NHS再検討委員会のメンバーは大蔵大臣(The Chancellor of Exchequer)Nigel Lawson、まだこの当時は次席大蔵大臣であったJohn Major、DHSSトップである社会サービス大臣(The Secretary of State)であるJohn Moore、保健閣外大臣(Minister of State for Health)Tony Newton、そして当時NHS運営委員会副議長であったRoy Griffith(その44参照)。非常に濃いメンバーであった。それぞれ一人一人のエピソードだけで話題が尽きない。
この再検討委員会は当時メンバー非公開、検討の中間報告も公表されなかった。そして、BMA(The British Medical Association)のメンバーや、NHS内部のメンバーも参加することはなかった。この点、BMAから批判も挙がったが、マーガレットがこの段階でそのような批判を気にしたとはあまり思えない。
また、マーガレットはこの時期もう1つの布石も打つ。UK最大省庁になっていたDHSS(Department of Health and Social Security)をDepartment of HealthとDepartment of Social Securityの2つに再分割することを1988年7月に実施し、Mooreよりも右派で改革路線の強いKenneth Clarkが保健大臣(The Secretary of State for Health)に就任した。保健大臣をNHSの課題に集中させるためと、後おそらく、政府の改革に対するやる気度を世論にアピールする目的もあったと思う。
そして1989年1月31日、White PaperでありCommand Paper("Cm. 555")である"Working for Patients"が世に出された。断言できるが、20世紀医療・保健政策に関する最も注目をすべき、あるいはChallengingなレポートの1つである。