実録・サラリーマン時代

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September 15, 2006
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カテゴリ: カテゴリ未分類
Vol.40 「辞意表明とその後」

 宮路部長という人がいて、思えば常に俺の上司だった人であり、
大月の時から、随分俺のことを高く評価してくれていた。目立たぬ部分にもスポットを当てて、
大月や富士吉田の教室のことを東京の教室にも紹介してくれ、モデル教室のように取り扱ってくれた。
多くの子供達がそうであるように、俺も誉められて伸びるタイプである(笑)。
34になってから就職し、社会に通用するのかどうか不安とともに、自分なりに全速力で全力で、取り組んできたことを、しっかりと評価してくれたことがどれほど自分の自信につながったことか。
 2005年の3月、宮路部長に「現在の中2生というのは私が富士吉田に来た時の中1生で、この子たちが受験生となり入試が終わる来年の3月に、私はこの会社を退職しようと考えています。
30過ぎまで実務経験ゼロで音楽ばっかりやってきた人間を迎え入れてくれたこの会社には本当に感謝してます。せめて今後の教室に起こる混乱や弊害を最小限にするために、一年前の今の時期から部長の耳には入れとこうと思いました。」と言った。
 かなり切実に引き止められた。部長は、「赤澤さんは絶対にいなければならない存在。山梨全体を大きくするためにも会社にとっても絶対必要です。」というありがたい言葉だった。

 部長自身のこともいろいろと、さらけ出して話してくれた。そんなこと言っちゃっていいの?っていうくらいのことまで、話は多岐にわたり、話し合いは3時間以上に及んだ。

 それから半年が過ぎたある日、専務から食事に誘われた。
そして、かなりの驚愕話が専務の口から出た。
「来シーズンから、赤澤さんには、H町教室で室長をやってもらおうと思ってます。」という話が出た。

 H町教室・・・、言わずと知れた全国No1のキング教室。
入社したての右も左もわからない俺が最初に机を拭いた教室。
政治結社団体が来るほどの教室。
居場所がなく、ひたすら雑用に励んでいた教室。
社長がどん底から起業し、最初に作った教室。
この教室の意味することはどれだけ深いことなのか、もちろん俺は知っている。
インパクトありすぎの人事異動話だった。

 話そのものはひたすらありがたく、すごく高い評価をしてくれているんだということには感謝しきりで、
それこそ人生が二度あったら、間違いなく受けてたち、でも一生の仕事ではないけど、その後数年間は自分の力量を試してみたかった。
 でもあまりにも少し会社側も俺を買いかぶりすぎというか、いやそれよりも辞意表明がトップに知れ渡り、それゆえの措置だったんじゃないかと思う。辞意表明は部長にだけして、全然正式なものではなかったが、トップまで話がいったことだけは確かである。それを専務はまだ知らないという設定で、お互いに話が進んでいくという、実に大人の(?)探りあいみたいなランチとなった。
 経営陣の方々は、おそらく俺が「今いる場所(山梨)が不満で物足りない」、「給料が不服」といった理由が根底にあるんじゃないか、と思っていたような気がする。
確かにH町教室長に就任したならば、これら二つのことは大きく改善されるのは事実だ。


 なんだかんだと、いろんな引止めにあい、何より板ばさみとなっている宮路部長に申し訳なかった。
この話は他の教室長に対してはずっとシークレットで、その後、他の教室長が辞めたい、という場合の引き止め役を俺がしたりもしていたほどだ(笑)。

 でも俺の決意もこういったことによって意志が覆るほど軽くはない。
来年の3月まで。これを変える気はなかった。
そして9月になり、最終クール(うちの会社は3月と9月が半期)にさしかかった。

 辞めることを決めた人間がグダグダになり、無責任になるっていうのはカッコ悪いし、
何より自分の中での仕事上の限界点を見て、そこに到達して辞めたいというのがあった。

 最後の半年間を俺は「最終決戦」と呼んでいて、ただならぬ決意で仕事に埋没した。

(つづく)





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Last updated  September 15, 2006 03:58:57 PM
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