不登校・ひきこもり・ニートを考える

不登校・ひきこもり・ニートを考える

不登校児にとってほしい資格





「高卒資格です」



と、答えます。


たとえ、不登校経験者の人が、30歳であろうと40歳であろうとそう答えます。


むしろ、30歳40歳の年齢の人に、高認(高等学校卒業程度認定試験)を受けて、その資格を取って欲しいと思います。


なぜかというと、中卒や高校中退と、高卒というのは、大変な違いがあって、それだけですいぶんと就業やその他(結婚等を含め)で、くやしい思いや劣等感を抱かずにすむという点がひとつ。


ある程度の年齢で高認を取ると、バイトや就職の面接時で


「お、この人はこの年齢で、結構やる気がある前向きの人だ」


と、かえって好印象を期待できることもできますしね。(笑)




もちろん、中卒でも、立派にやっている人はたくさんおりますので、中卒や高校中退じゃダメということではありません。




ただ、職業選択とかを考えた場合、やはり中卒より高卒の方が、はるかに有利なのは間違いありません。



ですから、30歳でも40歳でも、高卒の資格が取れたなら、通信制でいいですから「大学」に進学するというのもいいでしょうね。



「高卒」よりも「大学中退」の方が聞こえがいいですし、それ以上に、自分の好きなことを学び、知識を増やしていくというのは、人間性の幅を広げるのにとてもいいことだと思うのですよ。



また、わたしは個人的に「犯罪学」的なものに関心があるのですが、中卒者の「生きづらさ」をあらわすのに、中卒・高校中退者における犯罪率の高さを挙げることができます。


例えば



「『不登校・ひきこもり・ニート』の犯罪は多いか? 」



と、問われれば、「多いと思われる」と、答えるでしょう。


「多い!」と、断言するのではなく、「多いと思われる」と。




中卒・高校中退者に犯を犯す人が“圧倒的”に多いのですが、その人たちが、『不登校・ひきこもり・ニート』であるとは限らないからです。



中卒・高校中退者に罪を犯す人が多いという例として、ある弁護士会が、少年刑務所の受刑者を調査したところ、以下のような結果が出たということがあります。




●ある少年刑務所(人数269人、平均年齢24・8歳)では
(「少年刑務所」とは、基本的に26歳以下の人が入る刑務所)



●中卒が75・0%、高校中退が21・9%

●高卒が3・1%





つまり269人いた少年教務所受刑者で、高卒はたった8人。


残り261人という圧倒的多数が、中卒であったというのです。


そして、その少年教務所では大卒は一人もいなかったということでもあります。




また、文部科学省・法務省の発表でも、刑務所にいる「最終学歴が高卒に満たない者」は約7割。少年院で「高校中退者は約3割」というものがあります。

(※注;少年院の場合、「高校中退者」が約3割なので、あって「中卒者」を含めると、やはり7~8割になる)


ちなみに高校の卒業率は90%くらいですので、そこから考えても、残り10%の中卒・高校中退がいかに犯罪を犯しやすいかがわかります。




そして、不登校者の約6割は、中卒もしくは高校中退です。


また、不登校経験者の3割ほどが無職者(ニート)になります。


15年前と古い資料ですが「平成5年版犯罪白書」によると、少年院収容者のほぼ5割が無職者です。


殺人の検挙者数についても、昭和のころは、無職者よりも有職者の方が、犯罪件数が多かったのですが、現在では無職者の方が多くなっています。


これらのことを知った上で、『不登校・ひきこもり・ニート』の犯罪は多いか?


と、問われれば、やはり「多い思われる」と、答えざるを得ないのです。


もっとも、真性の「ひきこもり」の場合、人と接することが極端に少ないので、犯罪を犯す確立は低いと考えられます。



では、『不登校・ひきこもり・ニート』の人たちが、罪を犯さないようにするには、どのような方法があるかと考えると





● それなりの賃金が稼げるような仕事に就けるようにすること。


● その就業を続けることができるようにすること。


●なるべく希望する就業ができるような教育。


● 『不登校・ひきこもり・ニート』の多くが、コミュニケーション能力が低いので、その能力を向上させること。




などが必要なのでありましょう。





そして、これらのことを考えるに


不登校児童生徒に取って欲しい資格、あるいは取っていると有利な資格は何かと問われれば



「高卒資格です」



と、わたしは答えます。


感情としては



「中卒でもいいじゃないか」



と、思うのですが





リアリティを持って、親身になって、その不登校児のことを考えると、どうしてもそうなります。








ちなみに、わたしの学歴は高卒ですけど、余裕ができれば大学に進学したいと思っています。


もういい年なんですが、もっと知りたいことがたくさんあるんですよ。(笑)




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