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リハビリ病院での最後の1か月。
私は、トイレを一人で行けるようになっていました。
便座への移乗、立ち座り、ズボンやリハビリパンツの上げ下げ。
立位を保つこと自体は大変でしたが、
「自分でできる」ことが嬉しくて、
何よりも、人に頼らずにここまで来られたことに、
大げさに言えば「人としての尊厳を取り戻した」ような気持ちがありました。
けれど、ひとつだけ、その気持ちを萎えさせることがありました。
用を足し、立位の姿勢をとってリハビリパンツを上げている間に、
ズボンがずり落ちてしまうのです。
そんなときは、
いったんリハビリパンツを上げたあと、
もう一度便座に座って、改めてズボンを上げ直す。
両腕で体を支えながら立位を取っていると、
またズボンが下がってしまうこともあり、
正直なところ、かなり辟易としていました。

リハビリ病院を退院し、自宅での生活が始まってからも、
状況は変わりませんでした。
「せっかく一人でできるようになったのに……」
そんなある日、ふと思いました。
――ズボンが下がるなら、
――下がらないように“つないでしまえばいいのではないか?
立位をとるときだけ、
上着とズボンをクリップでつなぐ。
サスペンダーのように、でも一時的に。
二つのクリップをひもでつなぎ、
“連結ひも”として試してみました。


結果は――大成功でした。
ズボンが下がることはなく、
一度の立位で、リハビリパンツもズボンも上げることができます。
「俺って、もしかして天才?」
大はしゃぎで家内に報告すると、
「はいはい、はい」「また始まったね」といった反応でしたが、
それでも、ちょっと楽しい時間を共有できたような気がしています。
それから4か月。
この小さな工夫は、今も私のトイレ生活を支えてくれています。
大発見でも、大発明でもないのかもしれません。
けれど、私にとっては確実に、
日々の生活を助けてくれる存在です。
まさに、私の「愛すべき相棒」です。
ふと、そんなことを考えるようになりました。
私と同じように、
立位を保つのが難しかったり、
トイレ動作の途中でズボンがずり落ちてしまったり。
そうした悩みを抱えている人は、
きっと、私一人ではないはずです。
みんなどうしているんだろう。
当たり前のように介助を頼んでいるのか。
それとも、私の知らない工夫や道具があるのか。
もし、
「こんな方法があるよ」
「うちはこうしている」
そんな経験や知恵があれば、
ぜひ教えてもらえたら嬉しいです。
悩みや工夫を、少しずつでも共有できたら。
それだけで、
「一人じゃない」と思える人が、
きっと増える気がしています。
この小さな相棒の話が、
誰かのヒントや、
「やってみようかな」という気持ちにつながれば、
それ以上に嬉しいことはありません。
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