桐まみれの日々 by さきさん

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さきさん1850

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2010年08月30日
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小さな木工屋は小さな木工品を作って売っていた。材料は桐。軽くて柔らかい木材だ。
桐はその姿に湿度の影響を大きく写し出す。例えば、一枚の桐の板を台の上に置きっ放しにする。雨が降ると見る見るへの字に曲がってしまうし逆に湿度が低くカラッとしていると見る間に板の両端は跳ね上がってしまう。すなわち、湿気を含んで床が増え乾燥して床が減るのだ。
だから桐の箱は湿度が高くなれば密閉性が増して外気の影響で中のモノが湿ることがないと言われている。
そんな桐で作っているのがオリジナル商品「おいたちの小箱」だった。臍の緒、乳歯、母子手帳をしまうためのその小さな箱は一枚の板を鋸で割るところから作り始める。
蓋と身の幅を決めたら噛み合う部分の細工を施し、底板を嵌める溝を掘る。箱のサイズに切り分けたら木取りは終了だ。
次は組立。長さの両端を45度に切ってあるので、組立をずらして仕舞うとサイズがでたらめになってしまう。ボンドの量が少な過ぎたり接着面に遍く行き渡っていなければ、後の工程で不具合が生じる。組立師のウデの見せどころだ。
組み立てたら内装を仕上げる。乳歯ケースの乗る棧を貼付ける。そして次は天板のプレス。貼付ける部分にボンドを塗り天板を置く。箱の向こう手前を決めて、その向きで最も桐の目が美しく映える向きに決めるのがポイントだ。
小さな木工屋にはコンピュータ制御のプレス機は無いので押さえ強さはウデの感触一つ。
プレスをかけて2~3時間もすると アルコールは抜けて仕上げ工程にはちょうど良い気分と言える。





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最終更新日  2010年09月02日 01時24分41秒
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