桐まみれの日々 by さきさん

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2012年12月15日
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テーマ: ココロ(1375)
カテゴリ: ひとりごと

 木工の仕事に就いて早26年余り。最初は事務所で帳面や注文処理をしていましたが、初めてのお産で留守をするので新しい事務員さんに引き継いで、復帰後は現場に就きました。jougi

 現場では主に機械を使って材料を加工する作業に当たり、二言目には 「定規」 と言う言葉を耳にしました。

 木工機械には刃物が付きもので、定規とは、加工する材料と刃物の位置関係を定めるもののことです。

 しかし、最初の頃は、定規と言えば備後弁で言う「さし」のことで、mm、cmと言った目盛りの付いた物差しのことだと思っていましたので、なんとなく話が噛み合わない違和感を感じていましたが、敢えて、確かめることも無く、現場に就いてしばらく、いや、半年や一年は、定規とはそれで、材料と刃物の位置関係云々なんて、気付いていませんでした。

 ある日、いつも通りに100枚、200枚と言うたくさんの数の材料を同じように加工した時に、最初の一枚と最後の一枚がひどく違っていました。仕事を教えてくれた叔父がそれに気付き、時間をかけて手直しして、製品に仕上げることが出来、事なきを得ましたが、原因は定規が作業中、少しずつずれたことでした。

 その時に、私は初めて定規の意味を認識しました。そして、定規と言うものが、正確に、かつ、ずれない様しっかりとセットされることが、非常に大切なのだと思いました。

 セットの仕方、定規の固定方法は色々ありますが、例えばレバーを締めて固定するものがあります。しっかりと固定するには、思い切り締めれば良いように思いますが、セット変えの度に、思い切り締め続けると、レバーのねじ山が「ちびて」傷んでしまいます。勿論、締め様が緩すぎると定規が狂います。大事なのは、どこかの車のCMのようですが、締め加減が 「丁度良い」 ことなのです。

 「杓子定規」などと言いますが、物事を考える時の尺度を定規に例えます。まさに、その通りだと思います。目の前に起きている現実を、胸の中の自分の定規に照らし合わせて、様々に判断をしていく時、定規を余りにタイトに決め付けすぎていると、現実との折り合いが付かず無理が生じて座礁してしまう。反対に、緩め過ぎていると、考えがブレてでたらめな判断を下してしまう。

 自分の中の定規は、程ほどにしっかりと位置を確定しているか。正しい位置にセットされているか。日々、確認を怠らぬよう過ごしたいと思う今日この頃です。






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最終更新日  2012年12月15日 18時27分28秒コメント(0) | コメントを書く
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