実録・サラリーマン時代

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August 24, 2006
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カテゴリ: カテゴリ未分類
Vol.34 「結婚生活」

 富士吉田に異動という話になった時、俺の中ではかなりの絶望感があった。
以前述べたような大月との惜別やジャングルが憂鬱(笑)で、っていうこともそうだが、
なんと言っても俺の中での計画が大きくズレることになる!って思ったからである。
 もう少し突っ込んで言うと「カフェ資金計画」が大きくズレるっていうこと。
それまでは実家から通う、いわゆるパラサイトシングルってやつで、貯金のためには最強であると信じて疑わなかった。事実、お金も貯まってってる感覚があった。
家に5万円は入れてたものの、本当にそれだけだったし、このサイクルであれば年間100万は必達だった。

 そんな時の富士吉田異動。さすがに八王子から通うのは物理的に無理(授業終了時刻よりも富士急行線の終電が早い)だし、自活が決定的になり、当初の予定よりも大幅に開業も結婚も先になるなぁって思い、暗~くなってしまった。


 俺の絶望的な声色とは逆に、彼女からは明るいトーンが返ってきた。
空気も綺麗だし、水も綺麗だし、と言って喜び、確かに河口湖はハーブのイメージがあるなぁとは思ったが、
一緒にこっちに来ることは厭わない、といった大変心強い一言もあり、救われた気がした。

 今までは唯一の休日の日曜日とかにここぞとばかり会って楽しんできたが、
結婚するっていうことは、言ってみれば毎日が日曜日状態になるわけで、そうなると休日は友人と会ったり、
好みの違うアーティストのライブにそれぞれが勝手に行ったり、コーヒー研究に燃えたり、
自由な時間はむしろ増えたと思う。

お互いに「結婚」っていうのはまだもう少し先のこととしてとらえていたし、
結婚するっていうのはどんなことなのかとかピンときてなかったんだが、
不意に訪れた有無を言わさない外的要因による劇的なタイミング。
彼女が言った名言「モラトリアムの強制終了」。


 まぁ、何とかなっちゃうもんで、というよりありとあらゆる面で、結婚は大正解だった。
家賃は2DKでなんと¥45000だったし、外食じゃないとなると食費も安い。
そういえば、俺が富士吉田に来たのが8月下旬で、彼女は9月下旬、時間差があったわけだが、
その間の一ヶ月の一人暮らし期間、俺はラーメンと牛丼ばっかり食ってた気がする。
というのも、塾が終わっていよいよ帰るのが12時くらいなので、

「ガキ大将ラーメン」っていうところと、少し歩くが「すき屋」くらいで、選択の余地はなかった。
コンビニも遠かったし、さすがに車の必要性を感じたものだ。
あの生活が続いてたら、体重大幅増量&生活習慣病確定だったろう。

そんなわけで、健康的にも文化的にも貯金的にも、何もかもがいい方向にいった。

彼女は彼女で、確かに山梨っていう土地がジャストフィットだったようで、
山を眺めてるだけで、嬉しくて涙が出てくる、とまで言い出す始末(笑)だった。
アロマやヒーリング系の仕事を彼女はこの地で、それこそ知り合いもコネも何もないところから始めた。
家のそばにある北稜高校という学校の校門前でビラを一人で配ったり、イトーヨーカドーの貸しスペースを使って講座を開くなど、無から有を生み出すパワーには感動した。
そこで、ガッチリと人脈も作り上げ、随分と親しい友人も出来たり、
最終的にこの地を離れる時、俺以上にずっと名残惜しかっただろうし、多くの人からも残念がられた。

 ところで、俺は彼女の仕事の細部とかを実は驚くほど知らない。友人知人みんなにビックリされる。
随分と生き生きと楽しそうにやってることは確かなので、それで十分だし、家にいるときや休日のときはもっと純粋に遊んだり、息抜きしたいっていうのがあったし、いろいろと細部にわたるまで話を聴いたりすると、反論したりということもあるかもしれないし、
これはどう考えても彼女の領域、っていうところは侵したくなかった。

 俺自身、仕事の話はあんまりしなかった気がする。いやしたかな?いややっぱりしないほうだろうと思う。
俺は仕事と音楽の二つ以外にはほとんどこだわりっていうものがなく、
恐ろしいくらい他のことは結構どうでもいいと思って生きている。
でも逆に言えば、これら二つのことに関してだけは相当に頑固である。
この二つの領域さえ侵されなければ俺は非常におとなしい(笑)。

お互いの聖域、領域をしっかりと守る。これが夫婦円満の第一のコツである、と思う。

(つづく)





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Last updated  August 24, 2006 08:19:22 PM
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