も多く日本を訪れ、積極的にイギリスの文化を学ぶ中で根付いたのがコロッケではないのか、文明開化によるハイカラな食べ物、それが後の三大洋食の一つとなったように思えます。





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最終更新日  2014年01月15日 07時47分36秒
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