不登校・ひきこもり・ニートを考える

不登校・ひきこもり・ニートを考える

不登校,ひきこもり,ニートは流行語である


ここ一年くらいで、急に注目を集めるようになった“NEET”(ニート)。
その意味は、



「学生でもなく、就業者でもなく、求職「活動」もしておらず、主婦(主夫)でもない者」
※フリーターはニートに含まれず、就業意欲があっても求職活動していなければニートになる。ただし,家事手伝いはニートに含まれる。



でもこれって一種の流行語なんですよ。

教育や福祉、精神医療というのは、なぜかこういった流行語を作り出すんです。
もちろん、こういった人たちが意図して作り出しているわけじゃない。

マスコミが取り上げ、大衆が受け入れるから、その“言葉”は定着していくんです。


80年代に「登校拒否」、90年代に「アダルト・チルドレン」、「不登校」、2000年代に、「境界性人格障害」(ボーダーライン・パーソナリティ障害)、「ひきこもり」という言葉が流行し、そして最近では「ニート」という言葉が取り沙汰されています。


ちなみに「フリーター」というのは、「フロム・エー」という求人雑誌が作った造語だったりします。


さてさて、ニートという言葉は、イギリスで生まれたもので、それが近年日本に入ってきたんですけど、日本においての概念やイメージは、先住していた「ひきこもり」という概念と、相当に重なっているといえるでしょう。

つまり「ひきこもり」もまた

「学生でもなく、就業者でもなく、求職「活動」もしておらず、主婦(主夫)でもない者」

であり、またフリーターでもない人を指すわけですから。


ひきこもりの定義が、厚生労働省/国立精神・神経センター精神保健研究所社会復帰部によると


「さまざまな要因によって社会的な参加の場面がせばまり、就労や就学などの自宅以外での生活の場が長期にわたって失われている状態」


となっているわけですから。


感覚的にその違いをいいますと、


「ひきこもりは、家や部屋に閉じこもっており、ニートは外出をする」


ということになるんでしょうね。

ただ、どちらも学生・生徒でもなく、アルバイトも就職もしていない人ということになります。


考えてみれば、ひきこもり、ニートという表現でなくても、“失業中”、“休職中”、“就職希望者”、“浪人”という言葉でもいいはずです。

確かに、ひきこもりやニートは、数十年前から比べると増えているのでしょう。
しかし、ひきこもりやニートが、続々の餓死するという話しはあまり聞きません。

こういう言葉が流行するのも、豊かな時代背景があるからなのでしょうね。

たぶん、数年後には、また新しい言葉が生まれていると思いますよ。





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