人間仁科のブログ・八重山見聞録外伝

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カテゴリ: 島ネタ
サザンオールスターズ風に言えば『牛も啼く夜』。
はたまた一句いかば『牛啼かば夜が更けゆく石垣島』
あえて前衛調にチャレンジするなら『牛が啼く夜。いや!牛は啼いているのではない。泣いているのだ。おいおいと泣いている。オレを食うなと泣いている。どうか食わないで欲しいと懇願の声を張り上げる。夜が明ければ絶たれる命を惜しんでいる。嗚呼うしよ。食われる牛よ。どうかオレの胃袋では啼いてくれるな』

ま、へたくそはともかく、島も市街地から外れると牛が一杯いるのであるが、こいつら時々夜が更けると声を張り上げ啼き通したりする。牛飼いでもないし、調べたこともないのでなんで啼くのか知らないが、とにかく一晩中ずうっと啼いていたりするのである。

でも全然啼かない夜だってある。

だから意味がよくわからない。一度、その理由を解明せんと漆黒の闇の中を突き進み、すぐ間近でそれを聞いたのであるが、それはそれはたいそう悲痛なる叫びだった。こちらの耳も内臓も震わせる野太くも搾り出すが如き声なのだ。それはまるで蛇かスッポンにでも腹あたりを喰らいつかれ、振り払うにも振り払えず、スッポンだからいつまでも喰らいつきやがって断続的に襲ってくる激痛に堪えかねて グェエエゴギャゲゲグオオオ とでもやってるようにも私の耳には聞こえたから、こんな闇の中で不用意にも牛さんに近づき過ぎ、こっちが正体不明の動物に喰らい付かれては堪らんと慌てて逃げ帰ったことがあった。

あれはやっぱり猫みたいに繁殖の声なんだろうか。
猫もふけるとたいそう悲痛な感じの声を出す。牛ももしそうだとしたら、やりたい気持ちとは斯くも悲哀に満ち、痛みにも近い表現を伴うものなのだろうか。本来は。









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Last updated  2008.09.08 08:34:49
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