2002年08月25日
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 私の中では、「夏」= 『銀河鉄道の夜』(宮沢賢治)
 作品を語るのは、とても私の手に負えません。そもそも、未完の物語を作家の死後に発表してしまうのはどうかと思う。あれだけ何度も推敲しているんだから、完成形でないものを世に出されてしまうのは、賢治も死んでも死にきれないんじゃないかなー。
 私個人としては、それでもやはりこの物語に出会えたことを感謝したいと思ってはいます。「未完成でもすごく良い話しだったよ」と死んだら賢治さんに言ってあげたい。

 ということで、『銀河鉄道の夜』と夏のイメージですが、作品が夏の話と言うだけではなくて、夏休みの読書感想文にこの本を読んだと言うだけでもないです。(いや、これはかなりあるか…)

 『銀河鉄道の夜』というと、私は最初に公民館の図書室を思い出します。この図書室でこの本を借りて読んだのが最初だからでしょう。
 まだ、本棚より私の背が小さかった頃、本棚に囲まれていると無数の本が待っているような気がしました。図書室のにおいと、柔らかな日差し…そういった物が浮かんできます。見渡す限り本に囲まれて、何を借りようかドキドキしている自分。図書室は、家から少し遠かったので、たまにしか連れていってもらえない特別な場所でした。この図書室で借りて読んだ本は、普段忘れていても、きっと今も自分のどこかに残っている気がします。今行くと、本棚も低いし、狭いし、本は少ない、という図書館分室にすぎないのですが。

 次に思い出すのが「夏祭り」。友達と出かけた夏祭りのその晩は、テレビで『銀河鉄道の夜』の映画が放映される日でした。映画も観たいが、祭りも行きたい。悩んだ私は、テレビのスピーカーの前にラジカセのマイクをセットし、母に映画が始まったら録音するように頼んだのでした。あのころ、ビデオとか無かったんだよなー。(ビデオがまだ普及していない時代のほほえましい話です。)

 だから、意味はかなり違うけれど、銀河鉄道から帰ってきたジョバンニが、暗がりを駆けていく焦る気持ちはとても分かるような気がした。今でも、あのシーンを一番覚えています。
 帰ってきたら、映画はほとんど終わりかけていました。だから、そのテープを何度も何度もきいたのものです。

 さいごに、もう一つ『銀河鉄道の夜』で思い出すのが、中学の修学旅行。東北へ行ったのですが、別に岩手へ行ったのではないので、行き先は関係なし。問題は、新幹線。
 映画の中で、ラスト、カンパネルラが行ってしまうシーンがあります。連結のドアがすぅーと開き、カンパネルラはどんどん向こうの車両へ行ってしまう。そこへ、ジョバンニが「カンパネルラ!一緒に行こうって言ったじゃないか!」って追いかける。
 そう、東北新幹線の車両のドアは自動ドアなのです!名付けて「カンパネルラごっこ」!
 ひたすら、2人で自動ドアを抜け、車両を通り抜けていくという…くだらない遊びをやって喜んだのでした。1人はジョバンニ、1人はカンパネルラね。で、後ろのジョバンニが 「カンパネルラ!」 (恥ずかしいから小声)って呼びかける。やれやれ、今思ってもバカだ。(どうでもいいけど、たしか同じ頃にはやった似たような遊びに、金網越しにやる「ビルマの竪琴」ごっこというのもあった。「みずしまっ!一緒に日本に帰ろう」って言うの。)

 ますむらひろしさんのマンガは好きです。片山愁さんのはイマイチだった。(猫のイメージが自分のなかで定着していたようで…)

 そう、今となっては私の中のジョバンニとカンパネルラは……猫です。





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Last updated  2002年08月25日 20時54分45秒 コメント(4) | コメントを書く


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