月臣邸

2005.11.26
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
「土方さん」

くぃっと服の袖を引っ張ろうとしたが、伸ばした手は空しく風を切る。


「土方さん」

煙草の煙に咳をしようとしたが、肝心の煙草の煙なんてどこにもない。


「土方さ」

「もうやめろ」


ジャリッ、と石を踏む音がして振り返る。


そこには近藤さんと山崎がいた。

ただ、2人は立ち尽くして俺を見下げる。






「土方さん」
「沖田さん」
「…土方」

「…総悟……」


泣かないよ。



誰がアンタなんかの為に泣くもんか。


物心ついたころから、泣いたことなんてない。
辛いことも苦しいことも昔覚えてしまったから

全然痛くもかゆくもなかったのだ。


だから泣いたりしない





「土方さ……」


ギュッ、と後ろから抱きしめられた。
フワッと山崎の匂いが俺を包む。

違う

この匂いは



違う







「ッ離せ…っ離せぇ!」
「沖田さん! 貴方、わかってるんですか!? 貴方はもう長くない…っ病状が悪化したら駄目なんです!!
 静かに寝ててくださいって言ったのに…!」

「やだぁ!! 土方さんの傍に…っ」




傍に、いるって

約束したんだもん。




しょうがないだろ?

俺がいないと、あの人寂しがるんでィ。

俺だけの特権。俺だけがあの人の特別。



だから


邪魔すんじゃねェや。















墓前には百合とマヨネーズを添えた。

人の墓に百合を飾ろうとは、さすが沖田総悟らしい。



沖田は最後まで、土方の墓前にいた。




「あの2人、今頃どーしてますかねぇ」

「地獄で楽しくやってんじゃねぇの?」

「あはは、地獄決定ですか」

「天国に行くことを嫌がりそうじゃねぇか、あいつらは。
 それに…自分らは地獄へ行くって、分かってたと思うよ」



「近藤局長……

 貴方は、俺から離れてかないでくださいね…?」


「さあな」





今日も今日とて、人を斬る。







地獄で2人仲良くしてればいい。

あいつらは、幸せになればいーんだよ。




いつまでも。


Fin


えっ近山…!? (そっちか)

わー初めて近山書いた! そっちがメインじゃないけど!


土方さんは戦死です。
沖田は結核。


こーゆー話好きです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2005.11.26 16:46:36
コメント(1) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: