コタ&こたplusサチイブ お気楽DAYS

コタ&こたplusサチイブ お気楽DAYS

2004年上半期パート1

2004年度1月~6月に試写会&映画館で観た作品の
こたっぺ☆的勝手なレビュー(笑)です。
(※当時の日記からのコピーなので、統一感のない書き方で申し訳ないです。)

『シービスケット』
『タイムライン』
『ラブ・アクチュアリー』
『オアシス』
『嗤う伊右衛門』



◆シービスケット(2004/1/10、13の日記より)◆



20世紀初頭。
そのころまだ文明の利器だった自動車のディーラーで大成功したハワーズ(ジェフ・ブリッジス)。
結婚して息子ももうけたが、忙しいさなか、
最愛の息子を事故で失ってしまった。
失意のハワーズは仕事にも力が入らず、
妻ファニーもまた、そんな彼の元を去っていく。


一方、自動車の普及により、
それまで交通の手段でもあった馬の需要が減り、
カウボーイを生業としていたスミス(クリス・クーパー)は各地を転々とし、
馬の調教師としてなんとか生活をしていた。


そして片田舎で不自由なく過ごしている一家の長男ジョニー・ポラード(トビー・マグワイア)は、
父から天性の才能を見出され、乗馬の腕をあげていった。


数年後、世界は大恐慌に陥る。
株は大暴落、倒産が相次ぎ、失業者も増える一方。
そのあおりを受けジョニー一家も大きな損害を被り、
一家はとうとう無一文で移民生活となる。
食いぶちを稼ぐため、ジョニーは近所の草競馬の馬の世話と調教をするが、
息子の乗馬の才能を信じる父は、ジョニーをそこへ預け、
去っていくのだった。


馬上で殴る蹴る、なんでもありの田舎の草競馬。
負ければオーナーからも殴られる始末。
たとえ勝ったとしても、ジョニーが手にすることの出来るお金はわずかしかない。
彼は草競馬の傍ら、アマチュアボクシングでストリートファイトして
稼ぐようになっていた。
ボロボロになる彼を心配するジョッキー仲間のウルフをもはねのけ、
無茶を続けるジョニー。


時のアメリカは禁酒法。
娯楽と酒を求め、厳しい法を逃れるように、
人々はメキシコへ下るようになっていた。
独身となったハワードもまた、メキシコで傷心旅行。
そんな影のある彼を見初めた女性がいた。
美人で積極的なマーセラ(エリザベス・バンクス)と
ハワードはたちまち恋に落ち、結婚。
マーセラの乗馬好きが嵩じて、
ハワードも競馬に興味を示すようになる。

そんなとき、ふと訪れた馬場でただ一人、みんなの輪からはずれ、
馬の足の治療をしているスミスを見つけたハワード。
ほかの調教師にはない何かを感じ取った彼は、
スミスと話をする。
その馬は骨折していて、スミスはそれを治せるという。
馬といえば骨折すれば安楽死が一般的と思っていたハワードは、
なぜか訊く。

「なにかあったからといって、命あるものを殺すことはない。」

それがスミスの答えだった。
ハワードはそんなスミスを調教師として雇用する。

さっそくスミスは名馬を見つけた。
小柄ながらも気性が荒く、ほかの調教師たちからも見捨てられ、
その場で処分される寸前だった馬シービスケット。
スミスはシービスケットが名馬の資質を秘めていることを見極め、
ハワードに購入を勧める。

命拾いしたシービスケットも暴れ馬のままではなんともならない。
スミスの調教はもちろん、優秀な騎手が必要だった。
スミスは草競馬場でほかの騎手たちを相手に
ケンカしているジョニーを見つける。
数人の調教師相手に暴れるシービスケットと、
数人の騎手仲間を相手に暴れるジョニー。
1頭の馬と1人の青年がスミスの中でシンクロする。


ここに、走る楽しさを忘れている暴れ馬シービスケットを
「“馬”に戻してやる」ためのタッグ、
騎手・ジョニー、オーナー・ハワード、
調教師・スミス、騎馬・シービスケットのチームが誕生。

スミスとジョニーの調教やふれあいにより、
シービスケットは打ち解け、
見る見るうちに馬としての資質、名馬としての資質を取り戻し、
訪れた競馬客の度肝を抜くほどの活躍をしてみせた。
連戦連勝の小さな馬シービスケットは大人気。
連日客は増え続け、立ち見客も出るほどの大盛況。

大きな期待を背負って、大きなレースに出場。
スミスとも入念に打ち合わせをしたはずのジョニーだったが、
レースの最中、最終コーナーでトップを走っていたにも関わらず、
右後方から追い上げてきた馬に追い越され、負けを喫してしまった。

「なぜ打ち合わせどおりにしないんだ!
右後方から馬が来ていたのがわからなかったのか!」

と問いつめるスミスに、ジョニーはガマンできずに

「右は見えないんだ!」

と打ち明ける。
ジョニーの右目は、アマチュアボクシングで殴られたときに、
すでに光を失うまでのダメージを受けていたのだった。

そんなジョニーに腹を立てるスミス。
しかし、ハワードはジョニーを騎手から降ろすつもりはないと
スミスに告げた。

「なにかあったからといって、命あるものを殺すことはないさ。」

スミスが以前ハワードに言ったことをスミスの耳元でつぶやいて・・・。


自信を取り戻すために、ハワードたちは東部で連戦連勝の不敗馬に挑むことにする。

さらなる悲劇にみまわれながらも、
シービスケットと3人の男たちの新たなる挑戦が始まる。


前半が、3人の男の半生をそれぞれリアルタイムなんだかでカットインが多く、
ちょっとしたらすぐ別の場面、またちょっとしたら別の場面、
と切り替わるの。
それはいいんだけど、場面の切り替わり方がイマイチだったかな。
その辺が不満だったものの、
3人が集ったあとはまとまっていてよかったかな。
まさに映画の狙いはソコなんだわ(笑)
何かを失った3人の男がシービスケットという馬を通して一つになる、
これが骨組であり、ストーリーだったんだ。


とにかく馬がキレイ。
確かにサラブレッドばかりだったんだけど、
競馬場で実際に競走中の場面も多くて、
馬のお尻の筋肉とかもよく見えたのよ~。
その動きがキレイでねぇ~。(←変態?)
お尻の穴も見えそうだったけど(笑)

アメリカにいるメル友は、
マスタング(アメリカの原生馬)を何頭も飼育しているけれど、
彼女が送ってくれる馬たちの写真もホレボレするよ。
決してカッコイイわけじゃないんだけどね。
サラブレッドよりもガッシリしてて体格も大きくて、脚も太いの。
日本の木曽馬とか道産子の脚が長くて毛が短いバージョンって感じかなぁ。
サラブレッドや木曽馬が って感じだったら、
マスタングや道産子は って感じ(笑)


それから、色もきれいだった。
秋の森の中を駆けるシービスケット。
シービスケットは栗毛でブラウンなんだけど、
野山を駆け回るシーンでは、シービスケットが駆けるその周りが
紅葉していて、遠くに映る緑や赤、黄色に染まった山々、
黄色い落ち葉の絨毯、深緑色の湖なんかの色と
シービスケットのブラウンのコントラストがすっっっごくキレイでした。
自然の色と対称的に、そして、移動手段として活用されてきた馬と対称的に、
鮮やかな色とりどりの自動車も印象的。
よくまぁ、あんなクラシックカーがいっぱい用意されているなぁと思ったよ。
アメ車ファンには嬉しいサービスかも。


競馬シーンも、競走馬で実際に競走させながら撮るから、
実際の調教師もすごく大変だっただろうなぁ。

広い心を持ったオーナー・ハワーズ役には、
アカデミー賞常連のジェフ・ブリッジス。
ロイド・ブリッジスを父に持ち、兄ボーも俳優(兄とは『恋のゆくえ』で共演してますね。)。
『ブローン・アウェイ』(トミー・L・ジョーンズが爆弾魔のヤツね)では父ロイドとも共演していました。
こたっぺ☆の中では、タフなリチャード・ギアみたいなイメージかなぁ。
イヤ、リチャードがナヨナヨしてるって意味じゃなくてね(笑)
『恋のゆくえ』はすっごく好きな作品の一つです。
それにしても、彼もすっごい年とったなぁ・・・


ジョニー役のトビー・マグワイアは、『スパイダーマン』でおなじみの彼。
どうやらこの映画のPRで来日したらしいね。
ジョッキーとしては大柄だけど、
アメリカ人男性としては小柄なほうの彼にピッタリの役だと思いました。
この役のために、かなり減量したようです。
赤毛のジョニーの通称がレッドということで、
髪を赤く染めてましたねぇ。
どっちかというと大人しい役が多い気がするけれど、
半分眠そうな目(笑)の彼がこんなタフで反抗期っぽい役・・・
も合ってるかも。
自分と年が近いのも親近感がわくわ~。

エンドロールを観てビックリ。
彼はこの作品で製作にも携わっていました。
ちなみに、彼はディカプリオの親友です。


孤高の調教師スミス役には、名脇役クリス・クーパー。
『アメリカン・ビューティー』なんかでもオスカー候補にあがってましたね。
『ボーン・アイデンティティー』『パトリオット』『モンタナの風にふかれて』なんかにも出ていました。


ハワードの2度目の妻となるマーセラ役にはエリザベス・バンクス。
美人でお金持ちなのに、それを鼻にかけることもなく、
思いやりのある強い女性を演じていました。
当時の女性としては珍しく、男勝りというか、
快活で今でいうキャリアウーマンっぽい感じ。
だから、「3人の男と1頭の馬の物語」みたいに言われているけれど、
こたっぺ☆はマーセラも加えて一つのチームのような感じがするの。
それくらいこたっぺ☆の中では存在が大きかったんだわ。

エリザベス・バンクスは『スパイダーマン』にちょっと出てたのを観たくらいだけれど、
『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』にも出てたらしいから、ちょっと古風なスタイルが似合う女優さんなのかもね。


ジョニーの親友でありライバルであるウルフ役の
ゲイリー・スティーブンスは、本物のジョッキーだそうな。
どこかで顔をみたことあるような気がしたんだけど、気のせいだったかぁ。


そして、競馬場といえばアナウンサー。
そのアナウンサー役では、これまた名脇役ウィリアム・H・メイシー。
あんな早口の彼は初めて観たわ(笑)
今回はかな~り濃い役だったし(笑)
『マグノリア』にも出ていたし、
つい先月TV放映していた『エアフォース・ワン』にも出てましたね。
彼は、ゴールデン・グローブ賞の助演男優賞にノミネートされています。


製作者側には、『シックス・センス』のフランク・マーシャルや
『カラーオブ・ハート』のゲイリー・ロス、
スピルバーグ一族のキャスリーン・ケネディなど、お馴染みさんたちが名を連ねています。

アカデミー賞の声も高いこのシービスケット。
すでに発表されているゴールデングローブ賞には、
ドラマ映画部門の作品賞、助演男優賞にノミネートされています。

ハワードは、息子の死、離婚で傷ついた男。
ジョニーは両親に手放され、生きるのが精一杯だった男。
スミスは居場所をなくし、孤独に生きていた男。
そして、シービスケットもまた、馬として生きる術を失いつつあった男。

3人の男と1頭の雄馬の「4匹7脚」の物語です。

シービスケット




◆タイムライン(2004/1/11の日記より)◆

ニューメキシコの砂漠地帯で瀕死の男性が見つかった。
病院のERに運び込まれたものの、男性は死亡。
その遺体は体の組織という組織が少しずつズレていた。
遺体を引き取りに来たのは
男性が所属していたらしい企業ITCの社員ゴードン(ニール・マクドノー)。
彼は速やかにカルテ等も押収し、遺体を引き取っていった。
まるで何かを必死で隠しているかのように…。


フランス・カステラガール発掘所では、
その日も考古学博士ジョンストン教授(ビリー・コノリー)の指導のもと
発掘作業が行われていた。
この発掘作業のスポンサーはITC。
教授は資金援助の申し出のため、ITC本社へ出かけていった。


教授の息子クリス(ポール・ウォーカー)も発掘所を訪れていた。
彼は歴史や考古学には興味がなかったが、
発掘メンバーのケイト(フランシス・オコナー)に好意を寄せていた。
クリスは彼女に気があることをアピールするものの、
彼女の頭は今は考古学でいっぱい。
フラれてしまったクリスは、
若手の助教授マレク(ジェラルド・バトラー)に恋愛相談。
マレクは発掘中の手をつなぎ共に眠る男女の石棺に魅せられていた。
なぜか男の片耳がないのも、マレクは何か理由があるに違いないと思うが、
考古学に負け、おもしろくないクリスには途中で欠けたんだろうとしか思えない。


そんなとき、発掘所で落盤が起きた。
スタッフが見守る中、新たに開いた穴へ調査に入るマレクとケイト。
新しく発見されたのは修道院の一部だった。
ふと見つけた保存状態の良い羊皮紙を分析に出すと、
なんとその羊皮紙には

「Help Me!」

という教授の筆跡が。
教授は数日前から不在。
しかし、その羊皮紙はどうみても14世紀のもの。

いったいどういうことなのか?


このことと教授の居場所をつきとめるため、
ITC本社と連絡をとり、
クリスやケイト、マレクたち5人はITC本社を訪れる。
そこで彼らは、ITC社長ドニガー(デビッド・シューリス)から
原子レベルで物質を転送するという巨大転移装置を見せられる。
研究者の話によると、
その転移先との間の次元にワームホールが発生し、
その装置で転送したものは、ワームホールの先、
つまり14世紀のフランスへ転送されるということだった。

しかし、ITCの行っていた転送物は人間。
教授は、その装置によって14世紀フランスへ送られたまま戻ってこないのだ。
あの羊皮紙のメッセージは本当に教授が14世紀に書き記したもの。
となると、教授は今危機に瀕しているはず。

教授を救い出すためにクリス、マレク、ケイト、
フランス語のできるフランシス(サザーランド)、
そして、このITC社員であり、ガイドでもあるゴードンと
その部下二人が14世紀へ向かうことになった。
現代のものを過去に持ちこむことはタブーということで、
7人は14世紀の服に着替え、転移装置へ向かう。

現代へ戻るためのペンダント(マーカー)も一人一人所持。
タイムリミットは6時間。
これを過ぎてしまうと帰れない。
教授を助けたい気持ちはあっても、
この装置の原理に恐怖をいだくスターン(イーサン・エンブリー)は残り、
7人は14世紀フランスへ転送された。


7人がたどり着いた1357年フランスは、
イギリスとフランスが領土をめぐって争っていた百年戦争の真っ只中。
オリバー卿(マイケル・シーン)率いるイギリス軍と
オルノー卿(ランベール・ウィルソン)率いるフランス軍による
決戦のまさにその日だった。
7人は森の中でイギリス軍騎馬隊に急襲され、分断される。
クリスとケイトはマレクが囮となり、
なんとかゴードン、フランシスと合流できた。
一方、囮となって追い詰められたマレクは、
隠れた場所でフランス人の娘(アンナ・フリエル)と出会う。
ゴードンの部下の一人は斬られ、
もう一人は必死で抵抗しようと持ちこみ厳禁の手榴弾のピンを抜いたまま矢で射抜かれた。
悲劇は重なり、矢で射抜かれたメンバーは手榴弾を手にしたまま
現代へ帰るためのマーカーを緊急作動させる。

現代へ転送されてきたメンバーの手から床に転がり落ちる手榴弾。
ITC研修室内は爆発。
転移装置も破壊されてしまった。


果たして、クリスたちは教授を助け出すことはできるのか?

そして、現代へ戻ることはできるのか?


原作は『ジュラシック・パーク』や『ライジング・サン』など、
著作がどんどん映画化されるマイケル・クライトン。
彼の作品は、どっちかというとやっぱり本を読むほうがおもしろいんだよね。
『ジュラシック・パーク』も『ライジング・サン』もそうだったもの。
映画だと、2時間程度にまとめなくちゃならないから、
あちこちカットされているだろうし、
設定も短くまとめられるようになっているはず。

クライトンの考えたタイムトラベルは、物質転送。
彼は過去も現在も未来も同時に存在すると考えているらしく、
タイムマシンに乗って過去へ旅するという概念ではないそうな。
パラレルワールドじゃないけれど、
ちょっととなりの過去へ移動という感じかなぁ。
だから、タイムパラドックスも発生しないんだとか。(そーかなー?難しいことはよくわからん(笑))
その移動にも、ドラえ●んのタイムマシンなどではなく、
物を分子・原子単位でコピーして転送する、
簡単に言えばFAXのようなもの。
この点に転移装置の問題の謎が秘められているのダ。

クライトンのアイディアって、
リアリティがあって本当にできそうだからすごいのよね。
ただ、この転移装置で転移するとき、
すっっっっっごい痛そうだったよ~。


内容は、
SFあり~の、
歴史あり~の、
ロマンスあり~の、
アクションあり~の、
戦争あり~の
と1本でいろいろ楽しめる作品だよ。

まず、現代の21世紀ITC社での物質転移装置と過去への移動がSFチック。
転移したのが14世紀のフランスってことで歴史チック。
クリスとケイト、マレクと娘のロマンスもあって、ラブロマンスチック。
マレクやケイトが頑張っちゃうのがアクションチック。
百年戦争真っ只中のカステルガール攻防戦が戦争映画チック。
といろんな楽しみ方ができるの。


上映時間が短めだったし、ほとんどが6時間のタイムリミット間のことだったので、展開が早かったなぁ。

あと、いったい誰が主人公なの?っていうのがあったかな(笑)

一応、ポール・ウォーカー演じるクリスが主人公らしいけれど、いまいち目立たない(笑)
ジェラルド・バトラー演じるマレクのほうが、
活躍場面や劇的なロマンスもあって、
クリス役のポール曰く「マレク役がやりたかった」らしい(笑)。

そんなポールは『ワイルド・スピード』シリーズで大ヒットのモデル顔のナイスガイ。
ジェラルドは『トゥームレイダー2』、
教授役のコノリーは『ラストサムライ』、
ケイト役のオコナーは『A.I.』などに出ています。
また、フランソワ役には名優ドナルド・サザーランドの息子で
こたっぺ☆も好きなキーファー・サザーランドの弟、
映画初出演のロシフ・サザーランド。
フランス軍のリーダーであるオルノー卿役ランベール・ウィルソンは、
『マトリックス』シリーズのキザ男風な古プログラム・メロビンジアンでおなじみ。

やっぱり原作を読んでみたいなぁ。

【タイムライン】公式サイト



◆ラブ・アクチュアリー(2004/1/16の日記より)◆


9.11以降世界に蔓延しているもの。
不安?恐怖?憎悪?
NO!そこには愛があふれている。

クリスマスを目前に、様々な形の数々のラブストーリーが、
アットランダムにオンタイムで繰り広げられます。


◆ストーリー1:首相の恋

   若くして新イギリス首相となったばかりのデヴィッド(ヒュー・グラント)は独身。
   初の首相官邸入邸の際に、秘書の1人ナタリー(マルティン・マカッチョン)にひとめぼれ。
   首相という立場上、なかなか積極的にアピールできない。
   英米首脳会談の日がやってきた。
   アメリカに対して強行的政策を“マニフェクト”にしてきたものの、
   訪英したアメリカ大統領(ビリー・ボブ・ソーントン)にいまいち太刀打ちできないでいた。
   ところが、デヴィッドは好きものの大統領にナタリーが迫られている場面を目撃してしまう。
   大統領との合同記者会見では、コ憎たらしいアメリカ大統領側に対し強気な姿勢を示して、
   イギリス国民の支持は大幅UP。
   デヴィッドは、ナタリーを見るのが辛くなり、彼女を配置換えし、
   自分と直接関わらない仕事に異動させてしまう。
   ナタリーとのことで国務にも身が入らないデヴィッド。
   スタッフからのクリスマスカードの中に、ナタリーからのカードも入っていた。
   「大統領とはなんともありません。私はあなたのものです。」
   いても立ってもいられなくなったデヴィッドは…


◆ストーリー2:秘めた思い

   とある教会での結婚式。
   新郎ピーターの親友マーク(アンドリュー・リンカーン)は新鋭芸術家。
   そして、今まさにウェディングドレスを着て入ってきたのは、
   新婦ジュリエット(キーラ・ナイトレイ)。
   親友とその新妻のために、せいいっぱいの挙式をプロデュースしたマーク。
   しかし、その顔には影があった。
   夫の親友なのに、自分にはそっけないマークに対し、
   自分とも友達になって欲しいとねがうジュリエットは、
   結婚式のビデオテープを借りるためにマークのフラットを訪ねる。
   慌てるマーク。
   ビデオを再生するジュリエット。
   マークが撮影したそのビデオに映るのは、
   すべてジュリエットだった。
   自分にはそっけなかった理由を悟るジュリエットと、
   秘めた思いを知られてしまったマーク。
   マークはその場を逃げるように後にする。


◆ストーリー3:言葉を超えた愛

   作家のジェイミー(コリン・ファース)は、弟に恋人を寝取られて、
   傷心のまま1人フランスの湖畔で仕事に専念していた。
   近所のおばさんがホームヘルパーとして、
   ポルトガル人女性オーレリア(ルシア・モニス)を紹介される。
   言葉が通じないながらも、なんとか身振り手振りで
   コミュニケーションを取る二人の心はだんだん近づいていく。
   しかし、ジェイミーの原稿があがるクリスマス前に、
   彼はイギリスへ帰国することになる。
   お互いの国の言葉で別れを惜しむ二人。
   立ち去るオーレリアを、ジェイミーは引きとめることはできなかった。
   イギリスへ帰ってもオーレリアを忘れることができないジェイミーは
   ポルトガル語を習い始める。


◆ストーリー4:父と息子

   妻に先立たれたダニエル(リーアム・ニーソン)。
   残されたのは養子のサムだが、妻のことで悲しむ以上に、
   部屋に引きこもるサムのことが気がかりでならない。
   親の心子知らずか、サムの悩みは死んだ母親のことではなかった。
   同じ学校の女のコへの片思いに悩むサムを、ダニエルは慰める。
   アメリカへ引っ越してしまうというその女のコに
   なんとか振り向いてもらいたいサムは、
   カッコイイところを見せようと、ドラムの練習に励む。


◆ストーリー5:誘惑と疑惑

   会社経営者のハリー(アラン・リックマン)は、
   妻カレン(エマ・トンプソン)と3人の子供と幸せに暮らしている。
   最近気にかかることは、部下のミア(ハイケ・マカッシュ)が
   熱烈モーションをかけてくること。
   とまどうが悪い気はしないハリー。
   会社のパーティーでも、ミアのダンスの誘いに乗る。
   親密に踊る夫とミアを不安のまなざしで見つめるカレン。
   カレンとのクリスマスショッピングで、魔が差したハリーは、
   カレンが別の売り場に行っている間に内緒でミアへ
   ゴールドのネックレスをプレゼントに買う。
   ラッピングするだけなのにやたら無駄な動きの多い
   ジュエリーショップの店員(ローワン・アトキンソン)にイライラ。 
   そして、カレンがいつ戻るかヒヤヒヤ。
   ある日、カレンはハリーのコートのポケットにしのばせてあった
   そのネックレスを自分へのプレゼントと思うが、
   自分に用意されたのは別の物。
   ネックレスを贈った別の女性の存在を知り、部屋で1人涙するのだった。
   そんな気持ちを隠したまま、カレンは家族と共に
   子供たちが出演するクリスマス児童劇の会場へ向かうのだった。


◆ストーリー6:2年7ヶ月3日間と1時間半の恋

   ハリーのもう一つ気になること、それは別の部下サラ(ローラ・リニー)。
   彼女の携帯電話がしょっちゅう鳴るのはさておき、
   彼女は入社以来、同じ職場のカール(ロドリゴ・サントロ)に
   密かに恋をしていてるようだが、周りには見え見え。
   ハリーは、サラを呼び、アタックしてみろと促す。
   それでも内気なサラはどうにも出来ずにいた。
   会社のパーティーでは、なんとカールにダンスに誘われ、
   そのまま彼女の部屋へ行ってベッドイン…
   だったのだが、いいところで彼女の携帯電話がなりひびく。
   電話が鳴るたびに丁寧に対応するサラ。
   頻繁にかかってくる電話は、精神を病んでいる
   たった一人の肉親である弟からの電話だったのだ。
   結局その日以来カールとぎこちなくなってしまうサラだった。


◆ストーリー7:脱モテない男

   サエないフリーターのコリンは、どうも女性にモテない。
   配達先の会社の美人秘書ミアにも見向きもされず、
   バイトで給仕する結婚披露宴では美人コックの機嫌を損ねてしまう。
   自分はなぜモテないのか?
   イギリス人女性なんかクソくらえ!アメリカへ行けば、
   きっとモテモテに違いないと思った は、
   親友が引きとめるのも聞かず、単身アメリカへ。
   空港についてさっそくバーへ向かったコリンは、
   そこでイギリス人男性が好みだという3人のギャルと意気統合。
   ウハウハな3人のアパートに泊まることに。


◆ストーリー8:裸の付き合いが先?

   コリンの親友が監督する映画の出演者の代役として
   濡れ場を演じる代役俳優ジョン(マーティン・フリーマン)と
   代役女優ジュディ(ジョアンナ・ペイジ)。
   撮影中、演技中でも、代役の彼らの演技で映画に必要なのは画像だけ。
   ひまつぶしに何気ない世間話をする二人は、お互い好意を抱いていく。


◆ストーリー9:帰ってきたロックスター

   サエない歌を悪態つきながらもレコーディングするのは、
   ドラッグ中毒から復活したかつてのロックスター・ビリー(ビル・ナイ)。
   以前、自分がヒットさせた歌をクリスマス用に
   アレンジした久々のリリース曲である。
   宣伝のためのラジオでもTVでも、放送禁止用語を連発したり、
   ハチャメチャなプロモーションをするビリーに、長年彼についてきた
   マネージャー・ジョー(グレゴール・フィッシャー)も頭を抱える。
   ビリーは、今イギリスで人気ナンバーワンのブルーを押えて、
   クリスマスに1位になったら素っ裸でこの歌を歌うと宣言。
   そして、なんと本当に1位になっちゃった!
   お祝いにエルトン・ジョンからパーティーに誘われたビリー。
   しかし、クリスマスには愛する人と過ごすもんだとビリーは思いなおし、
   パーティー会場を後にする。



大抵のラブ・ストーリーは、一組の主人公カップルだけ、
あるいは、その友人数人の恋愛模様を追うものがほとんど。
でも、この作品は違うの。
ほかの映画で主役を張る一組のカップルが紆余曲折を経ながらも
ラブ・ストーリーを作り上げている間も、
周りの世の中、いや、世界中の人々もまた個々のラブ・ストーリーを展開しているということ。
だから、この作品には主人公がいません。

たとえば、ロミオとジュリエットが敵家どうしながらも愛を貫く間にも、
ロミオの従兄弟とか、ジュリエットの家のメイドとか、
あるいは両家の衛兵の1人にも、それぞれラブ・ストーリーがあるという作品なの。
誰もがラブ・ストーリーを持っている、だから、世界には愛があふれているというわけ。
愛といっても、そこには恋人同士だけでなく、家族愛、親友愛なんかも含むけどね。
で、恋を男性側からも女性側からも見る事ができるし、
必ずしもハッピーエンドばかりじゃないからおもしろい。

こたっぺ☆的には、ストーリー2がすごくステキだなと思ったよ。

可笑しかったところもあちこちあったの。
まず、アメリカ大統領役でビリー・ボブ・ソーントンが出てきたときは、
思わず吹き出しちゃった(笑)
なんか意表を突かれたのと、どうみてもありえねーーーって感じで(笑)
Mr.ビーンこと、ローワン・アトキンソンはもちろんあのノリ(笑)
それから、ヒュー・グラントのダンスは必見!
それ以前に国務は大丈夫なのか?(笑)


9つのラブストーリーは、同時にリアルタイムで存在し、
登場人物はみんなどこかでちょっとしたつながりのあるの。

たとえば、秘書への恋心に国務もままならない(?)英首相デイヴィッド。
その妹は、夫の浮気に泣く妻カレンで、妻を亡くしたダニエルの親友。
親友の新妻に密かに思いを寄せていた芸術家マークは、
上司にせまるミアと友達。
ミアは会社にくるケータリングマン・コリンに見向きもせず、
そのコリンはピーターとジュリエットの披露宴で給仕ボーイもしている。
片思い中のサムはTVで歌うビリーを見て、
「ミュージシャンならどんな変態でもカッコイイところを見せられる」
とドラムを練習し始め、
最後にはみんなの空港で帰還した人、
出迎える人に別れて笑顔で抱き合う様子を見ることができます。

ほかにもカメオ出演では、歴代英国首相・・・・・の写真(笑)、
スーパーモデルのクラウディア・シファー、
チャーリー・シーンの奥さまのデニス・リチャーズ、
こたっぺ☆がすっごく嬉しかったのは、
昔好きでライブにも行ってキャーキャー騒いだイギリスの人気タレント二人組、
アント&デックが観られたこと!!!
PJ&ダンカンっていうデュオでCDも出してたんだけど、
日本ではあまり人気が続かなかったのよね。
今でも元気に番組続けてるんだなぁ。
アントはまたオデコが広くなってたわ(笑)

こたっぺ☆としては、日本でもぜひともクリスマス前に公開してほしかった作品。
イギリスではもちろんクリスマスシーズン向けに出されたものだけれど、
日本だとどうしても数ヶ月遅れることが多いのよね。
日本ではバレンタイン向けの映画として公開されるようです。
う~ん…でも、クリスマス一色の映画なんだけどね(笑)

今まで無表情だったりしたみんなの顔が、到着ロビーに愛する人の姿を見つけると、とたんに笑顔になる…
そんな様子からも、この作品の監督はアイディアを得たようです。

ふと見渡せば、いつもと同じ通りすぎる人々やニュース、世界の動き。
でも、そこには『愛』がある。





◆オアシス(2004/1/27の日記より)◆
業務上過失致死の罪で服役し、出所したばかりのジョンドウ。
実家へ帰るも、家族は引っ越しており、
挙句の果てに無線飲食してまた警察のご厄介になる始末。
こんなジョンドウを迎えた母も兄夫婦も弟も、
ジョンドウの帰りを歓迎してはいなかった。

30歳目前なのに、社会人としての、大人としての自覚に欠け、
稚拙で不可解な行動をとる弟に、
兄は中華料理店のバイトをすすめる。

ジョンドウは、かつて自分が車の事故で死なせてしまった男性の
家へ、見舞いの品を持って訪れる。
その一家は故人の息子夫婦だったが、彼らは引越し作業の真っ最中だった。
彼らが忙しそうに荷物を運んでいる中、部屋に1人残されているのは、
故人の娘、引越作業をしている故人の息子の妹だった。
その女性は脳性麻痺により体が不自由で、話すこともままならない。
息子夫婦は、彼女1人をここへ残していくという。
そんな彼女に興味を示すジョンドウだったが、
父を轢死させた張本人だとわかった息子夫婦に追い出されてしまう。

それでも彼女が気になるジョンドウは、
ふとしたことから玄関のカギのありかを知り、
バイトの合間に彼女の様子を見に行くようになる。

欲望のままに彼女に暴行未遂をしてしまいそうにもなったが、
自分を「1人の女」として見てくれるジョンドウに、
彼女・コンジュは心を開いていくように…

純粋に相手を愛しいと思うようになった二人。
四肢の不自由な彼女のために尽くすジョンドウ。
そんなジョンドウとの生活に明るさを取り戻すコンジュ。

しかし、世間は「ムショ上がりのいいかげんな男」と「重度の脳性麻痺という障害を持つ女」には冷たい。
世間だけでなく、彼らの家族もまた、二人を偏見の目で見るのだった。


前科3犯の男と障害を持つ女。
世間から隔離された二人の純粋すぎるほどのラブストーリーを描いた韓国映画です。
たんたんと進んで、最初は意味がわからなかったの。
だって、主人公のジョンドウ、かなり怪しい男に見えるんだもん(笑)
誰かに似てるんだよな~~~ってずっと考えてたわ(笑)
だけど、純粋な愛情の持ち主だとわかったし、真相も明らかになり、
テーマは重いんだけど、最後は「良かった~」って気持ちになりました。
すごかったのは、脳性麻痺の女性を演じた女優さん。
体の不自由なのが演技とは思えなかったわ。
ヴェネチア映画祭で賞をとったらしいけど、確かにすごかった。

日本は最近やっと少なくなってきているけれど、
それでも根強い障害者の方たちへの偏見。
そういうシーンがそこかしこにあったから、気になったわ。
実の妹なのに、厄介払いして、妹も同居しているとウソの届け出をして
安い障害者用賃貸物件に移り住むコンジュの兄夫婦。
ジョンドウとコンジュが店に入ると、周りの客はまだまだ食事しているのに
たったいまランチタイム終了といって入店拒否するレストラン。
母の誕生祝パーティーにジョンドウが連れてきた車椅子姿のコンジュに
露骨に不審そうな顔をする親戚一同。
それに、警察。

二人を理解してあげられない世の中に哀しくなったわ。

ただ、たとえ体が不自由でも、他人と違うところがあっても、前向きな人ってすばらしいと思うよ。

『オアシス』公式サイト




◆嗤う伊右衛門(2004/2/1の日記より)◆

先週試写会で観てきた『嗤う伊右衛門』の感想をやっとUP。
ミステリー小説とか読まないからよくわかんないけど、
原作は、京極夏彦さんらしいです。
そのお岩さんの恋愛物語を蜷川監督によって
究極のラブストーリー仕立てに演出されています。

素浪人・伊右衛門(唐沢寿明)は、笑顔を見せたことがないという。
すばらしい剣の腕を持ちながらも仕官の道を選ばず、世捨て人のように暮らす男。
彼は、子供の頃に実の父の介錯をして以来、剣を握らないのだ。

しかし、彼の真面目さ、誠実さから、そんな伊右衛門を慕う
直助(池内博之)、乞食僧侶の又一(香川照之)、眼の不自由な相棒(六平直政) の3人。

一方、伊右衛門たちの住む辺りでは、
筆頭与力・伊東喜兵衛(椎名桔平)が権力を握り、
町娘を囲っては悪逆非道の行いを繰り返していた。
その娘のなかには、直助の妹も含まれ、
彼女は暴行されたことを苦に自ら命を絶った。
伊東を恨む直助は、その日からフッと姿を消す。

伊東の家臣・民谷(井川比佐志)の1人娘・岩(小雪)もまた、
伊東の目にかなうほどの美しい娘ではあったが、
重い疱瘡にかかったために顔の右半分がただれ、
眼も色素を失った。
そんなことを全く悲観することなく気丈な女・岩。
恐ろしくも気高いその姿に、伊東も距離をおき、
町民は近づくことはなかった。

民谷は又一たちが紹介した伊右衛門を、岩の夫、そして、民谷家の婿として迎える。
はじめは、なかなか打ち解けなかった二人だったが、
次第に夫婦としての絆が芽生え始めるのだった。

しかし、それをよく思わない伊東は、二人のなかを裂くべく画策する。
その伊東の策にはまった岩は、愛する伊右衛門の元を去るのだった。

1年後、岩は伊東に謀られたという真実を知る。
それは、悲劇の始まりであった。





まずね、怖い映画がダメなこたっぺ☆でも、前半は大丈夫だったわ。
後半は目を被いたくなるような場面もあって、
びーちねえさんはもう1度ビデオ出たら観たいって言っていたけれど、
こたっぺ☆は出来ればもう観たくないわ(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
夢に出てきちゃったもん、怖いのがっ。

でもね、井戸からお岩さんが出てきて「ウラメシヤ~~~」とか、
お岩を裏切った伊右衛門に復讐するって怪談ではなく、
全体を通して様々な「狂気の愛」と一つの「永遠の愛」が語られていたかな。

唐沢さんの時代劇は、『利家とまつ』以来。
こたっぺ☆は『春日局』のときの唐沢さんにヒトメボレしたこともあったのよ~(笑)
大原麗子さん演じる春日局の長男・稲葉正勝役だったの。
なんてカッコいいの!?って思ったよ~。
え?今?
今もステキ…というか、面白い人だよね(笑)

小雪さんはやっぱりスッと背筋が伸びていて、和服がお似合いでした。
でも、セリフがちょっと言いづらそうだったかな。

池内くんは、てやんでぃってな感じの威勢のいい青年なんだけど、
顔がやっぱり現代風だったかな。

香川さんはイイね。
この人絶対時代劇のほうが合ってるよ。

途中、沼の中で伊右衛門が岩を追うシーンがあるんだけど、
そのシーンに関して唐沢さんが

「彼女が進むのが速くて追いつけないんだよ(笑) 
こっちは冷たい中も捕まえなきゃなんないのにさ。」

と笑って話しているのを思い出してしまって、
そのシーン、笑いそうになっちゃった(笑)

嗤う伊右衛門公式サイト





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