Chapter.2  混乱

蒸し暑い食堂の中。
整備班の皆は勢いよく今日のメニュー、ビーフシチューを食べている。
「みっ皆さんそっそんなに慌てて食べなくても・・・」
風璃は少し驚きの混じった笑顔を見せながら皆を見ていた。
それもそうだ、皆食べることしか今は頭に無いようなすごい食べっぷりだ。
「そうだ風璃ちゃん」
ビーフシチューを食べながら風璃に話しかけてきたのは良助だ。
「どうしたんですか班長?」
「風魅でいいよ・・あのさ今日4回も研究室の電力バルブがパンク
 したんだけど、研究員の連中が何をやってるか知ってるかい?」
風璃は少し考えた後口を開いた。
「私も詳しい事は知りませんがこの間ニューヨーク支部から緊急転送
 で何かが転送されて来ていましたけど・・それが何か関係している
 のかもしれませんね?」
良助は食べ終わった食器を片付けながら聞いていた。
「緊急転送?」
転送とは離れた場所へ物や人を移動させる技術である。
緊急転送とはランクC以下の者が中を確認できないようにセキュリティ
ロックが掛かっている転送のこと。
ついでに言うと指揮系がランクA、研究員がランクB、情報部員がラン
クC、そしてその下が整備班ランクDの構成でできている。
「はい情報部の友達から聞いたんです」
「ふ~ん・・まったくこっちは事情がわからなくてイライラしてるって
 のによぉ・・」
良助がイスから立ち上がろうとした瞬間・・・・
「ドォォォォォン!!!」
「あわわわっ!!なっなんだ??」
良助は訳がわからずその場に倒れこんだ。
「爆発?!しかも大きい」

風璃は突然の爆発にとまどっていた。
整備班の全員がそうだった。
「全員持ち場につけ!被害状況を確認した後爆発のあった場所を特定
 し報告を!」
良助は起き上がり整備班の全員に命令を出した。
「はっはい!」
まぁさすが整備班長といったところか。
全員が良助の命令と共にいっせいに持ち場に着いた。
「風璃ちゃんは安全な場所に避難していてくれ」
「はい!」
少したって良助のところに整備班の一人が来た。
「班長!報告です。爆発の被害はそれほど大きくありません、B班が
 今修復作業にかかっています。それと爆発はどうやら研究室が原因
 のようです」
良助は少し考えると口を開いた。
「そうか・・今から研究室に研究員の救助に向かう!D班は俺と一緒
 に来い!他の者はそのまま修復作業を続けてくれ!」
「了解!」
良助はロッカールームへ行き救護用の用具一式とコミュニュケタ―を
D班の全員にくばった。
「いいか!コミュニュケーターは常にオンラインにしておく事!単独
 行動はゆるさん!全て班長である俺の了解をとる事!」
「はい!」
D班は全員集合していた。
「よしこれから研究員の救助を開始する、D班着いて来い!」
良助率いるD班の全員は研究室へと向かう通路を進んでいた。
通路も瓦礫でいっぱいになっていて何度か足止めをくらいながらも
やっと研究室へと到着した。
「よし各自三人一組で救助にあたれ!」
「はい!」
皆研究室の中へと散らばっていった。
良助のチームは研究室のメインコンピューターがある場所まで急いだ。
研究室にはいくつものカプセルが並んでいた。
「何だ?このカプセルは・・」
良助達はメインコンピューターまでたどり着いた。
「メインコンピューターオフライン!」
「電力が足りない!補助電力をまわせ!」
研究室には鼻が曲がるほどの異臭がただよっていた。
「はい!補助電力起動確認メインコンピューターオンライン!」
突然良助のコミュニュケーターに連絡が入った。
「―はっ班長この研究室変です!私達以外の生命反応があります!―」
本当だメインコンピューターの生命反応表示も数が多く出ている。
「みんな第一警戒態勢に入れ!何かいるぞ!」
良助がコミュニュケーターに向かって叫んだ瞬間。
「―はっ班長!生命体発見しました!なっなんだ?!うわぁぁぁ!!
 来るな!―」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
研究室に一人の男の悲鳴が響きわたった・・・・。

・・・To Be Continued


「Chapter.3  生命体」の連載は4月中旬になります。
お楽しみに!
尚、ご意見ご感想等ありましたら掲示板の方へお願いします。



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