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2009年04月04日
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カテゴリ: 楽天イーグルス


左 リック
遊 渡辺直
中 鉄平
一 セギノール
三 中村紀
指 山崎武
二 高須
右 宮出
捕 嶋
投 長谷部


 試合回顧

 1回森本・中安打、3回金子誠・左本塁打、稲葉・左安打、5回ヒメネス・右本塁打。
 これは今日の試合で嶋が「狙い撃ち」された、配球次第で防ぐことが出来たと感じられた被安打の一覧だ。
 その中でも特に快勝ムードが漂う中、3回裏1死から金子誠に打たれたソロ本塁打がこの試合を難しくした要因であるように思う。金子が打ったのはど真ん中の真っ直ぐ。完全に長谷部の失投だ。だが、ここで真っ直ぐを要求した嶋にこそ最大の責任があるのではないか。
 狙い球を絞る「ヤマ張り」の金子は初球外角の真っ直ぐを強振し、真後ろへのファールを放つ。この時点で金子が真っ直ぐを狙っていること、またその真っ直ぐにタイミングが合っていることが分かる。にもかかわらず嶋は続けて真っ直ぐを要求し、それが真ん中に入り反撃の狼煙を上げさせた。

 なぜ真っ直ぐを要求したのか理解に苦しむ。長谷部のボールが来ていたので狙われても打てないと思ったのか、2順目以降の為にチェンジアップをとっておきたかったのか。いずれにせよ5点というリードが余裕ではなく油断を生んでしまったということだろう。
 このホームランからしばらくの間、嶋に対する失望と怒りで頭が一杯になった。「全く成長していない」。正直そう思わずにはいられなかった。初回の森本に許したヒットもカウントを考えれば防げるものであったことも相まって、暗澹たる気分で嶋を見つめていた。
 金子や稲葉のようなD型(球種を絞って狙い打つ)タイプの打者との対戦こそ、捕手の洞察力が問われると考えているだけに、この嶋の「敗北」はあまりにもショックだったのだ。
 加えてヒメネスに打たれたホームランの談話は「カットボールを狙っていた」というものだった。「狙い打たれたら100%捕手の責任」。この野村監督の言葉がすぐに脳裏を過ぎった。

 「もう藤井に交代させるべきだ」「しばらくスタメンから外した方がいい」。そんな風にさえ考えていた。しかし、そこから嶋は本来の観察力・洞察力を徐々に発揮しはじめた。

 最終回。2死から同点のランナーを許し、打者はスレッジ。一発が出ればサヨナラとなる為、長打力のあるスレッジに対しては当然外角中心の配球になると思われた。
 初球、2球目と外に要求しカウント1-1となる。だが打席のスレッジは外角攻めを完全に読んだように思い切り良く踏み込んでくる。ここで嶋はおそらく3球目に内角のボール球を見せ、内を意識させた後に外角で打ち取る、というシナリオを用意していたのだと思う。
 しかし、続く4球目。外寄りの変化球をスレッジが左方向へ思い切り叩き、あわやサヨナラホームランという大飛球(ファール)を飛ばす。ここで場内は完全にサヨナラ勝ちのムードになっていた。
 嶋はおそらく(同点のランナーが得点圏に進むとはいえ)最悪歩かせても良いと考えていただろう。続く5球目を外に外しフルカウントとなる。
 ここでタイムを取るとマウントの川岸の元へと駆け寄った。二人がどんな会話をしていたかは分からない。ただ推測するに「スレッジは完全に外のボール(シンカー)を狙っているから内角でいこう。ただ決して甘くならないように。最悪歩かせても、次の高橋なら抑えられる」という趣旨のことを伝えたかったのではないだろうか。
 結果的に最後は内角のスライダー(カットボール?)でファールフライに打ち取るのだが、これは実に見事だった。いくら相手が外のボールを狙っていると感じていても、一発が出ればサヨナラという場面で長打力のある打者に内角を要求するのは勇気がいる。しかし、嶋は自らの洞察力を信じ、見事に決断した。しかも最悪歩かせるという保険をきちんと掛けた上でだ。

 打者金子に対して要求した真っ直ぐで試合の流れを手放し、スレッジに対して要求した内角のスライダーで勝利を掴む。「1球の重さ」。これを改めて認識したであろう嶋の成長を心から願っている。


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最終更新日  2009年04月05日 01時18分13秒
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