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白内障の手術を終えて、1ヶ月が過ぎました。
白内障と自覚し、手術を決断するまでの経緯は、こちらの記事にまとめています。
あのときはまだ手術直後で、視界は明るくなったものの、本当に安定するのだろうかという不安もどこかにありました。
退院後の私の生活は、自宅の一室が中心です。
介護ベッドがあり、テレビがあり、絵を描く道具やPC、iPad、本や雑誌に囲まれています。
この部屋が、ある意味で生活のほとんどすべてと言ってもいい空間です。
その大切な空間の中で、少しずつ視界の変化を感じていました。
PCの文字がかすむ。
絵の細い線がはっきりしない。
美術系の雑誌や画集の色が、どこかくすんで見える。
けれど、「こんなものかな」と受け入れて過ごしていました。
私は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療として PolaR-CHP療法を受けました。
この治療は、ポラツズマブ ベドチン、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、そしてプレドニゾロン(ステロイド)を組み合わせた治療法です。
この中で、白内障との関連が最も強いとされているのがステロイドです。
プレドニゾロンのようなステロイド薬は、免疫抑制や抗炎症作用を持ち、リンパ腫治療において重要な役割を果たします。
一方で、高用量を反復して使用すると、水晶体の代謝に影響を与え、濁りを生じやすくなることが知られています。
医学的には、ステロイドによる白内障は「後嚢下(こうのうか)白内障」と呼ばれます。
このタイプは、
といった特徴があります。
加齢による自然な変化に、治療でのステロイド使用が重なった。
そう考えると、自分の視界の変化にも納得がいきます。
白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズを挿入しました。
術後は一時的な炎症や違和感がありますが、一般的には1か月前後で炎症が落ち着き、視力が安定するとされています。
今、まさにその安定期に入ったのだと実感しています。
部屋の中の景色が変わりました。
テレビの映像がくっきりしている。
PCの文字が輪郭を持っている。
画集の色が深く、線がはっきりと見える。
そして、視線は少しずつ部屋の外へ向き始めています。
妻の運転で車に乗ると、街並みの輪郭がはっきりと分かります。
遠くの山の稜線が、空ときちんと境界を持って見える。
通所リハビリで出会うスタッフさんやリハの先生たち、利用者の方の表情も、以前より自然に読み取れるようになりました。
新しい車椅子も届きました。
これまでより軽く、操作しやすい一台です。
行動範囲が広がる予感があります。
さらに、手動運転装置を付けた車の運転にも挑戦しようと考えています。
まだ準備段階ですが、自分でハンドルを握るという選択肢があること自体が、大きな希望です。
部屋という世界から、外の世界へ。
視界がはっきりすることは、行動の幅が広がることでもあるのだと感じています。
春が近づいています。
新しい車椅子で、妻と一緒にカメラを担いで、春を見つけに出かけようと思います。
山の稜線も、街の光も、花の色も、はっきりと見える目で。
治療を終え、手術を経て、また一つ自分の世界が広がりました。
見えるということは、生活の可能性を少しずつ外へ押し広げてくれるものなのだと、今は静かに実感しています。
白内障手術で感じた「世界が明るくなった」という実感
待ち望んだ自分の車椅子と、再び動き出すための準備
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