実録・サラリーマン時代

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July 28, 2006
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※この文章は、かつて富士吉田教室に通う生徒と保護者宛に配布してたコラム調のものです。
特に思い入れの深かった号を抜粋して、どさくさに紛れてたまに挿入しますが、
別にネタに詰まった、というわけではありません(笑)。

「得意分野と信念」

 アメリカミシガン州にある、とある小学校での出来事です。
ある日、クラスで飼育していたネズミが逃げてしまい、生徒全員で学校中を探しまわるも、一向にそのネズミは見つけられないでいました。
 そんな時そのクラスの担任の先生が言いました。「モーリス君に任せて見ましょう!」
クラスのみんなが言いました。「それは無理だよ」「何言ってんの先生」「冗談でしょう?」

 クラスのみんなが言うのももっともなのです。このモーリス君は生まれた時から全盲なので、ネズミの形すらわかってないのです。

先生は言いました。「モーリス君には、神様からもらった特別な耳があるから大丈夫!」
 かくして、何と、モーリス君は先生の期待にこたえ、見事そのネズミを見つけてしまったのです!
 以降、自分の聴覚が他人よりも発達していることを自覚し自信を持ったモーリス君は、音楽に目覚め、教会の聖歌隊で歌っているところをあるプロミュージシャンに見出されました。

 このモーリス君のフルネームは「スティーヴランド・モーリス」13歳でレコードデビューを果たし、全米で大ヒット。彼のステージネームは「スティーヴィー・ワンダー」。
 私も知っている位ですから、保護者の方をはじめ、生徒の中にもこのミュージシャンを知っている人も多いことでしょう。
彼は今55歳ですから、40年以上に渡って全米の音楽シーンの第一線で活躍し続けています。つい最近もしっかりニューアルバムを出して、バリバリの現役です。
 歌はもちろん、作詞も作曲もピアノもシンセサイザーもドラムもハーモニカも全部自分で録音しているアルバムを聴いていると、まさに天才としかいえないと思うのですが、先に述べたエピソードを踏まえると、それは単に「天才」で片付けられない深い意味があると思うのです。

 モーリス君の周りにいる人達みんなが「あの子は目が見えないから・・・」という理由で、保護し、いろんなことをさせないでいることが親切心なのである、という考えだったなら・・・、ネズミ探しを彼に託したあの先生がいなかったら・・・、この50年に一度のスーパースターは世に出ていなかったのかもしれません。
 子供たちを教育、指導する際に、悪い部分、弱い部分を直すという考えも勿論重要なことですが、同時に、良い部分、強い部分を伸ばす、という考えは本人の自信にもつながりますし、大人たちがこれらの子供たちの良い部分を見極め、伸ばしてあげることは不可欠なことだと思います。
 また、子供の側も、自分の得意分野をとことん伸ばし、徹底的にそれで勝負する!という信念があれば多くの道が拓けることでしょう。


 今回この文章をここで終えるつもりはありません。もうひとつどうしても述べておきたいことがあります。先ほど「徹底的にそれで勝負する!という信念」と言いましたが、この「信念」が生半可なものだと、実は取り返しのつかない事態になる危険性もはらんでいます。あくまで慎重に、客観的に自己をとらえ、決意に至ってほしいと思います。
 スティーヴィー・ワンダーの話に戻しますが、彼は全盲であるということは有名ですが、1973年に彼は交通事故に遭い、なんと味覚と嗅覚も失ってしまいました。
ヘレンケラーじゃありませんが、いわゆる三重苦というものです。
このレベルになるともはや想像を絶する苦難だと思うのですが、彼はその後もヒットを飛ばし、80年代には「心の愛」という曲で全米NO1もとっています。
 揺るぎない信念と自信があればこその偉業だと思います。

 どん底に陥った時にも自分を見失わず、信念を持ち、努力を継続出来るかどうか、常に自問自答していくことが大切であると思います。
 これらを踏まえた上で、得意分野はどんどん伸ばし、どんどん追求していってもらいたいと思います。





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Last updated  July 28, 2006 12:37:55 PM
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