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May 6, 2010
カテゴリ： ベランダ
いつものように寝坊した母さんは、散歩をサボり、ボクをベランダで遊ばせていた。
札幌もようやく春？
４月にしては珍しく、ぽかぽかとした気持ちの良い朝だった。
しかし、母さんがボクを呼ぶ。 仕事に行く時間らしい。
「のえる～。おいで～」
母さんが出かけたら、ボクは、また部屋でひとりぼっちになる。
「い、いやだ。」
呼んでも来ないボクをつかまえに、母さんがベランダへ出てきた。
「いやだよ！」
ボクは必死でベランダを逃げ回った。
隅に追い詰められたとき、ボクは、境壁の横の隙間をむりやり通って、逃げてしまった。
そう、となりのベランダへ！
「のえる！！」
母さんが絶叫した。
「のえる！ おいで！」
境壁の横からのぞく母さんの顔は、おそろしい怒りのオーラを発していた。
「のえる～。おやつだよ～。」
なんとか冷静さを保ちつつ、ねこなで声でボクを呼ぶ。
（たいして美味しくもないおやつを差し出しながら。）
ボクは、後ずさりした。
時間がむなしく過ぎてゆく。 もうぜったい遅刻だ。
とうとう母さんが切れた！
母さんは中学生の時からクリスチャン。
悲しいとき、うれしいとき、いつも神様にお祈りをする。
その時、ボクは母さんがこう祈る（？）のをはっきりと聞いた。
「かみさま、どうか、あのク☆犬を、なんとかしてください！」
え？ 「ク、ク☆いぬ」？？？
とにかく、ボクはその時、自分が何かとんでもないことをしてしまった…ということに気がついた。
そのとたん、急にこわくなって、体がぶるぶると震え出し、ほんとに動けなくなってしまったんだ。
結局、母さんは、ボクをとなりのベランダに残したまま、仕事に出かけていった。
少しすると、震えがとまった。
となりのベランダって、なんか新鮮～。
古いタイヤとか、ごみとか、いろいろ置いてある。
ぽかぽかして、あったかい。 いやあ、ほんと気持ちいいな～。
しばらくのんびり、うとうとしてたら、声が聞こえた。
（ボクを心配して、昼休みに職場を抜け出し、戻ってきた母さんだった。）
「のえる～」
え？ 母さん？ 今日は、すごく早く帰ってきたんだね。
やったあ！ 母さんだ！
ボクはしっぱをぶんぶん振って、走り出していた。
境壁の横をむりやり通って、母さんのところへ。
母さんは、ボクを抱きしめて、いっぱいいっぱい撫でてくれたよ。
それからというもの、ボクはなぜか、ベランダでもリードでつながれるようになった。
ちょっと納得いかないが、それはそれで、しかたがないような気もする。
ブルーベリーは、つぼみがいっぱい。
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