そね家ブログ

そね家ブログ

PR

×

カレンダー

コメント新着

ムスカ大佐@ Re:柚木麻子さん『ランチのアッコちゃん』(11/24) 古事記こそ究極の文学とは思わんのかね。
http://buycialisky.com/@ Re:謎の膨らみと本とマガジンその2。(02/17) get cheap cialiscialis daily testtaking…
http://viagraiy.com/@ Re:謎の膨らみと本とマガジンその2。(02/17) viagra and fda <a href="http:/…
曽根スウプ@ 今頃すみません!!! まつもとネオさんへ ネオさん♪ 私のパソ…

フリーページ

プロフィール

曽根スウプ

曽根スウプ

2012.01.21
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
ブックオフの半額セールでアホのように買った本を読みきらねば…なるべく読みやすいのがいいな、と手に取った「死体のある風景」がテーマの短編集。
新津さんは「デイリーサスペンスの女王」と呼ばれているそうですが、うん、上手いこと仰います。


平穏な筈の日常生活に入り込んでくる闇、ある時を境に狂ってしまう人生…そんな「自分の身に明日にでも起こるかもしれない」恐怖は、ゾンビが襲ってきてスプラッタ、といった現実離れしたホラーよりもゾッとさせられます。
まぁ絶対にゾンビに食べられない、宇宙人が侵略に来ない、巨大なチェーンソーを持った殺人鬼に追いかけられない、という保障だってどこにもないんですが、やはり割合的には日常の落とし穴にふとしたことで落ちる可能性の方が高いでしょう。



さて、謳い文句にもあるように、平凡な日常に忍び寄る影的な話を書かせたら現代では右に出る者はいないのではと思わせるストーリーテラー新津さんの7つの短編をざざっと。


死んでいるのか、ただ倒れているだけなのか微妙な人に声をかけるのは勇気がいる。死体なら尚更「第一発見者」にはなりたくないと保身から見てみぬ振りをした主婦と、放っとけずに声をかけて第一発見者となった主婦のそれぞれの‘その後’を描いた『第一発見者』。
全く見知らぬ同士の二人の運命が思わぬところで繋がっていたことに戦慄を覚えました。


夫と息子と幸せに暮らす主婦は、かつて飛び降り自殺の「巻き添え」で婚約者を失っていた。でも実はそれは単なる偶然ではなかった『巻き添え』。
婚約者の死には裏があった。その事実を痛ましく思いながらも不運な巻き添えではなかったことに不謹慎にもホッとしてしまいました。



一主婦が葬儀式場建設反対の「反対運動」に誘われたことが発端となって、嫌がらせや夫への疑惑に悩まされることになる『反対運動』。
葬儀の場を利用した主人公の主婦と兄嫁のささやかな‘復讐’。まぁ、これくらいは仕方ないのでは、と思います。


仲良くしたいと思っていたアパートの隣人の突然の死のショックから、母と自分を棄てた父を看取りたいと、身元不明の行き倒れ「行旅死亡人」を探し始める娘の話『行旅死亡人』。
ほんのふたこと、みことばかり話しただけの隣人の遺体が受け取り拒否をされたと知って遺族にわざわざ会いに行き、父親の遺骨を引き取ろうと奔走する娘と少し気弱な恋人の姿が胸を打つ、7作品中最も心温まる話でした。


病を抱える夫の為に腎臓を提供し、やりがいのある仕事も失った妻が、それ故に夫をも失う羽目になってしまったことが、やがて「二番目の妻」による‘前妻殺し’に繋がる『二番目の妻』。
元妻への引け目を引き摺る夫と二人の‘絆’に嫉妬する今の妻。それが惨劇を呼ぶ7作品中最も恐ろしかった話。人の心の闇ははかりしれませんが、このショッキングな結末は…夫の自業自得と云えなくもありません。


対向車が跳ねた犬を「轢き逃げ」してしまった女性、最初に跳ねた車の運転手と助手席にいた恋人、死んだ犬を我が子以上に愛していた飼い主のそれぞれの主張が交錯する『轢き逃げ』。
轢き逃げは確かに大罪ですが、罪悪感に苛まれて飼い主に‘自首’した助手席の彼女はともかく、全て轢き逃げした女性のせいにして言葉巧みに責任逃れをしようとした運転手の青年も同様の罪に問われるべきじゃないかと何となく納得いかなかったラストでした。


医学部に入り「解剖実習」に臨む娘と彼女を心配する両親の心情、遺体を献体した男性の半生が交錯する『解剖実習』。
これだけは残念ながらオチが途中で読めてしまいましたが、それでも面白さは変わらないところはさすがの筆致です。救いの見えるラストも良かったです。




堪能させて頂きました。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012.01.22 02:05:49
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: