おいしい 千葉 ~ponの食べある記~

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2008.05.08
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テーマ: たわごと(27734)
カテゴリ: カテゴリ未分類


テナントというより長屋と呼ぶのにふさわしい、5軒ならびの店の真ん中に位置していた。引き戸をあけると、店内にはだれもいなかった。そのとき、開けっ放しにされた裏口に薄汚れたランニング姿の男児が通りかかった。姿が見えなくなったと思ったら、奥から一人のおばさんを連れてきた。

メニューは、中華・蕎麦・丼・定食とひと通りそろっていた。無難にラーメンセットを注文する。しばらくして中華そばがやってきた。やや遅れて、餃子と半ライスが置かれた。

食べるほうに集中しようと思ったが、どこか気になる。顔をあげると、その裏口に幼児が3人立ちつくして、私のほうをじっと見ていた。物珍しそうにながめているとか、観察しているとかいうレベルではない。

注視をはるかに上回り、凝視してきていた。私に興味があるというより、私の手元にあるラーメンや餃子のほうにこそ、神経が向かっている。

顔つきにしまりがない。餃子は、箸で持ちあげたとたんに綴じ口が開くだらしない仕様だったが。それと同程度に、デレンとしまりなくほどけていた。3人で何か会話をするわけでもなく、つぶやくでもない。ただ無言のまま、こちらのメニューを心底食べたそうに見つめるばかりだった。

私は視線を元にもどし、食べるほうに集中しようとしたが。どうもそちらのほうが気になって仕方ない。食べづらいにもほどがある。

半ボサボサのおかっぱ頭の女の子は、妙にじっとりうるんだ瞳でこちらを見つめていた。さっき呼びにいった子は、唇をひと舐めずりすると、右腕でさかんに口もとをぬぐっていた。

おばさんとその子たちとの関係がまるで分からない。自分の子なのか、孫なのか。それとも近所のただの子どもなのか。とにかく、注意して追い払うわけでもなく、声をかけるでもなく、ほとんど空気のようにその場にいることをすんなり放置していた。

私は8割がた食べ終えると、それでサッサと席を立った。まずいという理由以外で、注文品を残した経験はその店がはじめてである。食べた気がしなかった。

別にこれは昭和の頃のエピソードではない。物が乏しい時代のことではない。リアル平成で、しかも4年ほど前のお話である。

レトロ風味たっぷりの食堂というのも、たしかにある種の風情があって良いとは思うが。好んで行こうとは思わない。もし入ったそこに裏口があり、野放図に開放されていたりしたら。私は即刻Uターンするだろう。





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Last updated  2008.05.12 15:21:10
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