ある日どこかで

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2011.07.07

☆息子の部屋☆

(2)

テーマ：映画レビュー(888)

カテゴリ：イタリア映画

精神科医のジョバンニは妻と娘、息子の4人家族で幸せに暮らしていた。しかし、ある日息子のアンドレアがダイビングで潜水中に事故死してしまう。それから幸せだった家族の生活は少しずつ壊れ始める。そんな時、亡きアンドレアのガールフレンドから手紙が来て、彼女はやって来る。アンドレアが彼女に送った写真を持って…。

何でもない普通の幸せが、一人の死によってあっさりと崩れてしまう様子が淡々と描かれています。だからこそリアリティもあります。

しかし、アンドレアの元GFが持ってきた一枚の写真によって変化がこの家庭に訪れるのです。それは、彼が自分の部屋で楽しそうに映っている姿でした。息子の部屋は今は主を失くしてしまったけれど、確かに彼はその部屋で楽しく毎日を送っていたのです。悩みや苦しみもあったことでしょう。きっと彼の部屋は彼が親にも言えなかったような事も、喜びや悲しみも全て見ていたのです。たった一枚の写真が、その事を物語らせるのです。

悩んで、悩んで、苦しんで、苦しんで、ちっとも前を向いて生きられないと思えても、時が癒してくれるものだと信じています。アンドレアの死を受け入れられず、苦しみもがいていたこの家族も、時が癒し、自然とその死を受け入れられるようになってきたタイミングに、元GFがやって来たのだと私は思っています。

ラストがいい。朝日を浴びたジョバンニ一家がこれから再生への道を歩んで行くであろう希望を見出せます。

LA STANZA DEL FIGLIO
THE SON’S ROOM
イタリア
2001年
監督：ナンニ・モレッティ
脚本：ナンニ・モレッティ、ハイドラン・シュリーフ
出演：ナンニ・モレッティ、ラウラ・モランテ、ジャスミン・トリンカ、ジュゼッペ・サンフェリーチェ、ソフィア・ヴィリジア　　他

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Last updated 2011.07.07 12:45:52
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■コメント

懐かしい

はる　** さん

10年も前の作品になるのですねー。

子どもを失う計り知れない辛さ、リラさんの感想を読みながら、この作品の切なさや希望を思い出してきました。

一枚の写真が物語る幸せの足跡、いいドラマでした。

愛する家族は近くにいるからこそ、なおざりになってしまいがちだけれど、後悔だけはしたくない。
毎日ちゃんと向き合っていたいものです。 (2011.07.10 19:15:35)

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Re:懐かしい(07/07)

リラ11 さん

はるさん

そう、もう10年も前なのですよね。

＞愛する家族は近くにいるからこそ、なおざりになってしまいがちだけれど、後悔だけはしたくない。
＞毎日ちゃんと向き合っていたいものです。

いるのが当たり前の存在ほど普段はそんなものです。でも、だからこそ一番大切な人たちなんですよね。
(2011.07.19 16:30:58)

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