シェイクスピア(福田恆存訳)『リア王』
~新潮文庫、 1967
年~
William Shakespeare, King Lear
)
劇作家ウィリアム・シェイクスピア (1564-1616)
やや詳細にメモしておきます。
国事の務めを娘たちに譲るため、領土を三つに分けたブリテン王リアは、ゴネリル、リーガン、コーディーリアの3人娘それぞれに、自分への思いを語らせます。そして、ゴネリル、リーガンのような追従を言わないコーディーリアに激怒し、彼女を追放、コーディーリアへの態度に苦言を入れる忠臣ケントをも追放し、残る2人にすべてを与えます。
しかし、ゴネリルとリーガンは、リア王を冷遇しはじめます。
一方、グロスター伯の庶子エドマンドは、嫡子エドガーを陥れ、自分が伯を継ぐために画策を進めていました。
2人の娘に冷遇され、さまよい、狂気に陥っていくリア王、同じく息子の罠にかかり、両目を失い、さまようグロスター。一方、王をケントが、グロスターをエドガーが、ひそかに支えていきます。
そんな中、フランス王にとついでいたコーディーリアですが、フランス王がブリテンを狙っているとのうわさが広まっていき、ゴネリルたちは準備を進めていきます。
果たしてリア王を待つ運命は…。
例によって、訳者たちによる詳細な解題・解説が勉強になります。
その中でも指摘されていますが、子供に裏切られるリア王とグロスター伯が対に、親を裏切るゴネリル・リーガンとエドマンドが対になっています。
それぞれのパートが入り乱れ、 『ハムレット』
などと比べるとやや筋が追いにくい印象でしたが、リア王の判断により自身が苦しみに満ちていくという流れは印象的でした。
(2025.09.13 読了 )
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