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人間が森へ踏み込み環境を破壊してしまうのならば、そっと見守りたいと思いました。
<9割が森林 九州一の高峰も>
屋久島は、日本本土最南端の鹿児島県・佐多岬から約60キロ南に浮かぶ。島の9割が森林で、うち8割以上が国有林。九州一の高峰である宮之浦岳(1936メートル)や永田岳(1886メートル)など標高1500メートル以上の山々がそびえる。
年間を通じて降雨量が多く、「一か月に35日雨が降る」と言われるほど。こうした自然条件
から、推定樹齢7200年の縄文杉をはじめ、1000年以上のヤクスギ、多くの固有種や絶滅
の恐れのある植物が生育している。
昨年5月、島のシンボルである縄文杉の樹皮がはぎ取られる事件が発生した。2004年5月
には、熊本市のガイドが導く沢登りツアー客が遭難し、3人が死亡する事故が起きている。今年の大型連休時も登山客が島の縦走に出かけ一時行方不明になったり、登山道で足を滑らせ死亡したりした。
島のガイドのレベルアップを図るため、登録制度が昨年10月スタートした。
「屋久島地区エコツーリズム推進協議会」のホームページで、名前や経験年数などを公開している。 http://www.yakushima-eco.com/
<屋久島 古代の心学ぶ嶽詣(たけまい)り>
「古(いにしえ)の心を学ぶ嶽詣り」。のぼりにはこう記され、毎年春と秋に行う嶽詣りのことを知らせていた。
島内の多くの集落には、それぞれ"自分たちの山"があり、そこにそれぞれ神を祭っている。
嶽詣りは、地区住民がその山に登り、山頂のほこらに祭られた神に手を合わせて山の霊気を里に持ち帰る、神聖な伝統行事だ。
しかし過疎が進み、この行事も昭和30年代ごろから次第に姿を消していった。永田地区では5年前、約40年ぶりに復活させた。
「もう一度伝統に戻り、昔の人がどうやって自然と共存してきたのかを学ぶ。そうすることで、
何かが見えてくるのでは」。柴さん(上屋久町永田の民宿・『屋久の子の家』の経営者)はこう
話す。この島で失われつつあるものを取り戻し、後世につなげなければ、との思いが伝わる。
柴さんの民宿の夜は、夕飯が一段落して宿泊客がみんなで芋焼酎のグラスを傾け始めた。
中国の芸術家、福岡の外科医一家、沖縄の夫婦、大阪から来た女性客・・・・・。様々な人が
集まり、屋久島の山や海の素晴らしさを言い合う。「あんな森を見たのは初めて」
うっすらと顔を赤らめた柴さんも、沖縄の夫婦に歌をせがんだり、自ら島の歌を披露したりした。しかし、柴さんが口にしたひと言が胸を突いた。
「世界遺産になってから、屋久島に多くの人が訪れるようになった。自然環境は損なわれているけれど、世界の人たちと島を共有する事は大切」そして言葉を継いだ。「だけど共有された島の価値を守る方法を、私たちは知らない。だから嶽詣りをするんだ」
太平洋の片隅にポツンと浮かんだ島に、世界から人がやって来る。そのことへの喜びと戸惑いが、山の神に手を合わせて自然と共生してきた祖先の心をたぐり寄せることにつながった。
*長い記事なので、続きは明日に載せます。