ちょっと気ままなNYライフ

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2008年12月30日
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カテゴリ: 読書




クライアントさんに4冊借りた山崎豊子の「大地の子」。題名だけは知っていた。それからずいぶん昔にドラマ化されたことも。でも内容に興味がわくこともなく、まったくと言っていいほど話の筋を知らなかった。とりあえず勧めてくださるのだからちょっと読んでみようと。。

中国の残留孤児のお話。といえばテレビで肉親を探すお年寄りの姿を思い出すが、そのお年寄りが残留孤児として異国でどのような境遇に置かれていたか、どのような試練に耐えていたかは想像すらしたことがなかった。

実際、この残留孤児である主人公、陸一心が残留孤児として歩んできた人生は想像を絶する過酷な試練の連続であったのだ。彼が日本人であるが故、幼少からいじめられ、スパイ嫌疑をかけられ拷問にまであいながら、5年も収監され過酷な労働を強いられながら生き延びてこられたのはひとえに育ての親、中国人夫婦の強い愛情に他ならない。

それにしてもなぜ、日本もそうだけど、日本人だから、中国人だから、朝鮮人だから、と民族のくくりで区別され、時には反感をもたれたりするのだろう。

この日本残留孤児だけでなく、朝鮮に渡った日本人妻、在日中国人や在日朝鮮人も他民族の中にあってつらい思いをしている。またいつぞやの映画でみたソ連の「スターリン政権」の発足に伴い、新しい国に希望を見出そうとヨーロッパから帰国した夫婦も同じだ。ロシア人の夫についてやってきたフランス人の妻が想像とはまったくちがっていた恐ろしい環境で人生最悪の壮絶な時期を過ごす。異端分子とみられ様々な迫害を受け、最後には夫が犠牲を払い亡命するのだが(原題:「EAST WEST]、フランス語ではエスト ウストという発音になる。)

これ以外に、ナチス政権下で迫害を受けるユダヤ人。奴隷としてつれてこられた黒人ーーなんていってたらきりがない。

世の中が、真に正義感を持って、民族の区別なく他人を思いやれる人だけの集まりだったらどんなに平和だろう。今では確かに民族がいりまじり、世代も交代し、国際結婚も増え、民族の壁が取り払われつつある。しかしテロなどのようにひとたび狂気にはしる輩が出てくるととたんにまた壁ができてくるのだろう。

「大地の子」から思考が様々な方向に分散してしまたけど、どんな人にも一度は読んでほしい作品である。

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最終更新日  2008年12月30日 12時56分28秒 コメントを書く
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