心筋梗塞2



下壁梗塞によく合併する完全房室ブロックを起こした場合は、緊急でテンポラリー(一時的)ペースメーカをいれることがあります。それによって心拍を維持します。下壁梗塞の房室ブロックの多くは一過性であり、次第に改善します。(房室結節枝の虚血が原因であるが、左前下行枝からも血液を供給されているため完全には機能は無くならない。)

心不全をおこし、肺水腫などをきたした場合には、呼吸状態をみて人工呼吸にきりかえます。ニトログリセリンの点滴で心負荷を軽減しつつ、利尿剤を考えます。
通常はほとんど入れないのですが、スワンガンツカテーテルを挿入すると、肺動脈や、肺動脈喫入圧が測定でき、左室の容量の状態を反映し、左心不全の評価ができます。

ショック(この場合は心原性ショック)状態になると、血圧は著明に低下し末梢循環不全がでてきます。ノルアドレナリン、ドパミンなどのカテコラミンを使用し血圧を上げる必要があります。それでも改善がみられない場合は、IABPを挿入して冠動脈血流を上げつつ、後負荷を軽減して心臓の負荷をやわらげます。さらに改善されない場合は、PCPSにて循環をサポートします。救急でショック状態での心筋梗塞の患者が来た場合は、何よりもすぐに心臓カテーテルにもっていくことが重要です。

心臓カテーテル治療をした後は、状態が安定したところで安静度を拡大していき、食事などが開始になります。施設によって進行具合は変わりますが、流れとしては、少しずつ体を起こしていき、最終的にはCCUで歩いても大丈夫なくらいまでもっていきます。病棟に移ってからもリハビリを継続し、100メートル、200メートルと歩行距離を伸ばして心臓への負荷をかけつつ、行動範囲を広げていきます。ここで注意しなくてはいけないのは、心臓の状態は決してよくないことを認識して慎重にリハビリを進めなくてはいけません。




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