――結果的には人が求めてるものと、
ご自身がやりたかったことが
合致していたということでしょうか。
それはちょっとわからないのですが、
合致してなかったこともあると思うし、
偶然一致したこともあると思います。
ファンのみんなは、
いつかまた最初に僕と出会った時のような、
グッとくる曲をいつかやってくれるんじゃないかと、
おそらく40年間待ち続けてくれているんだと思います。
ーーオメガトライブとしての活動は、
今後も継続するんですか?
杉山:「また始めたんだから、
もうやめる必要もないよね」という話はしてますね。
ただ、新しい作品を作るとなると、また話は違って。
藤田さんが10年前に亡くなって、
オメガトライブの青写真を
描くプロデューサーが
いなくなってしまったんですよね。
たとえば林哲司さんや僕が
オメガっぽい曲を書こうとしても、
あくまでも“っぽい”であって、
オメガトライブの音楽にはならない。
今、僕らにできるのは、当時の素晴らしい作品を継承して、
リスナーのみなさんに青春時代に戻れる時間を
提供することだなと思ってます。
ーーオメガトライブの音楽を新たに生み出すことは難しいと。
杉山:そうですね。ソロでも
「オメガっぽい感じでやってみよう」と
思うことがあるんですけど、
ファンに聴いてもらうと
「ぜんぜん違う」と言われるので(笑)。
時代が違いますからね。
一昨年、去年と改めてオメガの曲と向き合ってみて、
「やっぱり歌詞の世界が独特だな」と感じて。
あの頃の街のムードがすごく出ているし、
歌詞に出てく小道具もそうだし。
それを自分たちが再現しようとしても、
どうしてもチグハグなものになってしまうんですよ。
――そして、「オレたちのナイトフィーバー」は
成田さんが作詞・作曲・編曲を担当されています。
成田さんは前回僕のライブに来てくださった時に
「この声を忘れないうちに曲を書きたい! 」と
言って帰って行かれて。
僕の声でこの曲を歌ったら
面白いんじゃないかというイメージが
成田さんの中にあったんだと思います。
それでなぜ男の友情みたいな世界観の歌詞になったのか、
真意は定かではないのですが、
成田さんは男の友情とか熱いのが似合わない。
僕自身も常にクールな感じでいたいので、
そんなに暑苦しいのは好きじゃない。
でもそんな2人が熱い男の友情の歌を歌うというのが
面白いんじゃないかなと思いました。
――ギャップですね!
成田さんはどちらかというとイギリス系の音楽の人で、
今回ソウルを作ったというところがすごく面白くて。
僕も最初はすごくきっちり歌っていたんですけど、
途中で何か違うよなと思い、
何となくSeal(英国出身のソウルミュージシャン)
みたいな世界観を感じて、
Sealのようなエモーションで歌いました。
成田さんの曲は本当に難しいんです。
いつも覚え切らないままスタジオに行ってました。
でも、今回は譜割を完璧に覚えて歌っていくうちに、
成田さんがイメージしていたのは
ソウルだったんだと気づきました。
――最後にこの40年間で一番の気づきはどんなことでしたか。
人は好きなことをやって生きていけば
幸せになれるということです。
どんな道を選んでもたどり着く場所はきっと一緒で、
違うところに行くことはないと僕は思っています。
目的地に向かう途中でいろんなことがあるけど、
最終的に合流する。
ですので、このまま歩いて行って
ポイントポイントで物事を把握していけば間違いはない、
ということに気づいた40年でした。
――ちなみに道が2つあって、片方がいばらの道、
もう一方が楽そうな道があったら、
杉山さんはどちらの道を選びますか。
「絶対いばらの道を行った方がいいよ」と
誰かに言われたとしても僕は選ばないです。
おそらく楽な道を選んで進んでいくと思います(笑)。
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