シェイクスピア(福田恆存訳)『マクベス』
~新潮文庫、 1969
年~
(
William Shakespeare, Macbeth
)
劇作家ウィリアム・シェイクスピア (1564-1616)
簡単にメモしておきます。
スコットランドの武将にして、グラミスの領主であるマクベスは、ノルウェーとの戦いですぐれた活躍を果たします。そんな彼と、同じく武将のバンクォーの前に現れた3人の魔女は、マクベスを、グラミスの領主、コーダの領主、さらにやがて王になる方を呼びます。
魔女たちの言葉を信じられないマクベスですが、その直後、貴族から、マクベスがコーダの領主となったことを知らされます。やがて王に呼ばれ、たたえられるマクベスですが、2つの領主という魔女の言葉が現実になった今、王になるべく、善良なスコットランド王の殺害を企てることになります。
はたして、そんなマクベスを待ち受ける運命は…。
といった筋です。
魔女たちの言葉、そして妻のそそのかしに翻弄されるマクベスの振る舞いや、結末に近づくにつれて起こる惨劇など、なかなか辛い物語です。なぜ魔女の言葉の実現に早まってしまったのか。あのような行動をとらなくてもいずれ魔女の言葉は実現すると思えなかったのか。…だからこそ訪れる「悲劇」なのだろうと思いながら読み進めました。
「きれいは穢ない、穢ないはきれい」という魔女の有名なことば( 10
頁)や、マルク・ブロックが『王の奇跡』(井上泰男・渡邊昌美訳、刀水書房、 1998
年) 38
頁で引用している、登場人物のマルコムが王の治癒儀礼に言及する描写( 92-93
頁)など、有名なシーンにじかに触れられたのが収穫でした。
また、詳細な訳者解題は、本作を 『ハムレット』
との対比で論じていて興味深いです。
(2025.09.20 読了 )
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