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曽根スウプ

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2012.01.14
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カテゴリ: カテゴリ未分類
印象的な赤毛とグレーの瞳、純粋すぎる性格…誰からも愛される万人向けの美少女ではないけれど魅力的なハーフの娘・万里枝と、彼女を想い、見守り続ける貴。

もしかしたらそうなったかもしれないのに、小さな擦れ違いが積み重なってやがて取り返しのつかない悲劇が起こる…これはそういう話です。
悲劇は起こるけれど最後には一筋の希望が…とは残念ながらなりません。取り返しがつかない、というのはそういうことです。真相を知ってももうどうしようもない。

何故そうなってしまったのか。何故貴は最愛の、命よりも大事な万里枝を失わなければいけなかったのか。
それを考えると、どうしても主人公で語り手の貴がもっと美しい男だったらこうはならなかったのか、という疑問が浮かんでしまいます。
勿論「ヒトは顔!」と云っているわけではありません。貴自身も自分の容姿など気にしていないような態度をとっていますし、顔の美醜がどうとか、そんな俗なことは自分と万里枝は超越している、二人の絆は確固たるものだと常に主張しています。
でも実は彼は父親譲りの小太りで地味で見栄えのしない外見にコンプレックスを持っていたのではないか、そのせいで疑心暗鬼に囚われ画策した挙句に万里枝を失うことになってしまったのではないかと読み進めていくうちに思えてきます。

一人称というのは語り手の心情が手にとるようにわかる利点がある反面、他者の心の内はほとんどわからないという難点があります。そして優れた作家様は当然その難点を逆手にとって「主人公はこう主張しているけれど相手が本当に主張通りに思っているとは限らない」と読者に示しながら推理させるのです。

そして本当に万里枝の無垢なる魂は穢れなき白椿(沙羅双樹)に乗り移ったのか、万里枝を「復活」させることは可能なのか?

万里枝だけではない、他の人物――サークル仲間や異父兄の性格も貴が勝手に決め付けているだけなので、それぞれが何を考え、誰にどんな感情を抱いているかがわかりにくい。
貴の独白と交互に出てくる、三人称で書かれた別の時代、別の角度から見た話で、万里枝しか眼中になかった貴の視点とは微妙にズレた他者の想い、客観的事実が少しずつ見えてきて、最後の最後で‘真相’が明らかになるのですが…。

貴が異父兄のように完璧な美貌を持っていたら…そこまでいかなくても本当に言葉通り容貌など一切気にしないでいられたら…まぁ過信だの自惚れだの別の感情が芽生えてそれはそれで面倒くさいことになったかもしれませんが、少なくともこんな悲惨なラストにはならなかったのでは、と思えます。
通じ合っているつもりで、ちっとも通じていなかった互いの想い。すれ違いっぷりに歯痒くなりますが(某漫画の某カプを思い起こさせる…)、絵空事ではない‘現実’とはこんなものなのかもしれません。
誤解が解けてハッピーエンド、なんて実際にはそうないのかも、こうしてどうしようもなくなってしまってから真実がわかるものなのかもしれません。


『白椿はなぜ散った』…読み終わってから二重三重の意味が込められているタイトルだと気づきました。

続きが気になって一気に読んでしまいました。読みやすいですし。
ただ…文章は個人的には合わないものを感じたかな。
あまりにも直接的な表現が多いように見えて。
「愛しい」「嬉しい」「悲しい」「ぞっこん」「本当の愛」…こういった表現はたまに使うから効果のあるもの。全体にずっとそればかり使われていると感情移入しにくくなります(私だけかな)。歯も浮くし。

あまり「愛」「喜び」「哀しみ」等を多発されると薄っぺらく聴こえてしまうのは…私がひねくれているのでしょうが。
恋人に「してあげた」的な言い方を何度もしていることも引っ掛かりました。元々「~~してあげた」って表現があまり好きではないので。

色々云ってしまいましたが、それらを差し引いてもぐいぐいと引っ張って‘読ませて’くれる作品であることには変わりません。

この方の『天使の眠り』『密室の鎮魂歌』『Fの悲劇』等別作品が気になります。





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最終更新日  2012.01.15 01:17:16
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