おいしい 千葉 ~ponの食べある記~

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2008.06.12
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駐車場が数多く用意され、とても停めやすい。キャパシティが大きい。客席が多い。したがって相席にされる可能性がまったくない。分煙化がすすんでいる。営業時間が長い。中休みがなく、いつでも利用できる。24時間体制のところさえある。

メニューは多種多様にわたり、バラエティに富んでいる。写真がたくさん載っていて、イメージが即つかみやすい。中には、カロリー表示、栄養表示をしているところがある。季節モノ、あるいはそのときのトレンドに合わせた限定品が用意されている。ドリンクバーを設置している店が多い。

値段が安い。どこに入っても味の均一化がはかられていて、下手に外すことがない。接客、サービス面は細かなマニュアルがあり、同質化の努力がなされている。

仕入れは本部主導。その中にチェック機構がある。セントラルキッチン方式が多い。安全性についても、同じようにチェックシステムがある。

こういう点。個人のお店は、どうしても劣っていると言わざるを得ない。

駐車場は少なく、停めづらい。キャパシティが小さい。運が悪いと相席にされる。禁煙の波はいちおう押し寄せているが、まだまだゆるい。営業時間が短い。中休みをしっかりとる。24時間体制の店など、皆無に近い。

営業時間が不正確で適当である。データで17時開店となっていても、その時間ピッタリにはじまるとは限らない。すっかりあてにして出かけると、臨時休業になっていたりする。

メニューは数少なく、バラエティに乏しい。画像表示、カロリー表示、栄養表示などを行っているのは少数派。季節商品、トレンド商品の用意なども少数派。ドリンクバー設置店もごく少数派。

プライスは、高いところから安いところまで千差万別。接客、サービス面に関しても百店百色。仕入れは個人主導。品質や安全チェックなどは、そのお店のやりかた次第。店を取り仕切る人のさじ加減ひとつで、どのようにでも対応できる。

外食に関するあらゆる側面で、個人のお店はファミレスの対極に位置していた。優位性のほとんどはファミレス側にある。残念ながらその点は、動かしがたい事実である。

しかしそれでも私は、個人店のほうに深く惹かれていた。事実このHPでも、扱う店のほとんどがそちらのほうに偏っている。実際立ち寄るときもその通りで、ファミレスはいわばそのニッチを埋めるような使い方をしていた。なぜか。

それは自分の中で、個人のお店に対する信奉のようなものが熱く存在したからである。こと品物のクオリティに関して、絶対的な上位にあるとかたく信じていた。最上の素材、それを活かす調製、味覚等は、そういうお店にしかないと勝手に解釈していた。

だが最近、それを大きく揺るがすような出来事がたてつづけに起った。出来事というと少しオーバーになるが。スーパーマーケットに行ったときの目撃談を2つ紹介しておこう。

    *     *     *  

午後2時すぎに、業務食材をそろえるスーパーに立ち寄った。何品かカゴに入れてレジにならぶと、前にはすでに4人待っていた。あいているのは、そのレーンだけである。すぐ前のご婦人は、腕時計を何度ものぞきこんで、不機嫌そうに口元をゆがめていた。

無理もない。レジ打ちしている先頭客の購入量が、本当にハンパではなかった。台車8台を駆使し、そこに上下ダブルのかごに山高く満載にしていた。串刺の焼鳥何十連パック、同じように串刺しの串揚何十連パック、とんかつパック等々。鶏の唐揚、豚の角煮、しょうが焼、ほうれん草のごま和え、ポテトコロッケ、山菜煮、ごま豆腐、目玉焼フライ、鳥団子、蒸し鶏ほぐし、オニオンリング、カレー三角春巻、etc…。

惣菜ばかりではない。豚バラスライス、ひきにく、枝豆、ほうれん草、大根、にんじん、にんにくの芽、さつま芋スライス、竹の子水煮と、素材系統もパックで大量に買いこんでいた。

この店はこんな細かなものまで揃えているのかと、そのときに初めて知った。猛烈な物量である。スーパーの袋ではとても足りず、段ボールにどしどし入れて、それをその場で高く積みあげていた。

全メニューの食材をすべてここで調達している勢いがあった。しかし、それにしても。普通の生素材で買えば済むものまで、すべて冷凍食品や既製品でそろえてしまうとは。開いた口がふさがらなかった。

またこれは別のスーパーでのお話。そこは夜の7時をすぎたあたりから、生鮮・日配品に割引シールを貼っていくのが通例になっている。年配の店員氏が、その作業に取りかかっていた。

デリカコーナーの前を過ぎようとしたとき、割烹着姿の一人のおばさんが目をひいた。彼女のまわりだけ、周囲がプチ遠巻きにするように人が囲集していた。

見るとおばさんは、半額シールを貼った揚物を「すべてをかっさらう」勢いで、かごの中にドンドン入れていた。小さなショベルカーを連想させる。その数40パックほど。独特の威圧感から、ほかの買物客はだれ一人手を出せないまま、その作業をながめていた。

彼女が立ち去ったあと、惣菜コーナーは元の庶民的な空気が復活した。ただそこは、目ぼしい品物がほとんどない「禿げ鷹に襲われたような」惨憺たる現場に落ちていた。

    *     *     *

どちらのケースも、当人たちはレジで領収書をもらっていた。どの業態か触れると特定されるかも知れないので、そこは触れないが。とにかく、個人店の買出しの一コマを見てしまったのだった。これはいったい、どういうことなのか。

たしかに「どこでどんな物を仕入れようと自由だ」と言われてしまえば、その通りである。しかし食べる側、カスタマー側に立ってみると、とても平気で見すごせる問題ではない。巷間をにぎわせている食品を取りまく諸問題「偽装」「安全性」「使い回し」などと、その底で通じている気がしてならないのである。

仮にもプロであるのに。その心底甘えきった姿勢はどうなのだろう。わずか数分レンジに入れるだけの作業、お湯に入れるだけの作業、油で揚げるだけの作業、玉子をからめるだけの作業を遂行したのみで、プロの一品として客の前に差しだす。コンビニのミニキッチンでやるのと大差ない作業質量で済ませておいて、お金だけはれっきとしたお店と同じように一人前取る。

これは完璧に、客をなめきっているとしか思えない。姿勢として、立派に腐敗している。はっきりと言おう。出来あい品、レトルト、チルド品、缶詰、冷凍食品だけを駆使し、それを数分のみの素人調理で出しているお店は、もはや外食店とは言えない。

かなうならそれを外向けにアピールし「コンビニ食堂」「コンビニ居酒屋」として、派手に売りだしていただきたいとさえ思う。

世の中の個人店すべてがこういう仕入れを行うなら。もはや、食べ歩きをする必要もそのレポートをする必要もなくなるだろう。あらゆる諸条件が好都合にそろったファミレスや、資本系の大きな店、ホテル系の店を利用していれば、それで一切こと足りてしまうに違いない。

ただでさえ優位性要素の少ない個人店が、その優位性を発揮できるだろう当該部分で、それを放棄してしまっては。元から勝負にならない。自省と奮起と味覚に直結する部分での惜しみない努力をぜひともお願いしたい。





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Last updated  2008.06.15 21:58:09
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