[通院にゃあ実ちゃん] カテゴリの記事
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にゃあ実ちゃんとご近所猫３７３
にゃあ実ちゃんと病院 にゃあ実ちゃんを病院に連れて行くときは大抵「エステに行くよ～」と言って連れ出す。これは あながち嘘ではない。にゃあ実ちゃんのかかりつけの女の先生は体重を計った後、まず触診をするのだがそれがまるで全身マッサージのようだ。ワクチン接種をする時も、ゴニョゴニョ、チクッ！と、いつの間にか終わっている。 そうは言っても、ゴールデンウィーク中に病院通いをした時はさすがにエステというわけにはいかなかった。嘔吐と下痢でふつかの間に採血、注射、レントゲン、点滴・・・とにゃあ実ちゃんにとってはつらい診察となった。 採血をしようと先生が にゃあ実ちゃんの後ろに回ると、異変を察知したにゃあ実ちゃんは、やけに後ろを気にしている。そこでエリザベスカラーの登場。先生が取り出したあのエリマキトカゲ風のカラーはナント、ピンク！しかも小柄なにゃあ実ちゃんにピッタリサイズ。それを巻いた時のにゃあ実ちゃんたら、まるでイギリスの王女様と見まごう可愛さだった。その時にゃあ実ちゃんが全快したら、絶対ピンクの首輪を新調しようと思ったのだ。そして今、にゃあ実ちゃんは ねえねえ真新しい ピンクピンクの首輪を 似合うかにゃ～つけている。
2010.05.15
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にゃあ実ちゃんとご近所猫３７０
にゃんずの朗報 にゃあ実ちゃんはすっかり回復し、元の生活に戻った。変わったことといえば、リードを付けて外に出すのをやめ、抱っこをするか、手製のケージに入れての日向ぼっことなった。初めはケージに入れようとすると、病院へ行くような気がするのか尻込みしていたがケージごと外に出てみると、案外快適なようで室内でもその中でお座りしていることがある。専用庭といっても上の階から何が降ってくるかわからないし、外の子達も出入りしているので、心配性なワタシとしては、念には念を入れることにした。こんな寝方あんな寝方連休明け後の雨降りとなった今日、どんちゃんは特等席のベンチで雨宿り。汚れているのはご愛嬌。しっかりご飯を食べて、先程出かけて行った。そしてお腹の大きいクロ子は無事出産を終えたそうだ。というのは、近所の猫集会所である駐車場に隣接する猫屋敷さん（仮称）宅のそばを通ると、運よく庭（というより藪？）に水撒きをしている猫屋敷さんの奥さんを見かけた。チャンス！とばかりに近寄って、クロ子の安否を尋ねてみる。初めは警戒していたが、詳しく事情を説明すると、「きっとうちのノコちゃん♪」との返事だった。猫屋敷さんのところの猫だろうと察しはついていたが、所在がはっきりしたことで安心した。実は猫屋敷さんの方こそ しばらくノコちゃんが行方不明だったので、心配していたそうだ。それが2週間ほど前に帰ってきて、子猫を産んだようだという。「ようだ」というのが気がかりだが、猫屋敷さんの言うにはなつかない子で、猫屋敷さん宅の藪のどこかで暮らしていて、ご飯は食べに出て来るという。健康チェックなどを行っているのかまでは、さすがに聞けなかった。いずれにせよ、ノコちゃんという立派な名前を持ち、住居と食べ物には困っていないらしい。GW中の看病疲れと心労も一気に吹き飛ぶ朗報だった。皆様、クロ子ことノコちゃん事件 及び にゃあ実ちゃんの体調不良では大変ご心配をおかけいたしました。お見舞いの言葉やお心遣い、アクセス等々、本当にありがとうございました。
2010.05.07
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にゃあ実ちゃんとご近所猫３６９
悲しみのゴールデンウィーク 近い将来、ゴールデンウィークがこの時期ではなくなってしまうかもしれないので、昭和の日には激動の時代を偲び、文化の日には憲法について考え、みどりの日は自然に親しみ、そしてこどもの日には にゃあ実ちゃんの成長を祝おう！と思ったのに・・・今年のGWはとんでもないことになってしまった。5月1日のことだった。朝からにゃあ実ちゃんの様子がおかしい。床には吐いたあとが2箇所あり、いつもなら「おはよう！」のあいさつで元気に「にゃあ！」と鳴くにゃあ実ちゃんの表情に覇気がない。朝のご飯も食べようとしない。下痢もしている。しばらく様子を見てみたが、嘔吐と下痢が収まらず、いつもの輝くような毛艶もない。これ以上、様子なんか見ている場合じゃあない。にゃあ実ちゃんをバッグに入れていつもの病院へ向かう。4月の初旬に血液検査をした時は何ともなかった。悪い病気でなければいいが・・・。先客2ニャンの診察を待って、にゃあ実ちゃんの番がくる。体重を計ると、ナ、ナント2.31キロしかない。激ヤセした先月より更に100グラム減っている。触診、血液検査にレントゲン。いろいろ調べてもらったところ、肝機能が正常でなく、白血球の数値も桁違いに上がっている。にゃあ実ちゃん、どうしよう～注射と点滴を打ってもらって、ひとまず帰宅。何か変なものを口にした可能性があるという。翌2日も通院。休診日に入る3日からは、飲み薬を与えて自宅療養。一段と小さくなったにゃあ実ちゃんの背中を優しくさすりながら不安と闘う連休となってしまった。そして本日5日。食欲も出てきたし、トイレも正常に。連休明けに診察を受けてからでないと、はっきりしたことは言えないが、いつものにゃあ実ちゃんに戻りつつある。遠い目をした にゃあ実ちゃん。ホントに心配したんだよぉ。
2010.05.05
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にゃあ実ちゃんとご近所猫１１６
にゃあ実ちゃんの健康チェックポイント 今回の歯石取り＆抜歯でつくづく日頃の健康管理の大切さを感じた。いい機会だったので、これからの歯のお手入れや健康管理について先生にアドバイスをお願いした。 まず歯茎のマッサージ。人差し指で歯茎を軽くゴシゴシ手早く擦る。前からでも横からでもやり易い方法でいいそうだ。歯ブラシが使えればそれに越したことはないが、無理しなくていいという。布や紙では歯茎を傷つけることもあるので注意が必要。 ご飯はダラダラ食べないよう、メリハリを付ける。我が家では留守中にゃあ実ちゃんにひもじい思いをさせないよう、日中ご飯を置きっぱなしにしていたが、それが良くなかったようだ。朝は出かける前に食べさせ、残ったら片付ける。独りなら昼間は熟睡する時間なので、ご飯がなくても大丈夫。どうしても心配ならスプーン１杯程度で十分。帰って来て夕飯を食べさせる。そして寝る前に夜食を置いておく。元々夜行性で、夜は寝ているといっても、うつらうつらしていることが多いので、夜の食事に変えていく方が良い。 ワクチンは１年後に、初めの数年は年１回ペースで、そのうち問題がなければ間隔をあけていく。 時折、乳癌チェックのため胸からお腹にかけて触れ、しこりがないか確認する。 日頃から飲んだお水の量をはかる。これは腎臓疾患の早期発見につながる可能性があるそうだ。季節によって蒸発の程度が若干異なるが、継続して行っていると大体の目安になるという。水を注ぐときに計量カップなどで量をはかっておき、水を変える時に再びはかり、その差を記録する。腎臓に問題がある時は飲む水の量が増えるのだそうだ。 にゃあ実ちゃんのためにも、そして私自身が後悔しないよう、できるだけこれらのことを継続していこう。ぐっすりお休み中あれれ、今日は違った入り方ですねぇ！
2009.04.24
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にゃあ実ちゃんとご近所猫１１５
抜歯から１週間 今日は抜歯から１週間後の検診の日。抜歯直後はむくんでつらそうだった顔が、今はすっかり以前のにゃあ実ちゃんに戻っている。ここ数日は運動量も多くなり、前以上に元気に見える。だが予断は許されない。 さり気なくにゃあ実ちゃんを抱っこし、いつものオレンジ色のキャリーバッグに入れる。今日はすんなり入ってくれた。そのまま玄関に置いてかばんを取ってくると、なぜかにゃあ実ちゃんが廊下をトコトコ歩いて来る。「えっ、何で？」慌ててバッグを確認すると、後ろのファスナーが十数センチ開いている。戸棚から出した時、前面の網になった入り口ばかり気にしていて、背面を確認するのを忘れていた。器用なにゃあ実ちゃんは、数センチの隙間を広げて出たのだろう。 ファスナーを閉めて、どこかに隠れてしまったに違いないにゃあ実ちゃんを探しに行こうと振り返ったら、バッグから数メートルの廊下で腰を落としてこちらを見ている。おやおや、にゃあ実ちゃん、病院だとわかっていても逃げないんだ。いつもながら、何ていい子なのだろう。 予定通りの電車で病院に向かう。今日のにゃあ実ちゃんは落ち着いていて、道中ほとんど鳴かなかった。 病院で待つこと１５分。隣に座っていた年配の女性が話し掛けてくる。「まだ若いんでしょ。」「いえいえ、もうすぐ６歳です。」「あら、そう。うちは１９歳。」それなら６歳も若いといえるかもしれない。やはり歯の病気で、他の病院からこちらに転院してきたのだそうだ。７本も抜いたけれど、結構食べているという。それにしても１９歳とは羨ましい。にゃあ実ちゃんもそれぐらい、いや、それ以上、頑張って欲しいものだ。 名前を呼ばれて診察室へ。先生はにゃあ実ちゃんの口を慣れた手つきでこじ開け、中をチェック。「よくなっていますね。ここに糸があるのが見えますか？これは自然に溶けてなくなる糸ですから大丈夫ですよ。これで今回の歯の治療は終了です。」 にゃあ実ちゃん、良かったね。にゃあ実ちゃんにも先生の話がわかったらしい。嬉しそうに「にゃあにゃあ」鳴いた。 病院からの帰り道、にゃあ実ちゃんは穏やかな表情で静かに座っていた。初夏を感じさせるようなお天気同様、私たちの心は晴れやかだった。
2009.04.23
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にゃあ実ちゃんとご近所猫１１４
押入れのにゃあ実ちゃん にゃあ実ちゃんが抜歯した晩に添い寝をするために敷いた布団は、しばらく干した後、押入れにしまうことにした。 襖を開けると案の定にゃあ実ちゃんが飛び込んだ。押入れには布団、衣類、扇風機や使わない小物などが適当に押し込んであるので、微妙な隙間ができている。小さなにゃあ実ちゃんが隠れる絶好の場所が幾つかある。にゃあ実ちゃんは押入れ好きだが、しばらく入っていなかったので、たまにはいいだろうと放っておいたが、なかなか出てこない。「にゃあ実ちゃ～ん。」呼んでも返事がない。 しばらく待っているとガサガサ音がする。いたいた！にゃあ実ちゃんたら壁と箱の隙間に潜んでいる。絶好のシャッターチャンスだ。ビデオを持つ手を伸ばし、にゃあ実ちゃんに迫る。にゃあ実ちゃ～ん！何よ～こんなところまで追いかけてくるの？にゃあ実ちゃん、モノクロもいい感じ♪はい、ここでご挨拶～にゃぁああああ！！ にゃあ実ちゃんは、ちゃんと要望に応えてくれる
2009.04.22
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にゃあ実ちゃんとご近所猫１１３
朝のお薬 にゃあ実ちゃんの抜歯から８日間、毎日決まった時間に錠剤を投与しなければならない。これまで口内炎や風邪で薬を投与することはあったが、錠剤ではなく液体の薬にしてもらい、ご飯に混ぜていた。にゃあ君が病気の時、錠剤で失敗していたので、にゃあ実ちゃんも難しいだろうと思っていたからだ。 先生に錠剤は飲めそうかと尋ねられ、う～んと思案していると、「こうやって奥へポンと投げ込むんですよ。」と、身振り手振りで教えてくださった。簡単そうに言うので挑戦してみることにした。 抜歯の翌朝のご飯の後、にゃあ実ちゃんが怪しむ前に、家族がそっと抱き上げ、私が口元をごにょごにょしながらいきなりガッとこじ開け、ポーンと奥へ放り込んだ。にゃあ実ちゃんは喉の辺りで軽く「うぇっ」としたが、口の周りをペロリとやっている。吐き出す気配はない。大成功だ。なあんだ、こんなに簡単なことだったのか。食わず嫌いというのがあるが、試しもせずにダメだと思い込んでしまっていたのだ。 それから毎朝、錠剤を放り込むのが楽しみになった。「はあい、にゃあ実ちゃん、いきますよ～。」今のところ５戦５勝だ。にゃあ実ちゃんもそろそろ慣れてきて、「まあしょうがないか」とペロリとやっている。 問題は歯磨きだ。初めの３日は痛みがあるかもしれないし、ばい菌が入ったりしたら大変なので、そっとしておいたが、４日目からは歯茎のマッサージを始めた。先生の言うには、歯磨きの嫌いな猫ちゃんには無理にシートやティッシュでゴシゴシやるより、奥歯の歯茎をマッサージする要領で指先で軽く擦るだけでも効果があるのだそうだ。 にゃあ実ちゃんが膝に乗った時に、後ろから両手の中指と薬指で首から顎にかけてごにょごにょやる。にゃあ実ちゃんの好きなマッサージだと思わせておいて、さり気なく人差し指で歯茎を擦る。 最初はあまり口をこじ開けたりせず、自然に人差し指が当たるところを擦るだけだったが、昨日は指先で口を引っ張ってもう少し奥の歯茎までゴシゴシっとやってみた。にゃあ実ちゃんは「ん、何？」という顔をしたが、逃げたり怒ったりしなかった。これなら何とかできそうだ。 元気になったにゃあ実ちゃんはいつもの遊びを始めた。ピンポンに隠れん坊。やはりにゃあ実ちゃんはこれでなくっちゃ。 ガサガサいうけど何でしょうやっぱりにゃあ実ちゃん
2009.04.21
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にゃあ実ちゃんとご近所猫１１２
桜が終わってにゃあ実ちゃんの抜歯の経過は良好で、ご飯を食べる勢いも跳躍力も以前の状態に戻った。昨夜は久しぶりにピンポン玉で遊んだが、技術もパワーも増していた。もしかしたらずっと歯が痛くて我慢していたのかもしれない。春になったらなんて言っていないで、早く行ってあげれば良かった。抜歯の痛みも薄らいでいるようで、元気はつらつにゃあ実ちゃんだ。家の周りでは桜が終わって次の花が咲き始めている。梅や桜の淡いピンクから、燃えるようなピンクへと景色が変わり始めている。元気になったにゃあ実ちゃんはいつものようにお外の監視外へ出たいんだけどな薬を飲んでいるうちは、我慢、我慢そこで粘ってもだめですよ～
2009.04.20
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にゃあ実ちゃんとご近所猫１１１
歯石取り part５ 家族が帰宅し、にゃあ実ちゃんを頼んで再び机に向かう。今日は仕事がはかどらない。パソコンに向かって打ち込むのだが、ちょっとやってはにゃあ実ちゃんの様子を見るという繰り返しなので、なかなか終わらない。 あと少しというところで、にゃあ実ちゃんが近寄ってきた。普段は軽々と机に飛び乗るのだが、まだジャンプはできない。前足を私の足に掛けて抱っこをせがんでいる。「はいはい、いらっしゃい。」抱き上げて膝に載せるが不安定だ。うっかり落としたら大変だ。片手でにゃあ実ちゃんを支え、もう片方の手でキーを打つ。「ごめんね、にゃあ実ちゃん。こんな時に仕事だなんて。」膝の上で休む術後のにゃあ実ちゃん むくんだお顔が痛々しい お休みの時間が近付く。跳躍できないにゃあ実ちゃんをベッドに連れて行くのは危険なので、今日はリビングに続く和室で寝ることにした。こんな状態ではにゃあ実ちゃんも襖や柱で爪研ぎはしないだろう。バリケードの柵をどかし、和室に布団を運ぶ。隣ににゃあ実ちゃんの寝床をこしらえる。これならいつでも様子が見られる。私がにゃあ実ちゃんと添い寝の準備をしていると、家族までがにゃあ実ちゃんの寝床の横に布団を敷き始めた。何だか不思議な夜だった。 明かりを消す。この暗さではにゃあ実ちゃんの姿は見えないが、気配は感じる。私と家族の寝床を行ったり来たりしながら、時折ふたりの間に置かれた自分の寝床に座っている。麻酔が切れて歯が痛んだりしていないだろうか。心配でにゃあ実ちゃんを呼んでみる。にゃあ実ちゃんは一度布団の中に入って来たが、しばらくしてまた徘徊し始めた。「にゃあ実ちゃん！」幾度かにゃあ実ちゃんの名を呼んだのは覚えているが、その後記憶が途切れている。前夜からの神経疲れで看病どころか熟睡してしまった。 翌朝６時ちょっと前に目が覚める。隣の寝床ににゃあ実ちゃんの姿はない。「にゃあ実ちゃん、どこ？」にゃあ実ちゃんは尻尾をピンと立ててトコトコ歩いてきた。むくんでいた顔がだいぶ引き締まっている。目元を見るとまだいつものにゃあ実ちゃんではないが、お腹がすいたのか、にゃあにゃあ鳴き始めた。「はいはい、ご飯ですね～。」先生がご飯は朝から普段どおりでいいと言ってくれたので、柔らかご飯とカリカリを出す。にゃあ実ちゃんは柔らかご飯をほおばると、カリカリには口をつけず、お口の掃除を始めている。とりあえず食欲はあるようだ。トイレを使った形跡もある。やっといつものにゃあ実ちゃんに戻った。そして我が家のすべてが平常に戻った。
2009.04.19
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にゃあ実ちゃんとご近所猫１１０
歯石取り part４ どんちゃんが去り、再びにゃあ実ちゃんとふたりっきりになる。にゃあ実ちゃんは相変わらず固まっているが、半開きだった目が閉じている。不安と恐怖で目を見開いた状態で麻酔が効いてしまったのだろう。徐々に筋肉が機能を取り戻し始めているようだが、まだしばらく目が覚めそうもない。静かにお腹が波打っているのを確かめ、机に向かった。 ３、４０分経った頃、ドタッという音で振り返る。にゃあ実ちゃんがマットから数歩の床の上で崩折れている。歩き始めたものの、力が入らずガクッとなってしまったようだ。駆け寄ってにゃあ実ちゃんをそっと抱き上げマットに戻す。「もう少し、休んでらっしゃい。」優しく背中をさすりながら自分も床に横になる。にゃあ実ちゃんの乗ったマットに頭を半分載せた状態でしばらくさすり続けた。にゃあ実ちゃんの目はまだトロンとしている。時折起き上がろうとするが、背中に当てている手に力を入れて押さえると、無理に動こうとはしなかった。 それから更に数十分。突然にゃあ実ちゃんがガバッと起き上がる。手に力を入れて押さえても、にゃあ実ちゃんは立ち上がって歩き出した。千鳥足ながら必死で歩いて行く。声を掛けても振り向かず、ヨタヨタしながら歩を進める。にゃあ実ちゃんの決死の歩行に圧倒されて、無理には止めない。よじけたり転んだりして怪我をしないよう、脇腹を軽く支えながらにゃあ実ちゃんの後をついていく。ヨタヨタにゃあ実ちゃんが向かった先はトイレだった。「何だぁ、にゃあ実ちゃん、トイレならそう言えばいいのに～（いくら何でもそれは無理か）」いつもならトイレのケースに入るとくるりと向きを変え、前面のへりに前足をかけて用を足すのだが、そんな余裕も元気もなかった。砂に足が着いた瞬間、始まった。にゃあ実ちゃんたら、こんな時でさえ自力でトイレに向かうんだ。何ていい子なのだろう。 帰りは抱っこでマットに連れ帰った。トイレを済ませたにゃあ実ちゃんはほっとしたのか、しばらくマットの上でおとなしくしていた。副作用で吐き気を催す場合もあるそうだが、それは大丈夫だった。 にゃあ実ちゃんに晩御飯はあげられない。夜中にお水を出すのはいいが、ご飯は朝になってからだ。栄養は点滴で補っているので、心配ない。にゃあ実ちゃんはまだつらそうだったが、徐々に足腰もしっかりしてきて、夜８時頃には飛び上がりはしないものの、室内をトコトコ歩き回るまでに回復した。
2009.04.19
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にゃあ実ちゃんとご近所猫１０９
歯石取り part３ 駅に到着。診療が再開する４時にはまだ少し時間があるので、ゆっくり歩いた。にゃあ実ちゃんに会えるまであとちょっと。心の中でつぶやく。（にゃあ実ちゃんまであと１０分。にゃあ実ちゃんまであと９分････。） 病院に着いたが、まだ数分あるので入り口付近でうろうろしていると、４時少し前にブラインドが開いた。 声を掛けて中に入る。にゃあ実ちゃんを迎えに来た旨を告げると、受付の女性が奥へ入って確認する。３時に施術が終わり、にゃあ実ちゃんは薬が効いていてお眠り中らしい。歯の状態が芳しくなく、抜歯をしたという。言われたとおり絶食は守ったが、途中で吐いてしまったそうだ。抜歯？！吐く！にゃあ実ちゃんは大丈夫なのだろうか。どうりでおかしいと思った。家にいても不安で落ち着かなかったのは虫の知らせだったのだ。にゃあ実ちゃんが助けを求めていたのだ。 少し待って名前を呼ばれる。診察室に入ると先生がいて、診察台の上には、にゃあ実ちゃんのオレンジ色のバッグが置かれていた。 まず血液検査の説明から始まった。白血球がやや少なめだが、心配するほどの数値ではなく、その他異常はないという。 次に歯だ。麻酔をかけた状態で検査したところ、奥歯が３本グラグラで、やむなく抜歯をしたという。抜いた３本の歯を見ると、根っこが片側なくなっていたり、歯そのものがだいぶ溶けた状態になって形を成していなかった。突然の抜歯で驚いたが、幾度も麻酔をかけるより、一度で済ませた方が体にいいに決まっている。この歯なら抜歯も止むを得ない。先生はにゃあ実ちゃんの口の中を見せようと、バッグの蓋を開いた。 開けてびっくり！そこにはにゃあ実ちゃんがとんでもない姿で横たわっていた。とても寝ている状態には見えない。私は心配でにゃあ実ちゃんのお腹のあたりを凝視した。確かに静かに波打っている。生きているのは間違いない。口から首にかけて濡れているのは、吐いたものを拭いてくれたのだろう。先生はにゃあ実ちゃんの口を開けて中を見せてくれた。抜歯したところを縫ってある。１週間は抗生物質の投与が必要だという。１週間後に来院し、経過が良好ならひとまず歯の治療は終わるという。先生が明るく話すので、一瞬跳ねた私の心臓も平静を取り戻した。 それにしてもこんなことになるなんて。今更ながらにゃあ実ちゃんの健康管理を怠っていた自分が情けなかった。にゃあ実ちゃんが歯磨きを嫌がるからなどというのは理由にはならない。もっと早く何とかしてあげるべきだった。 薬をもらって帰途につく。薬が効いているとはいえ、揺らしたり、ぶつけたりは良くないはずだ。静かに、あまり振動が伝わらぬよう、時に提げ時に抱えて帰宅した。 部屋に入るとまずにゃあ実ちゃんの即席のお休み処を拵える。椅子やベッドの上では麻痺した体で飛び下りた時、怪我をする。床にふかふかマットとフリースを敷いてその上にそっとにゃあ実ちゃんを寝かせた。にゃあ実ちゃんは幽霊手をしたまま横向きに体を伸ばした状態で固まっていて、身動きもしない。そっとお腹に手を当てる。大丈夫、ちゃんと動いている。しばらく目を覚ましそうもないので、その間にやり残した仕事を片付けようと庭に面した作業机に戻ろうとすると、庭にどんちゃんの姿が見えた。「あらあら、どんちゃん、いらっしゃい。」にゃあ実ちゃんは寝ているので、ビデオを手にしてサッシを開ける。どんちゃんが近付いてくる。珍しいことに、どんちゃんが鳴いている。体に似合わずかすれた小さな声で「ジャ～、ジャ～」と鳴く。とても「ニャー」とは言えない声だ。ビデオをまわしていても構わず鳴きながら更に近付いて来る。まるで「にゃあ実ちゃんは大丈夫かい？」とでも言っているように。だから私はどんちゃんが大好きだ。見舞いに来たよにゃあ実ちゃんの加減はどうだい？
2009.04.18
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にゃあ実ちゃんとご近所猫１０８
歯石取り part２ 病院に着くと、先客が３人と３匹いた。受付で診察券を渡して名前を告げる。お姉さんが「にゃあ実ちゃんは今日は歯石取りですね。」そう言ってバッグに手を伸ばす。えっ、もう？まだ心の準備ができていない。言われるままにバッグを差し出す。にゃあ実ちゃんは網目の間からこちらを見ている。「よろしくお願いします。」挨拶してから、にゃあ実ちゃんに手を振る。「にゃあ実ちゃん、夕方お迎えに来るからね。」お姉さんが奥へと進む。思わず「にゃあ実ちゃん！」と声を掛けてしまった。お姉さんは嫌な顔一つせず、もう一度網目からにゃあ実ちゃんが見えるよう、バッグの向きを変えてくれた。「じゃあね、にゃあ実ちゃん。」今生の別れでもないのに、なぜか淋しかった。 にゃあ実ちゃんの歯石取りは午前の診察時間が終わってから行われる。夕方迎えに行く頃には麻酔も醒めるだろう。麻酔が醒めてもしばらくヨタヨタしているので、転んだり落ちたりして怪我をしないよう見守っていてやらなければない。昼の間に仕事を済ませようと思い、家に帰るとすぐ机に向かった。 ところが仕事は一向にはかどらない。文字を追っていても、にゃあ実ちゃんのことが気になって集中できないのだ。歯石を取るため、随分前に家から１００メートルの病院に数時間だけ預けたことはあったが、それを除いてにゃあ実ちゃんを余所に預けたことは一度もない。それに歯石取りといっても麻酔をかけるのだから、それなりのリスクがある。心配ないのだと自分に言い聞かせるが、不安は拭えない。 そのうち仕事は諦めて、部屋の片づけをすることにした。にゃあ実ちゃんがいると掃除機も豪快にかけられない。お天気も良かったので、家中の戸を開け放し、敷物やマットを洗ったりして気を紛らせた。普段こんな風に戸を全開することはまずない。リビングに続く和室はいつも閉め切って、襖や柱で爪とぎをされないよう、バリケードがしてある。それも取り払ってみると、家が随分広く明るく感じられた。 ところが何かが物足りない。そこに居るべきはずのにゃあ実ちゃんがいないのだ。明るくても広くてもにゃあ実ちゃんがいなければ意味がない。急に淋しくなって片付けはそこでやめた。 午後は時間がゆっくり過ぎた。幾度も時計を見るうちに、ようやくお迎えの時間になる。気持ちが急いて、１本前の電車に乗ってしまった。夕方の診療は４時からだ。それでは少し早いのだが、それ以上家で待っていられなかった。電化製品を包んだ緩衝材で爪研ぎ中のにゃあ実ちゃん
2009.04.17
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にゃあ実ちゃんとご近所猫１０７
歯石取り part1 今日はにゃあ実ちゃんの歯石取りの日。麻酔をかけるため、前夜から食事制限がある。ご飯は夜中の１２時まで。それ以降はお水のみ。お腹が空いて残飯を食べないよう、ゴミにも気をつける。水は翌朝まで飲ませてよいが、朝になったら片付ける。流しや洗面台、お風呂場の水にも注意する。 昨夜１１時。いつもなら夜中にお腹が空かないように夜食を少し出してあげるのだが、我慢我慢。事情を知らないにゃあ実ちゃんはいつものようにお皿の前でちょこんとお座りしている。「ごめんね、にゃあ実ちゃん、意地悪してるんじゃないんだよ。」仕事が残っていたので、１２時過ぎまで机に向かっていると、にゃあ実ちゃんは近くの椅子でうつらうつらしている。普段はさっさと家族のベッドで丸まっているのに既に異変を察知しているのかもしれない。結局寝たのは１時近く。にゃあ実ちゃんはそのまま椅子から動かなかった。 そして朝。いつもの時間に起きて、にゃあ実ちゃんの水を片付ける。にゃあ実ちゃんは早くも食事トレーの前で待ち構え、すがるような目で見つめている。にゃあ実ちゃんの頬を優しく撫で、再びベッドに戻る。病院へ行くまで充分時間があるので、もう少し寝ておきたい。空腹のにゃあ実ちゃんに、にゃあにゃあ鳴かれるのもつらいものがある。 布団にもぐって間もなく、にゃあ実ちゃんがやって来た。４月になって暖かくなってからはベッドの上で丸くなっても布団の中には入って来なかったのに、今日に限って潜り込んでくる。私のお腹にぴたりと寄り添って、にゃあ実ちゃんは丸くなった。 １時間後、そろそろ起きる時間だ。にゃあ実ちゃんは期待して、またまたトレーの前に座り込む。あの可愛い真ん丸目で見つめられたらたまらない。支度をしながら、なるべくにゃあ実ちゃんの視線を避けていた。にゃあ実ちゃんが室内をうろうろしている間に、こっそりお水とバナナを口にした。ところが最後のひと口を入れた瞬間、にゃあ実ちゃんに見られてしまった。にゃあ実ちゃんに責められる前に逃げ出した。 家を出る３分前、にゃあ実ちゃんをバッグに入れる。いつもはすんなり入るのに、今日は抵抗を試みた。「にゃあ実ちゃん、もう行かなくちゃ。」にゃあ実ちゃんを押し込んで素早くファスナーを閉める。駅までは歩いて８分の道のり。珍しくにゃあ実ちゃんは鳴いた。ホームでも鳴いた。病院の最寄り駅まで１６分ある。電車に乗り込むと、さすがに鳴きやんだが、真ん丸目がキョトキョトしていた。
2009.04.16
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