貧乏旅人 アジアの星一番が行く 世界への旅

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アジアの星一番Ver4

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2025.11.20
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カテゴリ: 作家



あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。大学は東京のM大学である。その間、小平由樹枝と良いお付き合いをした。大学2年になりとあるコンパで飲み過ぎて矢代美恵子と深い関係となる。小平由樹枝を愛していたが、愛想をつかされ振られてしまった。その後、美恵子とは変則的な付き合いを行い、1年先輩の美恵子は就職して大学もアパートも去った。悠介は大学4年になり就職活動も終わり、希望の会社に就職も決まった。そして友人高橋の結婚披露宴も無事終了。その後新婦の友人の唐橋由美子と親しくなったが、別れたいが別れさせてくれない。一方、美枝子は玉の輿と言える結婚する事になった。3月末、悠介は就職したが、実習中に由美子が自殺未遂をしたと言う連絡を受けて真っ青になった。由美子の父親に会い、慰謝料も支払い問題は解決した。悠介は希望の鹿沼工場に配属され社会人生活が始まったが、女性問題がありタイのシラチャへの出張が決まった。シラチャーでの仕事、恋愛も順調である。2年強のシラチャ生活を終え、鹿沼に帰り2年が経過した。そして2年振りに心がときめく女性を会う。



写真はネットより借用

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鹿沼から赤城山の大沼まで、2時間半はかからないだろう。千恵子はラジカセを持って来た。
「どうしたの? ラジカセ?」
「え? だってカセットを持って来てって言ったでしょう?」
「ええー。車にはカセットデッキが付いているよ。聞きたいカセットテープがあれば持って来てッて、言ったんだよ。」
「何だー、重たいのに持って来て損した。」

「良いよ、わたし、部屋で聞くから。」

車は快調に桐生方面へ向かって走っている。会社の話や、家族の話などで会話は弾んだ。以前のデートでは、時たま沈んだ様子も見せたが、今回は快活である。笑顔が絶えない。吉田や笹川との事は切りが付いたのであろうか? 聞いて見たいが楽しい雰囲気を壊したくないので黙っていた。

桐生を通り過ぎた。国道を通らずに、大胡県道を通って走る。大胡町を過ぎると渋川方面の道路へ進む。もう赤城山の中腹である。赤城山が目の前に迫る。上り下りの道路を慎重に悠介は運転する。
「もうじき、大きな鳥居が出て来るはずなんだ。そこを右に曲がって赤城山を登る。大鳥居まで行けば、残りは30分位かなー。」
「早いですね。もう30分で着くのですか?」
「そうだね、鹿沼から赤城は近い、ドライブには丁度良いよ。」
大鳥居を潜った。これから赤城山への登りである。道路は良いので走り易い。天気も良いし、ドライブ日和である。今頃会社の同僚たちは仕事をしていると思うと、千恵子と二人のハンドルを握る手も軽い。

頂上付近であろうか、低木の木々が沢山ある。時期が過ぎてしまったがレンゲツツジである。5月中旬から6月中旬頃が見ごろらしい。今は緑の木々になっている。この辺りから、ゆるい下り坂になる。暫く白樺林を走ると湖が見えて来た。大沼だ。白樺の木々の間から、湖面が見える。
「良い眺めだなー。」
「良いですね、気持ち良い。」
それからすぐに今夜の宿、青木山荘に着いた。大沼湖畔にある宿である。まだ昼前であるがチェクインさせてくれた。部屋に荷物を置いて一休みしてから昼食にする。青木山荘には食堂もある。二人で食堂の片隅のテーブルに座った。笑顔の店員さんがお茶を持って来てくれた。車の中では何も飲んでいなかったので、お茶は美味しかった。メニューをみる。上州豚丼と言うのがあった。鶏丼と言うのもあったが、上州と言う名に釣られて上州豚丼にした。千恵子も同じ豚丼を頼んだ。

「いいえ、全然。元気満々です。お腹空いた。」
「そうだね、車の中では何も食べなかったし飲まなかった。」
10分程かかったろうか、上州豚丼が運ばれて来た。沢庵や酢の物など小鉢が3皿付いていた。味噌汁もある。豚丼の蓋を取ると、良い匂いが漂った。美味しそうである。
「温かい内に食べよう。」
「うん、美味しい。」


「今夜と明日、2泊だからゆっくり出来るね。」
「私、修学旅行以外、旅行に行った事がないから、楽しみだった。何だか遠い所に来たようです。車で2時間半なのにね。」
「そうだな、今頃、会社の人達は会社にいると思うと申し訳ない気持ちと、優越感のようなものがあるね。」
「私、会社に入って初めての休暇なんです。想い出の旅行になります。悠介さんのお陰です。」
「いやー、来てくれてりがとう。千恵子さんは、モテるから誘われて大変じゃーないの?」
「そんなー。もう悠介さん以外は、断っています。」
「そうなの? じゃー、本当の恋人になれるね。」
千恵子は答えなかったが、小さく頷いたようである。

上州豚丼を食べて部屋に戻った。まだ時間はたっぷりある。テレビを見ながら食後の休憩をした。そして大沼湖畔の散歩に出かけた。金曜日のせいか観光客は少ない。
「わぁー、綺麗!」
湖を見て千恵子がはしゃいで言った。確かに湖面は透き通って湖底の石まで見える。
手を湖に入れて千恵子は、「冷たい、気持ち良い。」と言った。
そして、靴と靴下を脱ぐと、裸足で湖に入って行った。無邪気である。
「冷た~い。気持ち良いよ。悠介さんも入ったら。」
天使のような笑顔で言う千恵子を、ほんと可愛いと悠介は思った。今晩結ばれると思うと、興奮してくる。
「俺は、良いよ。写真を撮ってあげる。」
悠介はカメラを取り出し、千恵子の写真を何枚も撮った。千恵子もポーズをとる。良い記念写真になるぞ、と思いながらシャッターを切った。

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Last updated  2025.11.20 10:06:55
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