読んだり書いたり

暗闇坂人喰いの木


 この話は横浜にある暗闇坂という所の大楠をめぐる怪事件を、
探偵御手洗潔が暴くというものです。

 この本で良かったのは、
雰囲気の不思議さです。
暗闇坂という場所も影響していたかもしれません。
しかし、間に挟まれている物語に関係なさそうな話も、
最後にしっかりと絡んできて一つの物語になるまでの不思議さもありました。
例えば、八百屋が去った後に発見された楠にかかった死体も、
最後でしっかりとなんだったかが分かったり、
全く違う文体で書かれた詩とも事実ともつかないような不思議な話が
途中で何だったかがしっかりと繋がれるのです。
そのような工夫がこの物語の不思議さを出していたのだと思います。

 この本を読んで思ったのは、人には必ず潜在的な残酷さがあるということです。
それが、死刑であり、このメイントリックなのでしょう。
死刑では、見せしめの意味がこめられていました。
ただ、それは見せしめになることは無く、娯楽となってしまいました。
何故でしょうか。
それは、残酷さだと思います。
人が死ぬ瞬間を見るという残酷さ。
そのようなものが、死刑へと導いたのでしょう。
人が痛むのを見るのを嬉々として見ることがあります。
それは、恐い物見たさ、残酷さでしょう。
潜在的なこれをどこで出してしまうのかに注意しなければ、
生きてはいけないでしょう。


暗闇坂の人喰いの木

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