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2007.02.18
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~双葉社、2000年~

 本多孝好さんの二作目の作品にして、初の長編です。
 次のような物語でした。
 主人公の柳瀬さんには、不思議な力があります。他人の波長と自分の波長をシンクロさせ、ためこんでいる思いを吐き出させる、という力です。
 柳瀬さんは、医学部に入り、著名な笠井教授に、呪いについて質問をしますが、自分の疑問が解明されることはありません。そこで、彼は大学をやめ、アルバイトとして、不登校の子供たちが通うアフィニティー学園の講師をつとめます。そんな中、笠井教授から連絡が入ります。自殺をはかり、回復の見込みがない女性の延命装置をとめたということで、殺人の疑いがかけられている教授は、その女性の娘―立花サクラ―の力になってほしいと、柳瀬さんに頼むのです。
 サクラは、柳瀬さんの能力に気付き、シンクロを拒みます。あなたの力はいらない、と突っぱねるサクラですが、次第に柳瀬さんと交流するようになります。
 学園に通う生徒の中にも、いくつかの問題がありました。頭が良すぎてしまった少年、面倒見のよい少女(ミカ)……。彼らにも柳瀬さんは働きかけるのですが、それが彼らを救ったことになるのか、どうなのか。物語のこととはいえ、もしも同様の状況があったとき、部外者が価値判断を下すのは、どこか無責任なようにも思います。
 柳瀬さん自身の両親についても、辛い過去がありました。父親も、柳瀬さんと同様の力をもっていたのですが、その関係もあり、妻―柳瀬さんの母親―を殺し、自殺をしてしまいます。父親の最期を、柳瀬さんはよく思い出せずにいました。


 誰しもなにかの苦しみを抱いていると思います。そこにどう向き合うのか。きちんと向き合っているつもりでも、それは逃げではないのか、ずるさではないのか、結局は保身なのではないか。…胸に刺さるような言葉が多々ありました。
 特に揺さぶられてしまったのが、公園で遊ぶ子供たちと、そばで談笑する母親たち。子供に声をかけられた母親は、笑顔を見せる前に、ほんの一瞬、迷惑そうな、忌々しそうな表情をのぞかせます。母親は、母親である前に、一人の人間です(その逆を強調する向きもあるかもしれませんが)。友達との会話の途中に、誰かに声をかけられ、いま面白い話しているのに、と少し迷惑そうに思い、その誰かに顔を向ける。その誰かが自分の子供というだけだったといえばそうですし、その誰かが子供であることこそが大事だともいえるとも思います。ちょっと文章が混乱してきましたが、読んでいて、久々に心を揺さぶられ、また怖く感じる一シーンでした。数年前に読んでいたら、心の揺さぶられ具合ももっとひどかったかもしれないな、と思いました。
 もやもやといろいろ思いながら、感じながら読みましたが、言葉にしづらいので、感想はこのあたりで。いずれにしても、印象的な物語でした。





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Last updated  2007.02.18 11:30:47
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のぽねこ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) スパイシーチューリップさんへ コメント…
スパイシーチューリップ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) 流行りましたね!キラキラ系、あまり知ら…
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