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2009年10月16日
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カテゴリ: 楽天イーグルス


二 高須
遊 渡辺直
中 鉄平
指 山崎武
一 セギノール
左 中島
三 草野
右 宮出
捕 藤井
投 岩隈



 試合回顧



 まずその攻撃を振り返ってみようと思う。やはり何より大きかったのが相手エース杉内を序盤に攻略したことだが、これはイーグルスの右打者達が狙いをしっかり絞って打席に立っていたことが大きく関連していたように感じられた。

 その狙いとは当然「内角を思い切り引っ張る」というものだ。杉内の右打者への基本的な攻め方は胸元への速球と膝元へのスライダー、そして内角を意識させた後の外角低めへのチェンジアップになる。チェンジアップを一種の決め球と考えれば、やはり使用されるのは2ストライクと追い込んでからが多くなる。そう考えていくと、まず狙うべきはファースト、セカンドストライクの内角の真っ直ぐ、次いでスライダーということになる。

 これを最も巧く体現してくれたのが、見事に先頭打者ホームランでチームに流れを呼び込んでくれた高須だ。

 短期決戦の大事な初戦。ムードが重要となるこの戦いにおいて、双方のチームの上位打線が考えることは「相手の出鼻を挫きたい」というものだと思う。よって高須は初球から狙ってくるだろうと個人的に考えていた。その狙いは上述した通りである。しかし、相手の初球は外角の真っ直ぐ(ストライク)であった。だが、これを高須が見逃したことによって、彼が次の内角球を狙っていると確信することが出来た。
 そう考えていた刹那、高須のバットが一閃――。打球は満員のイーグルスファンが待つレフトスタンドへと突き刺さった。正に最高のスタートとなったわけだが、彼の凄さはこれでは終わらない。
 迎えた第2打席。今度は初球の膝元へのスライダーを振りぬき、見事な2ベースで出塁を果たす。これもまた相手の配球を完全に読みきった「狙い撃ち」だった。第一打席で胸元への真っ直ぐをホームランしたのだから、当然相手の捕手は要求しにくくなる。そうなれば、狙うはもう1つの生命線である膝元へのスライダーとなるわけだ。
 これが一流の捕手の場合、この狙いを逆手に取り、もう一度内角の真っ直ぐ、或いは決め球である外角のチェンジアップを初球に持ってくるわけだが、まだ正捕手としての経験が足りない田上にはそこまでの洞察力は無かったということだろう。
 集大成と言えるこのCSにおいて、野村野球の一番の体現者の一人である高須がこのような働きをしてくれたことが本当に嬉しい。結果的に快勝したので、あのタイムリーエラーはご愛嬌、ということにしておこうと思う。

 さて続いて今日のバッテリーについて。正直に言って、岩隈の出来は決して良いものでは無かった。序盤から真っ直ぐこそ走っていたものの、ボールが全体的に中に寄っている傾向があり、左打者の泣き所である膝元のスライダーや真っ直ぐもほとんど決まらなかった。
 結果だけを見れば被安打6、自責点2の完投勝利ではあるが、内容自体は決して手放しで喜べるものでは無かった。ただ、そういった中でもしっかりと試合を作り、勝利を呼び込むことが出来たのは岩隈の自力の高さと投手としての「格」、そして何よりホームのイーグスファンの大歓声によるところが大きかったのではないだろうか。

 続いて故障から復帰し、久しぶりに岩隈とバッテリーを組んだ藤井の配球について。
 これは非常に評価が難しいというのが本音だ。序盤3回までは岩隈の調子(制球はイマイチだが、真っ直ぐは走っている)に合わせた、真っ直ぐ主体の良いリードであったと思うが、とにかく気になったのが右打者に対するシュートの少なさだった。試合中に相手コーチの談話としてもこれは入っていたが、正直あれだけ真っ直ぐが走っている状況で何故シュートを使わないのか首を捻らざるを得なかった。
 真っ直ぐが全く走っていない上に制球も悪いのであれば、内角のシュートが甘く入っての長打を警戒するというのは理解出来るのだが、相手の意識が外のボール(真っ直ぐ、スライダー)に偏った状況、或いは追い込んでフォークを意識している状況においてもシュートをほとんど使わなかったのだ。
 序盤のうちはそのリードに対し「中盤以降やピンチの場面の時の為にシュートは温存しているのだろう」と考えていたが、結局最後まで積極的に使うことは無かった。すぐに思い出せるのも、高須がエラーした田上への1球と、7回に吉川から併殺を奪った場面くらいだ。
 勿論結果的に4回以外のイニングを0に抑えているわけであるし、逆に左打者の外角低めへのシュートが使えると分かったのだから、悪いリードであったとは思わない。ただ、観ていて「ここでシュートを使えばサードゴロ」と感じたところで他の球種を選択し、カウントを悪くしたり、ファールで粘られる場面がいくつも見受けられた。ワンバウンドのフォークをしっかり捕球するなど、藤井だからこそ安心出来る部分も当然あるわけだが、こと配球においては彼とは解りあえない、と勝手に感じてしまったのもまた事実であった。

 ただ、何にせよ勝利は勝利である。短期決戦において重要なモノは結果以外に無い。明日はシーズン15勝を挙げた田中がマウンドに上がる。連勝で一気に第2ステージへと駆け上がってもらいたい。




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最終更新日  2009年10月17日 22時51分18秒
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