桐まみれの日々 by さきさん

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さきさん1850

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2006年12月25日
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 姉家には可愛い小鳥が飼われている。種類は金華鳥と手乗り文鳥。文鳥の名は「チュン」。よくある名前だ。たくさんの金華鳥の中にあって、一匹狼ならぬ一匹文鳥。孤高のメス文鳥である。

 ひょっとすると、性同一性障害かも・・と言う家族の心配をよそに、しろはすくすくと成長した。とろこが、ある日、そのしろの様子がどうもおかしい。文鳥のチュンに、気がある様子。他の金華鳥は、どれも番(つがい)になっていて、それぞれよろしくやっている。あぶれたチビ改め「しろ」が、一匹文鳥のチュンに心惹かれたことは、自然な流れだったと言えばそうかもしれない。

 しかし、ペット屋の常識として、金華鳥も文鳥も、負けず劣らず気の荒い種で、一つ屋根に住まわせば、血を見る争いが起きることは火を見るより明らかだった。だから、姉一家も、いくらしろがチュンに恋しようと、一緒に住まわせるわけには行かないと思っていたが、しろのチュンへのあまりにけなげな思いが深まれば深まるほど、とにかく、一度、コンタクトをとらせてみようということになった。

 かくして、一つ屋根に暮らすこととなったしろとチュン。しろは懸命にチュンに向け、求愛のダンスを踊り続けた。いつしかチュンの心には、ほのかな恋心が芽生え、激しくしろを攻撃しつつも、時折、女らしいしぐさを見せるようになっていた。そしてついにその日がやってきた。小さなしろが大きなチュンの上にのり、愛の営みに至ったのである。二人にとってそれは甘く切ない、ちょっぴりすっぱい、初めての経験であった。その一部始終を見て、メインブリーダーKUMIKOが、一言つぶやいた。

「やってる、やってる。」

 ちなみに彼女は小学5年生である。

 そうしてお正月がやってきた。元日、実家に集まっての食事会は、文鳥のチュンと、金華鳥の白の話題で持ちきりだった。

「子供は出来るのかしら?」

 翌日、自宅へ帰った姉から電話が入った。



 数日後には4個に、さらにその数日後には5個に増えた卵。もし、この卵が孵化すれば、産まれる雛は犬で言えば雑種。でも、聞いたことない、鳥の雑種なんて・・・・・。

 今、私の胸は、この卵から産まれる 「文華鳥」 の雛のことで一杯だ。これで、日本の少子化問題に、いくばくかの歯止めが掛かればと思っている。





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最終更新日  2007年01月09日 21時46分40秒
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