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エピローグ
エピローグ~全ての終わりを迎えて~
ゼロの突入から数時間が経過した。だが、ゼロもムーンも依然として出てくる様子はなかった。
「理論的に、まだ決着が付いていないとは考えにくいな」
セティの言葉が始まりだった。
「それ……どういう意味ですか?」
リンがセティに問う。苛立ちを感じさせる声。
「この超長時間、ずっと魔力を使いっぱなしというのは不可能、ということだよ」
ベイトが代わって答えた。
「だから、ゼロが勝ったとは思うけど……」
そう信じているが、確証があるわけではない。故にベイトは語尾を濁らせた。
そろそろ日が昇ろうという時刻だ。それはこの戦いが始まってから丸一日の経過を示すものだった。
「少なくとも、負けてはいないだろう」
シックスがユフィの顔色を伺いながら発言する。彼が彼女の兄だからこそ言える台詞。その言葉の中には双方相討ち、すなわちゼロの死亡も含まれているのだ。
「そうだな。万が一ムーンが勝ったのだとしても、すぐに中から出てきそうなものだ。勝利の証を持って、な」
結論からすると、ゼロは勝った、あるいは相討ちした、ということになり、少なくともムーンを倒すことには成功したと推測された。
「ありがとう……。きっと、ゼロは勝ちました。そのうち帰ってくるでしょうし、今は戻って、皆に勝利を知らせましょう」
ゼロの突入後、一度たりとも口を開かなかったユフィが薄い笑顔で全員に向かってそう告げた。その胸の内は、察するまでもなく痛いくらいに切ない。
全員、言葉を失った。彼女はゼロの愛した女性。彼女の言葉に、返す言葉は見つからなかった。
ユフィの言葉に従い、彼らはシスカたちの控える本陣へと戻った。
本陣では勝利を手にした勇者たちが手厚く歓迎された。
「おかえり。……まず、おめでとうだね」
シスカが代表して労をねぎらう。まだ若いのに、風格が漂っていた。
「本当は敗戦したのかもしれませんよ?」
皮肉気にリンがシスカに言う。敬語を使っているものの、彼女とシスカは貴族学校時代の同窓生である。
「ムーンの魔力が消えたよ」
シスカの鋭い目が、ユフィに向いていた。
彼女はそこでようやく気付いた。ゼロを心配するあまり、意識が集中できていなかったのだ。その所為で、ムーンの魔力が消えたことに気付かなかったのだ。
「だったら、ゼロはどうなんですか?!」
ベイトが距離を詰めて、半ば叫ぶようにシスカに尋ねる。
ゼロに誘われて、自分は剣術を学んだのだ。そして今の、虎狼騎士の自分がいるのだ。自分を戦いに引き込んだ張本人抜きで、戦いの終わりなど彼にとって有り得なかった。
彼は少し俯いた。
「ムーンの魔力が消えて、数分が経ったあと、彼の気配は消えたよ。分かるのは……それだけさ」
握り締められた拳が震えていた。冷静な態度を取っているが、シスカ自身ショックなのだ。この戦いにおいてのリーダーにして、未来のエルフに必要不可欠な彼の存在が、不確かなことが。
生きているのか、死んでいるのか、それさえも分からない。
「ゼロは……」
ユフィが一歩前に出た。全員の視線が彼女に集まる。最悪の場合、この若さで彼女は未亡人だ。
「ゼロは、必ず生きています。感じるんです、彼の……鼓動を」
顔を上げて、柔らかく微笑む。その柔和な表情は、傷ついたもの達を癒すような、不思議な温かさがあった。とても美しくて、触れれば壊れてしまいそうなほど、儚い。
「だから、今は勝利の美酒に酔いしれましょう?私たちは勝ったんですから!ほら、元気出して!大変なのはこれからですよ!」
健気なほど、気丈に振舞う彼女の姿を見て、ある者は涙で涙腺を潤し、ある者は勝利を叫んだ。
その彼女をシックスはそっと優しく抱きしめた。
「……お兄ちゃん……!ゼロは……生きてるよね……?私を置いて、どこかに行っちゃったりしないよね……?」
心許せる者の胸で、彼女はついに溜め込み続けたものを吐き出した。彼女の涙は、兄の胸元を静かに濡らしていく。
「あぁ……お前が選んだ男だ。お前を残して、死んだりしないよ……」
その言葉は、今兄として彼に出来る精一杯の励ましだった。
こうして戦いに勝利した英雄たちは、その各々の国へと帰っていき、多忙な戦後処理に追われることとなるのだった。
最大の英雄、ゼロ・アリオーシュの安否は、誰も知らない。
北
戦いの1ヶ月後に行われた各国の国王、国王代理会議で、東西南北を治める者として、北王ローファサニが抜擢された。
彼は最後の戦いに直接参加した理由ではないが、何度倒れても諦める事無く立ち上がる不屈の精神と、若い王たちの中で最も大人だったということなどの理由から、彼が抜擢されたのだ。
人々は彼を称えた。“聖王ローファサニ”と。
あの戦いから、約2年の歳月が流れた。
戦争の傷跡はもう全くと言っていいほど残っておらず、ローファサニの政治的手腕は神のように迅速かつ正確で、間違うことがなかった。
彼の傍らにはいつも美しく微笑む王妃エリアの姿と、古くからの旧友であるセティ宰相の姿があった。
ベル・チェインとの戦いで焼き崩れた最強の城塞アイアンウルフ城の代わりに建設された、セイントノース城の玉座に座り、ローファサニはふと昔のことを思い出していた。
「そういえば、西王は帰ってきたのだろうか?」
隣に立っている宰相に尋ねる。
「さぁ……なんら情報は入ってきておりません」
記憶を辿り、セティはそう答えた。
「もう2年も経つか……。早いものだな、時間の流れとは」
「まるで年寄りみたいな言い方だな、ロー」
周りに誰もいないことを確認し、セティは彼に馴れ馴れしく話した。別段気にした様子もなく、ローファサニは笑った。
「ハハハ、気にするな」
セティもあの頃を思い出す。
ムーンとの最後の戦いの際、多くの敵が死に、同様に多くの仲間も死んでいったこと。あれほど多くの犠牲を出した戦いは、忘れたくても忘れられない。いや、忘れることなどしてはならない。その後を生きる者の責任として。
だが彼には、何より心に残っていることがあった。
ベル・チェインがローファサニの命を狙って単身攻めてきた時のこと。大事な、大切な君主を失いかけた時のこと。彼は彼女の威圧感の前に指一本動かせなかった。だが、その難は西の騎士であり、親友であったグレイ・アルウェイのおかげで、彼の死“だけ”は防ぐことができた。だが最強の敵を倒すために、その友の命は散った。
―――グレイ、聞こえているか?俺たちは、お前の望んだ“平和”を手にしたよ。もう二度とあんな戦いは生み出さない。そのために、今ガンバってるんだ。
空を仰ぐように、天井を仰ぐ。灰色の天井は、なんの変哲もなく、代わり映えもしない。
今は亡き親友のことを思いつつ、彼らは今日も働いている。
北は、今日も平和だ。
南
東西南北の王として、最有力候補だったシスカだが、抜擢されなかったからと言って彼が荒れるなどということはなかった。
それ以前に、ローファサニが相応しいと言ったのは彼なのだ。
だが、王とならなかったからと言って南が衰えた理由ではない。4国の中ならば、群を抜いて最も豊かな国が南であった。
シスカの発揮した天才的な政治的手腕は、傷ついた街に次々とメスをいれていった。街は続々と復興を遂げ、人々には笑顔が絶えず生まれていた。
さらに彼は、国王不在の西に援助まで行っていた。
人々は称えた。“賢王シスカに不可能なし”と。
玉座に座っている少年が居た。とても美しく、男よりも女に程近いような存在。
「ネル、西王殿はいまどうしてるんだろうねぇ」
ふと、彼がそんな言葉をもらした。
「詳細は、まだ掴めておりません……」
ネルが静かに答える。シスカ自身答えに期待していた理由ではない。
ただ、思い出したのだ。あの戦いのことを。
―――ゼロ、君は今どこで何をしているんだい?
シスカが天を仰ぐ。空と彼の間には、装飾された銀色の天井。
それらは、何一つ答えてくれなかった。
「アニキは……きっと生きてるよ」
ネルの反対側、シスカの左側に彼の座っているそれよりも、二回りほど小さい玉座に座っている少女が確かな声で呟いた。
少女、セシリアはこの戦いで家族を失った。唯一生きていると信じている兄も、未だ姿を見せてこない。
兄リフェクトは、自分を庇ってムーンに殺された。母は、戦乱の時代の中心労と病気で亡くなった。父は、聞いたところ兄と戦い死んだという。捨て子だと兄が連れてきた血の通わない妹アノンも、ゼロとともに行方知れず。
今彼女がシスカのもとにいるのは、以前世話になった縁があったことと、彼女がシスカに呼ばれたからであった。
「そうだね……。それに、彼の許し無く君に手を出すことも出来ないからなぁ」
シスカがセシリアの耳元でそう囁いた。彼女は顔を赤くし照れてしまった。
初めはシスカの片想いであったが、次第に彼女もさりげない彼の優しさに触れているうちに、彼のことを好きになっていた。
「……バカ」
赤く照れた表情で、次期南の王妃セシリアは南王シスカにそう言い放った。
ナターシャ家
ナターシャ家では、家長となったシックスが、初めは情けで養っていた――あの戦いで兄、ヴァルクを亡くした――コトブキを妻として迎え、二人でナターシャ家の財産を使い孤児院を設立し、経営していた。
あの戦いで孤児になった子はもちろん、ハーフエルフやヒューマノイドエルフも差別なく世話をする場所。
「シックス~♪」
ナターシャ家の、シックスの個室にコトブキが無断で入ってきた。だからと言って、怒るような彼ではないが。
背後から抱きついてきた女性に振り向かず返事をする。
「どうした?」
「別に、意味はないよ♪」
「なんだそりゃ」
そこでようやく振り返る。改めて思い返せば、あの戦いの頃は二人とも敵同士で、同じ場所に部隊を構えていて、直接激突していたのである。それがどういう縁で今こうして結ばれているかは、説明しがたいものがある。
―――不思議な人生を送っているもんだ。
そうシックスは実感する。彼女との出会い自体、摩訶不思議だ。
「ゼロさん、今頃はどうしてるかな?」
シックスと出会う前まで、片想いしていた西王のことをふと思い出す。
「早く戻ってきてほしいねぇ……」
西で今もゼロの帰りを待っている可愛い、目に入れても痛くないほどに可愛い妹を思い起こし、シックスはそう呟いた。
ナターシャ家には今日も温かい笑い声が溢れ、孤児院では子供たちはしゃぐ声がする。
だが、義理の弟はまだ行方も知れない。
東
連合軍と対立した東では、ライトが未だ政務に追われていた。
あの戦いで彼は多くの部下を失い、ほぼ全てを失った。
それでも彼はめげずに努力し、東をエルフ一の商業都市へと発展させた。
天才的な政治的手腕を持っているわけでもなく、すぐれた能力があるわけでもなかったが、彼には優しさがあった。
多くの人々を引きつける、温かな優しさが。
人々は称えた。“森を照らす優しき光ライト”と。
建設したての城の屋上に、ライトは一人立っていた。
青い空と、輝く太陽が美しい。
「ムーン……」
眩しさに手をかざしながら、彼は一言そう呟いた。
普段は暗い顔をしない彼の顔が、今だけは暗く見えた。
厄災として、敵として倒された実の妹。
それが彼女の運命だったのならば、仕方ないとは思う。
だが、彼に彼女を忘れるなどということは、一生出来そうもなかった。
彼には、西王のことなど頭にはなさそうだ。
西
不在の王ゼロに代わって、王妃ユフィとそれを支える多くの貴族や虎狼騎士のおかげで西は戦いの前の雰囲気を取り戻していた。
ゼロが、王がいなくともここまで復興できたということは、西の民にとっての誇りだった。
だがやはり人々は願い続ける。英雄、ゼロ・アリオーシュの帰還を。
グレムディア家
一人っ子であるミューのもとに、婿養子としてコールグレイ家の末子ライダーがやってきた。
だが、入籍こそ申請したものの、式はまだ挙げていなかった。全てはゼロが帰ってきてからだから、という理由で。
二人は今日も仲睦まじく、並んで散歩していた。
「ゼロが最後の決戦に行ってから、もう2年近く経ったんだよなぁ……」
しみじみとライダーはあの頃を思い出していた。
「懐かしいですね。あの戦いで、私も貴方も死んでもおかしくない傷を負ったのも懐かしい」
ずっと変わらない、穏やかな口調で、ミューがクスクス笑った。あの頃と違うのは、彼女の腰にあるはずの刀が今はないこと。もう、今の時代に刀は必要ないのだ。
『侍道とは、女としての幸せを掴むことと見つけたり』それが今の彼女の本心だ。
「あぁ……俺はもう、あんな戦いはゴメンだね」
青い空に向かって高々と両手を突き出し、伸びをするライダー。
その彼をミューは優しい眼差しで見つめていた。
「あの人も、今この空を見上げているのでしょうか?」
思い出される記憶の中に、思い出される顔がある。
「あぁ……きっと見てるさ」
彼の頭にも、同じ顔が頭に浮かぶ。憎たらしいが、彼の知る限り最高の男だ。
二人は、青い空を見上げていた。
ネイロス家
戦いの最中からすでに恋仲として出来上がっていたベイトとテュルティも、ライダーとミューと同様に、入籍こそしたが挙式はまだ行っていなかった。
ネイロス家の庭先に私服姿で愛犬たちと戯れるベイトの姿があった。
その穏やかで優しさに溢れる姿からは、とてもあの戦いにおいて活躍した英雄とは結びつかなかった。
「ベ~イト」
家のほうから、自分を呼ぶ声がする。彼は振り返った。
「なんだい?」
優しい声で返事をする。視線の先には、愛する妻テュルティの姿がある。
「今日、何の日か覚えてる?」
ニヤニヤしながら近付いてくる彼女から視線を外さないで、彼は少し思案した。
「ん~と……テュルティが、虎狼九騎将に任命された日かな?」
少し不安そうに、ベイトは答えた。
「大正解♪」
満面の笑みを浮かべ、彼女は彼に抱きついた。
「同時に、初めて顔を合わせた日でもあるよ♪」
付け足した彼女の表情は明るかった。
「虎狼九騎将かぁ……懐かしいな」
あの頃の記憶が蘇る。ベイトは、庭の中のベンチにテュルティと並んで座り、あの戦いで命を落とした仲間のことを思い出した。
すでに“虎狼九騎将”という肩書きは捨て去られ、皆一様に“虎狼騎士”と称している。
「グレイにファル、ミリエラ、リエル、ジエルト、フェイト、クウェイラート……あんなにいっぱいいたのに、みんなもういないんだよね……」
彼の中での虎狼九騎将のイメージは、やはりテュルティたちが入る前の、小隊制だったことのメンバーだった。遠い目をして独り言のように呟いた彼だが、テュルティはそれをしっかりと聞いていた。
「カイさんも、だよ」
少し声のトーンを落とし、彼女は付け足した。ミューを護るために、その命を散らした勇敢な戦士だ。ほとんど面識はなかったが、虎狼騎士の仲間だったことに変わりはない。
「そうだね」
少し寂しそうな笑顔で、彼は彼女に相槌を打った。
「みんな、いい人だったな……。まぁ、一歩間違えば僕もその中に入ってたんだろうけど」
苦笑するベイト。
「全く、その虎狼騎士の長はどこにいったのかしらね」
呆れた様子で、彼女は空にその言葉を投げかけた。青い空は、笑っているような気がした。
「気まぐれに、そこらへんを散歩してるんじゃないかな?」
同じようにベイトも空を見上げた。青い空に、大きな雲がゆっくり流れていた。
ホールヴァインズ城の執務室に、一人の美しい女性の姿があった。
黙々と目の前の資料を見ながら、頭を捻らせている。
「う~ん……どうしようかな……」
南からの援助を足しても、資金が明らかに不足している。この不足分をどこから捻出するか、それが問題だ。
コンコン
頭を捻らす彼女の耳に、ドアをノックする音が聞こえた。
「どうぞ」
見向きもせず彼女は返事をする。相手はわかっている。
「王妃、少し働きすぎではありませんか?ここ数日ほとんど休まれておられないようですし、今日はこの辺で切り上げて、お休みになられてはいかがですか?体調を壊されては……ゼロ様も悲しむことでしょうし」
アリオーシュ家に古くから仕えているメイド長のマリメルが、彼女を心配し、顔を出してくれたようだ。城勤めの者の中で、“ゼロ様”と呼ぶのは彼女だけだ。
他の者は必ず“ゼロ陛下”と呼ぶ。やはり、西よりもアリオーシュ家に仕えていた年月が長い所為だろうか。
ユフィはマリメルにそう言われて、そんな気もしてきたようだ。瞼が突然重くなってくる。
「そうね……マリメルの言うとおり、今日はここで一段落しようかな」
彼女は立ち上がり、手早く帰宅の準備をした。
「城門前に馬車を用意しております。どうぞご利用ください」
相変わらずのクールビューティ。微笑んだりせず、物腰穏やかな口調で彼女は女性にそう言った。
「用意のいいことで」
苦笑して、彼女は城を後にした。
アリオーシュ家に用意された、自分専用の部屋に入り、ベッドの上で無防備にも横になる。
ゼロと会わないでもう2年近く経つのだ。彼女の疲労は心身ともに極限まで達していた。
自分でも驚くくらい努力したと思う。きっと彼も驚くに違いない。そう考えると、彼女は自然と頬が緩んだ。
「ゼロ……貴方は今どこにいるの?何をしているの……?……もう、2年と37日も会ってないんだよ……?会いたいよ……声を聞かせてよ……」
付き合い始めてから、こんなにも彼と会わなかったことはなかった。どんな時でも定期的に会っていたし、話していた。想いを確かめ合っていた。
人知れず涙が溢れる。
これまでにどれほどの涙を流し、枕を濡らしてきただろうか。
だが涙は決して枯れることなく、毎日のように流れ溢れる。
暖かい日差しが窓から差し込み、カーテンが風に揺られた。
「ゴメンな、今までずっと一人にして」
空耳かとも思った。
その声は、あまりに懐かしすぎる声。
思わず、耳を疑った。
慌てて彼女は窓のほうへ振り返る。
「やっと、全部清算出来たよ」
窓から入ってきたのだろうか、外の匂いと日光の匂いとともに、彼は窓際に立っていた。
どこか恥ずかしそうに、だけど、嬉しそうに。
「……バカ!今までどこをほっつき歩いてたの?!……すっごく、すっごく心配してたんだよ……?」
ベッドに腰を下ろしたまま、彼女は泣きながら男のほうを向いていた。涙を隠すように叫ぶが、叫べば叫ぶほどに涙も溢れる。
男が彼女に近付き、そのか弱い身体をギュッと抱きしめた。
「もう、二度とユフィを独りにはしない。神に誓うよ」
彼女は彼の優しさに包まれ、彼の温もりに溺れた。
「約束だよ?絶対絶対約束だよ?」
子供のように泣きじゃくりながら、彼女は問い返した。
「あぁ」
男は優しく答えた。彼女の頭をぽんぽんと軽く叩く。彼女の身体を離し、顔を上げさせた。
「……ただいま、ユフィ」
照れたように、だが満面の笑みを浮かべて、男は彼女にそう告げる。
「……おかえり、ゼロ」
満面の笑みで彼女は答えた。
陽射しが、彼女の涙を輝かせた。
輝く笑顔が、全ての幸せと喜びを語っている。
今、本当に全ての戦いが終わった、その瞬間であった。
今ここに、幾多の英雄たちの“遥かなる統一の夢”は果たされたのである。
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