おはなし  確認





赤城。

 ケンタ「勘弁して下さいよ。啓介さん。」

 啓介「いつも、おまえの買い物に、付き合ってやってるんじゃないか」

 ケンタ「それは、そうですけど・・・・」

 啓介「じゃ、今度は、俺の買い物に付き合えよ」

 ケンタ「だけど・・・化粧品売り場なんて、恥ずかしいですよ」

 啓介「俺だって、恥ずかしいから、おまえを連れて行くんだ」

この啓介と、ケンタは、何を買いに行くのかな。

 ケンタ「それなら、女の子と行けばいいじゃないですか?」

 啓介「女と?」

 ケンタ「啓介さん。 女の子の友達、多そうだし・・・」

ケンタが、にやっと笑った。

 ケンタ「俺にも、紹介して下さいよ」

啓介が、考え始めた。
どの女の子と行くか、考えているのだろうか。

 ケンタ「たくさんいるから、迷ってるんですか?」

 啓介「決めた。 じゃあな。ケンタ」

啓介は、行ってしまった。

 ケンタ「啓介さぁぁぁ~~~ん」

ケンタは、またしても、置いてけぼりにされてしまった。


決めた女の子とは・・・
ピンポーン。

ガチャ。
ドアが開いた。

 啓介「こんばんは」

 秀香「あら、珍しい。1人なの?」

啓介が、決めたのは、兄・涼介の彼女。

 啓介「1人だけど」

 秀香「涼介なら、いないわよ」

 啓介「いや、アニキじゃなくて、秀香に用があって来たんだ」

 秀香「そう。どうぞ」

啓介は、秀香の部屋へ上がった。

 秀香「コーヒーでいい?」

 啓介「ああ」

 秀香「どうしたの? 私に、用ってなあに? 涼介の事?」

 啓介「そうじゃなくて・・・」

啓介は、なかなか言い出せなかった。
「一緒に、化粧品売り場に行って」と、一言頼めばいいのに。

 秀香「どうしたの? 恭子ちゃんの事?」

ドキッ。

 秀香「恭子ちゃんと、会ってる?」

 啓介「あのさ・・・頼みがあるんだけど・・・」

 秀香「なあに?」

 啓介「一緒に・・・買い物へ行ってくれないか?」

 秀香「私と?」

 啓介「うん。頼むよ。姉貴」

 秀香「姉貴って・・・」

秀香が、笑った。

 啓介「姉貴よりも、姉御って方が似合ってるかな」

啓介も、笑った。

 秀香「姉御はないでしょ・・・お姉様は?」

 啓介「お姉様って、ガラじゃないよ。やっぱ、姉貴だな」

 秀香「いつも、秀香・秀香って、呼び捨てにするくせに・・・」

 啓介「いいじゃねえか。
    ・・・いずれ、俺の姉貴になるんだから・・・」

 秀香「そうとも、限らないけど」

秀香は、あっさりと答えた。

 秀香「ねえ。何を買いに行くの?」

 啓介「・・・口紅」

 秀香「恭子ちゃんに?」

啓介が、うなづいた。

秀香に、頼みごとなどした事がないし、よっぽどの事だと思った。
結局、秀香が1人で買い物に行って、流行りな口紅の色を選んできた。

 啓介「サンキュ。姉貴」


 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@


久しぶりに、啓介と恭子が、会う日が来た。
2人とも、ドキドキしていた。

 啓介「元気だったか?」

 恭子「うん。啓介さんは?」

 啓介「元気だ」

 恭子「よかったぁ」

 啓介「おまえ、髪の毛のびたんだな」

 恭子「うん。長いの嫌い?」

 啓介「ううん。似合ってるよ」

久しぶりに会った恭子は、まぶしく見えた。


夕食。
長くなった髪の恭子は、少し食べにくそうだった。

 啓介「ちょっと、待ってろよ」

啓介は、席をはずした。
トイレ?
タバコ?

少しして、啓介が戻って来た。

 啓介「はい。これ」

それは、髪の毛をしばるゴムだった。

 啓介「それで、しばっておけば、食べやすいだろ?」

珍しく、気がきいた啓介だった。

 恭子「ありがとう。何か、うれしいなっ」

 啓介「すぐそこの100キンで、買ったんだけどな」

すぐ目の前に、100円ショップがあった。

啓介さんでも、100キンで買う事あるんだ。
手の届かない王子様じゃない。
私の目の前にいる素敵な王子様。

 啓介「そういうのって、たくさんあるから、どれにしようか迷った」

 恭子「ありがとう」

恭子は、にこにこした。


夕食を食べ終わって、お店を出た。
2人は、車に乗った。

 啓介「ちょっと、タバコ吸っていいか?」

 恭子「うん」

 啓介「最近の店は、禁煙が多い」

 恭子「そうだね」

食べた後も、ゴムで髪の毛をしばっている恭子。

啓介さんが、選んでくれた。
啓介さんが、私のために。
うれしい・・・

恭子は、じーと啓介の方を見ていた。

 啓介「俺の顔に、何かついてるか?」

 恭子「あ。別に・・・おいしそうに吸ってるなあと思って」

 啓介「そうか」

 恭子「ねっ。やっぱり、タバコ吸う人とキスしたら、タバコのにおいがするのかなぁ?」

 啓介「どうだろ? どうだった?」

 恭子「そう友達が、私に聞いてきたのよ」

 啓介「試してみようか?」

 恭子「えっ。 ここで?」

ここは、お店の駐車場。

 啓介「ここじゃ無理だけど、どこかで・・・」

どこか・・・って、どこなんだろう。
自分から、ネタを振っておきながら、恭子はドキドキしていた。

啓介のタバコが、終った。

 啓介「さて、どこへ行こうか?」

 恭子「キスできる場所?」

ついつい話の流れから、自分から啓介を誘ってしまった。
恭子は、ドキドキ。

 啓介「キスだけで、いいのか?」

誘ってくる啓介。

 恭子「・・・啓介さんは?」

 啓介「俺は・・・最後までできるところがいい」

 恭子「私も・・・そこでいい・・・」

俺は、おまえの心の中を走っている。
どこまでも どこまでも・・・
いつまでも いつまでも・・・


恭子の家の前。

 恭子「今日は、どうもありがとう。楽しかった」

 啓介「俺も、楽しかった」

 恭子「じゃ、おやすみなさい」

恭子が、車から降りようとした。

 啓介「ちょっと待って。渡す物があったんだ」

啓介は、口紅の入った袋を渡した。

 恭子「これ、何?」

 啓介「んと、口紅。おまえにプレゼント」

 恭子「100キンの、このゴムをもらったから、いいのに・・」

恭子が、笑った。

 恭子「ありがとう。啓介さん」

 啓介「気に入るか、わからないけど、今度会った時には、その口紅を
    つけて来いよ」

会う口実ができた(笑)

 恭子「うん。ありがとう。 おやすみなさい」

 啓介「おやすみ」

ちゅっ♪



「確認」完


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あとがき

最後に、頭文字Dのお話を書いたのが、去年の6月。
この1年、何をしていたんだろう(笑)
ネタ切れで、修行をしていたかもしれない(ウソ)
頭文字Dにたいして、テンションが下がっていた時期もあった。

来週、遠征に行くんで、また書きたいなあと思った。
材料集めは、ここ1ヶ月でできた。

純愛は、好きだな。
最後に、啓介が口紅を渡し忘れる→電話で今度会う約束をする・・・こういうストーリーも考えていた。
今日、下書きして、今日UPしてしまった・・・
ほとんど、直しがない、本当の思いつきだ。

どうして、口紅をプレゼントしたのか、それは、本日の思いつき(笑)

久しぶりに、腕を上げていないおはなしを、読んで下さって、どうもありがとうございました。
って、読んでくれたお方は、いるのかしら(笑)


   2005年7月29日


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