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コタ&こたplusサチイブ お気楽DAYS
Episode36~40
◆◇◆Episode36:祈り子の夢◆◇◆
気がつくと、そこは
ザナルカンド
・・・
そう、
ティーダ
の
ザナルカンド
だった。
自分は帰ってきたのか?
見覚えのある風景、ここは確かに自分の生まれた街だ。
そして覚えのある部屋・・・
ジェクト
のものか、トロフィーの並ぶ部屋、
そこには先客がいた。
最初に
ザナルカンド
で・・・そして、
ベベル
の祈り子の部屋で見かけた、
フードをかぶった少年である。
少年はバハムートを召喚するための祈り子だったのだろう。
「おかえり。」
少年が話し掛けてきた。
「
ベベル
で会ったよ。覚えてる?
でも、あれが最初じゃない。ずっと前からキミのこと知ってる。」
ティーダ
もずっと前から少年を知っているような気がした。
リュック
や
ワッカ
が自分を呼ぶ声が聞こえる。
(←ティーダだけ倒れてるみたい)
ティーダ
は自分の状況を推理し、思ったことを言ってみる。
「もしかして、全部夢なんだろ?」
「あたり」
少年はあっさり答えた。
だが、
ティーダ
は今
ザナルカンド
へ向かう大事な旅の途中である。
夢なんか見てる場合ではない。
そう言うと、少年の答えはこうだった。
「キミが夢を見てるんじゃない。キミが夢なんだ。」
(←は?)
意味不明のことに、理解するまで思考回路が至らない。
困惑する
ティーダ
を見て、少年が詳しく話す。
――――――昔、
ベベル
と
ザナルカンド
が大きな戦争をした。
ザナルカンド
は機械を駆使する
ベベル
に負け、
たくさんの召喚士も死んだ。
ザナルカンド
は滅びるしかなかったのだ・・・。
「せめて、
ザナルカンド
の姿だけでも残そうとしたんだ。
生き残った召喚士や街の人々が自ら祈り子になった。
彼らの思い出にある
ザナルカンド
の街、人、物、
すべてを集めて、
ザナルカンド
を召喚するために・・・。」
その祈り子が山頂にあったあの大勢の祈り子たちなのか。
「
ザナルカンド
は祈り子たちの夢・・・
祈り子たちの夢が消えたら・・・」
と少年が言うと、ところどころ
ザナルカンド
の街が一部消えていく。
ティーダ
は自分も消されると思い、それはやめてくれと頼む。
少年は
「夢を見るのも疲れちゃったんだ・・・
キミとキミのお父さんが僕たちを眠らせてくれるかなぁ?
死の螺旋の中心であるシンに触れた。
キミたちはただの夢じゃない。
キミたちなら、夢を終わらせる夢になれるかもしれない。」
そういって、姿を消した。
と同時に、
ユウナ
の声に呼び戻されるかのように
ティーダ
は目を覚ました。
・
・
・
・
・
・
・
◆◇◆Episode37:伝説のガード◆◇◆
どうやら
ティーダ
だけが急に意識を失い、
その場で倒れていたようだ。
心配する
ユウナ
たちだったが、
ティーダ
は祈り子の少年とのことは心にしまい、
何とも無いといって旅の続きを促した。
山頂まであと少しの所で、
アーロン
が
ユウナ
に告げる。
ある人物が召喚士の力を試すために
放った魔物とまもなく遭遇するだろう。
そのある人物とは?
訊ねる
ユウナ
。
アーロン
は答える。
――――――
ユウナレスカ
死人となって今も
ザナルカンド
で召喚士を待っているという。
もう何も怖くないという
ユウナ
を見て
「やはり
ブラスカ
の娘だな」
という
アーロン
に
ユウナ
は胸を張って答える。
最後まで・・・そうありたいと思っている、と。
(←強くなったね)
ガガゼト
の山頂で、
ユウナレスカ
が放った聖地のガーディアンを倒したものの、
いまだに
ユウナ
を死なせない方法を思いつかず焦る
リュック
たち。
ティーダ
ももうすぐ
ザナルカンド
にたどり着くと言うのに、
不安ばかりがつのる。
フッと笑う
アーロン
。
かつてここを通ったときの自分も同じだったと言う。
ザナルカンド
へ近づくにつれ、
覚悟とはうらはらに
ブラスカ
を死なせたくない気持ちが大きくなる。
伝説のガードと言われる
アーロン
にもそんな意外な過去があったのかという
ワッカ
。
アーロン
は再びフッと笑い、振り返って答えた。
「何が伝説なものか。
あの頃の俺はおまえと同じただの若造だ。
何かを変えたいと思っていたが、結局何もできなかった・・・
それが俺の物語だ。」
と言って背を向けて歩き出した。
その背を
ティーダ
はずっと見つめていた。
山頂を超えると、眼下に
ザナルカンド
の遺跡が広がるのが見えてきた。
沈んでいく夕日に赤く染まる遺跡。
1000年前に滅んだ都市
ザナルカンド
はもうすぐそこにせまっている。
どうにかしたい
リュック
がなんとかしようよと懇願するが、
今の時点では誰もどうにもできないのはわかっていた。
自分を死なせまいと思い悩み、大切に思ってくれる
リュック
を
ユウナ
はそっと抱きしめる。
そのとき、
ティーダ
は
ユウナ
の服の袂からなにかが落ちるのを見た。
拾い上げたそれは小さなスフィアだった。
ユウナ
たちは気付かずに先に歩いていく。
ティーダ
はそっとそのスフィアに耳をあてた。
記録されていたのは、
ユウナ
の声と夕日に包まれた
ミヘン街道
の旅行公司前の景色。
一人でいるとき、彼女が撮ったものらしい。
その言葉は、仲間一人一人への感謝の気持ちだった。
それを遺言状代わりにしたのだろう。
ティーダ
に残した言葉、それは
「キミと会えてよかった」
ティーダ
はそれを
ユウナ
に返すことなく、自分の懐へしまいこみ、
みんなの後を追った。
・
・
・
・
・
・
・
◆◇◆Episode38:1000年前に滅んだ都市ザナルカンド◆◇◆
紅に染まる
ザナルカンド
遺跡に着いてから、
一休みしていこうと焚き火を囲む一行。
(←これがオープニングの映像なのダ)
ティーダ
が突然立ちあがり、
ユウナ
の肩にそっと手をやる。
それから
ティーダ
は小高い丘に上って沈んでいく夕日を見つめていた。
「最後かもしれないだろ
だから、全部話しておきたいんだ」
楽しかったこと、辛かったこと、
あんなことやこんなことがあったなど・・・
思い出せる話をなんでもし合う。
日もほとんど暮れ、もう話がつきたかと思われたそのとき、
ユウナ
が声を出す。
「あのね、思い出話は・・・もう終しまい。」
思い出に甘えちゃいけない、もう引き返さない。
それぞれの武器を手に取り、
ユウナ
たちは意を決して歩き始めた。
究極召喚の眠る巨大な建造物
エボン=ドーム
へと。
遠くに見える
エボン=ドーム
あたりには、
無数の幻光虫がたちこめていた。
ワッカ
はつぶやく。
「なんか、異界みたいだな。」
アーロン
は似たようなものだと言った。
あそこに行けば、なにかわかるんだろうか。
・
・
・
・
・
・
・
◆◇◆Episode39:エボン=ドーム◆◇◆
まさに古代の遺跡というほど
ザナルカンド
と
エボン=ドーム
内は破壊され、崩れたままとなっていた。
だが、歴代大召喚士たちが通って来た道である。
ユウナ
たちは迷わず奥へ進んでいった。
そのドーム内には幻光虫が満ちていた。
そのために、死者の思いを留めて、
それらは永遠に残されるのだと言う。
その思念がときおり姿を見せた。
それは大召喚士
ヨンクン
一行や
幼い
シーモア
とその母をも映し出した。
そして、
ブラスカ
に懇願する10年前の
アーロン
も。
「
ブラスカ
様、帰りましょう!
あなたが死ぬのは嫌だ!」
アーロン
の自分に対する気持ちに感謝しつつも、
ブラスカ
は歩みを止めず、
ジェクト
もその後に続いた。
奥へと入っていくかつての
ブラスカ
たちの思念。
その思念に続くように
ユウナ
たちも入っていく。
試練の間を抜けたところで、
アーロン
は
ユウナ
に祈り子の部屋へ行くように言った。
昇降床に乗って
ユウナ
は一人で祈り子の部屋へ向かった。
だが、すぐに彼女は引き返してくる。
「
アーロン
さん!みんな来て!」
(←どしたの!?)
急いで祈り子の部屋へ入ると、その床には究極召喚の祈り子像・・・
案内人の死人によると、
最初に
シン
を倒した
ユウナレスカ
の究極召喚となった
ゼイオン
の像だという。
だが、今はその力は失われ、ただの像でしかないらしい。
旅の最終目的である究極召喚獣、それを得るための祈り子がいない。
一体・・・?
ティーダ
はふと問いかけた。
「
アーロン
!あんたは最初から知ってたんだよな?」
リュック
もなぜだまっていたのかを訊く。
アーロン
は言った。
「お前たち自身に真実の姿を見せるためだ。」
(←なるほど)
祈り子がいないからといって、引き返すわけにはいかない。
なんとしても究極召喚を得て、
シン
を倒さねばならないのだ。
案内人の死人はこの先で
ユウナレスカ
が待っているという。
ユウナ
たちは先の部屋へ進んでいく。
・
・
・
・
・
・
・
◆◇◆Episode40:究極召喚◆◇◆
祈り子の部屋の先にあったのは、薄暗いホールのような部屋。
そこへ一人の女性が姿をあらわす。
ティーダ
は
シーモア
の屋敷で見たことがあった。
そう、最初に
シン
を倒した女性、
ユウナレスカ
。
(←やはり露出度最強ですっ)
ユウナレスカ
は
ユウナ
に語りかける。
「よくぞここまで来ましたね。
究極召喚を捧げましょう。
さぁ、選ぶのです。
あなたが選んだ勇士を、私の力で
あなたの究極召喚獣の祈り子に変えましょう。」
?
(←?)
ユウナレスカ
の言葉の意味がわからない
ユウナ
たち。
そんな様子の
ユウナ
を見て、
ユウナレスカ
が続ける。
「召喚士と強い絆で結ばれた者が得られる力、それが究極召喚。
二人の想いが
シン
を倒す光となるのです。」
そして
ユウナレスカ
は夫
ゼイオン
を選んだ。
確かに、
ユウナレスカ
と
ゼイオン
の強い絆が
シン
を倒したのだろう。
だが・・・
ガードの一人を究極召喚獣にする?
そんなことをしたら・・・
「心配はいりません。
あなたが究極召喚を発動すれば、あなたは死に、
(仲間を究極召喚獣にさせてしまった)悲しみもまた消えます。
あなたの父
ブラスカ
もまた、同じ道を選びました。」
そういって
ユウナレスカ
はさらに奥の部屋へ入っていった。
その瞬間、その場に残っていたかつての
ブラスカ
たちの残像が再び映し出された。
今
ユウナレスカ
が話したことと同じことを聞いたときの思念だろう。
「帰りましょう!
ブラスカ
様。」
10年前の
アーロン
はまだ諦めてはいなかった。
なんとか
ブラスカ
を生きる道へ連れ戻そうとする。
だが、もう一人の男は違った。
「いいよ、俺がなってやるよ。」
自分の生まれ育った
ザナルカンド
へ戻ることができないと
悟った
ジェクト
の申し出に
アーロン
が反論する。
「生きていれば、無限の可能性があんたを待っているんだ!!」
(←いい言葉だよね)
それでも
ジェクト
の気持ちは変わらなかった。
無限の可能性に賭けるには、彼はそう若くなかった。
「
シン
を倒してもまた復活する。
この流れを変えないと二人とも無駄死にだ!」
アーロン
はなんとか
ブラスカ
と
ジェクト
に思いとどまってもらおうと
必死で説得する。
だが、
ブラスカ
は今度こそ復活しないかもしれないほうに賭けるといい、
ジェクト
もまた俺がなんとかしてやると言って
二人の思念は奥の部屋へと消えていく。
あとにはその場で肩を落とし座りこむ
アーロン
・・・
その10年前の自分の幻を
アーロン
は必死で消そうと斬りつける。
(←幻なので斬れません)
「そして、何も変わらなかった。」
アーロン
は付け加えた。
祈り子が必要なら、自分がなってもかまわないと
ワッカ
や
ルールー
は言う。
しかし、それじゃぁ何も変わらない、
ジェクト
たちと同じだと
ティーダ
は反対する。
だが、現実的にそれしか方法がないのなら・・・という
ワッカ
たちに、
ティーダ
は10年前の
アーロン
が言った【無限の可能性】ってヤツに賭けてみようという。
「これはオレの物語なんだ。
くだらない物語だったら、ここで終わらせてやる!」
ユウナ
はそれに対し答えた。
「私にとっては、私の物語なんだよ。
流されちゃダメ・・・迷っちゃダメ・・・
私決める、自分で決める。」
そう言って
ユウナ
は
ティーダ
たちと共に
ユウナレスカ
の後を追った。
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