月臣邸

2005.10.28
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「ぁ、…ご、主人様…ッ」
「2人の時は”新弥”でいいって言ってるじゃん?」
「…に、新弥様…、あの私…っまだお仕事が」


クチュ、と音をたてて耳の中を舌で掻き回す。
その度にビクン、と体を震わせる黄泉が愛しくてしょうがなかった。


欲しい。

欲しいよ、黄泉が。









支配欲=愛してる











親の七光り、とでも言うんだろうか。


自慢じゃないけど超豪邸。

勿論俺の通う学校も超一流のお金持ち学校。
全てにおいて、「一流」のモノを学ばされた。


でもさー…俺、別に偉くないし。
偉いの親だし。俺がこんな、召使いさんとかメイドとか、そーゆー人に世話してもらう権利なんかあんのかよ? と。
子供の頃から思ってた。



だが、ある日。






『新入りの子よー! 
 ほら、何照れてるの? 挨拶して』
『は、はい…ぇっと、千葉黄泉です。今日からここでメイドをさせて頂くことになりました!
 ご迷惑ばかりかけると思いますが、精一杯頑張りますのでっ…よろしくお願いします!』



その”黄泉”という奴は叫んだ。






綺麗な茶髪に金髪が混じった色の髪。
小さな唇が特徴的で、小柄な身体を隠すピンク色のエプロンが、白い肌に映えていた。
そして、大きな目。






初めて、俺は親父に強請った。



『ん? おお、珍しいな。新弥がそんなことを言うなど。
 黄泉とは、新しく入ってきたあの娘だろう? いいぞ、好きにしろ』


その”好きにしろ”の意味を履き違えた訳ではないけど。
俺は、黄泉を酷く気に入ってしまって。








「お初にお目にかかりますッ、ご主人様!」
「…ご主人様…? い、いいよ新弥で」
「いいえそんな…それに、上のお方たちからそう言えと言われたので」


ニコッ、と微笑む黄泉。
…いや、ニコッとかじゃなくてさ…

「……あのさー…新弥でいいよ」
「でも…」
「じゃあこうしよ? 2人っきりの時は”新弥”って呼んで。お前俺の専属メイドだし、俺と2人の時多くなると思うしさ。
 俺も”黄泉”って呼ぶから」

「はいっ」


……あー。可愛い。
なんだろコイツ。

笑った顔が、今まで見た何よりも綺麗なんだ。






黄泉、18歳。俺、19歳。

出会いは、こんな感じだった。











「所詮はメイドなんだろ?」
「…や、その発言の意味がわかんねぇよ」

俺のツッコミに、咲人がキシシと悪戯っぽく笑う。


「いいよなあ、専属メイドなんてさ。ヤり放題じゃん」
「オメ、そーゆーことばっか言ってんなよ」
「女は食う為にあるんだぜ? それにフリフリエプロンがついてるってぇのになんでお前は食わないかなぁ」
「まだ、だし」
「…あ、予定はあるんだ」


厭らしい笑顔で微笑む咲人。

大学の食堂の隅、俺は悪友の咲人と昼飯を食っていた。
勿論お金持ち学校な為、一食20万のフルコース。
最高級フレンチの上で、こんな破廉恥な話すんのは俺でもどうかと思うけど…


「予定っていうかよ…やっぱそれなりに抵抗しないで欲しいだろ?」
「俺は抵抗してくれた方が燃える」
「…お前に聞いた俺がバカだった。…あー、でもやっぱ無理矢理っつーのもいいか。
 ……でも相手女だしなぁ…やっぱ負担かかるんじゃね?」
「てかどーせ無理矢理やって嫌われてもさ、あっちはお前に反抗出来ないんだし…別にいんじゃねーの?
 お前は権力持ってんだからさ」


ニッ、と笑う咲人を見て



なんか納得したくないのにしてる俺がいた。














「ご主人様ぁ…夜ご飯はどうなさいますか?」
「ん?……」


黄泉がニコッと笑ってた。
エプロンのフリフリが可愛い。

メイドなんて皆同じこのエプロン着てんのに、黄泉がこれ着てるだけでこんなに違うんだ。



「…こっちおいで、黄泉」
「ぁ…はい」


ベッドに座り手招きをすると、黄泉はポテポテと可愛い仕草で歩いてきた。
隣に座るよう促すと、チョコンと小さく座って。

白く透き通るような肌が、間近で見える。



急に触れたくなって、頬に口付けた。

白い肌が、ピンク色に染まっていくのがよくわかる。



その反応が嬉しくて、俺は唇を耳へと持っていき口付けて弄び始めた。


「ぁ、…ご、主人様…ッ」
「2人の時は”新弥”でいいって言ってるじゃん?」
「…に、新弥様…、あの私…っまだお仕事が」



…なんだろう。俺を、避けてる?
いや、っていうか…体に触られたくないって感じでモジモジしてて。


……なんか、ムカついて。


エプロンを強引に破いてしまった。




「ゃ……ッ」





白い肌に映えるのは、小さなピンク色をした突起。

だけど…女特有の、胸の膨らみがなくて。






「……黄泉?」

「ご、ごめんなさい新弥様…っ」



急に、泣きそうな顔をして。
黄泉は頭を下げた。



「俺、ホントは男なんです…っでも、お金無くて…ちょっとでも両親に裕福に暮らしてほしくて、仕事探してて…
 その時に、馬場家の召使い募集の広告見つけて…お給料も良かったし、ここで働きたいなと思って…


 だ、騙しててごめんなさい…っ」





……へーぇ。


なんか俺、今すっげー偉そうな顔してると思う。

これって、弱み握ってるってことだよな。





「…ふぅん」

「……ぁの…」

「仕事、続けたい?」

「…………はい」



「じゃあ、俺の言うこと聞いて」





ニッコリと微笑んで、俺は黄泉を膝の上に乗せた。

そして、耳元で囁いてやる。










「絶対に俺の言うことに従うこと…」












これを、条件として突きつけた。



















愛しくて。たまらないその笑顔を

俺だけのものに、したかった。



Fin





























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Last updated  2005.10.30 16:15:35
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