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2008.12.16
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カテゴリ: 日本映画

金閣寺 』を、 敬愛する市川崑が映画化した必見の一本。お気に入りブログのMinicarさんからもおすすめいただきました。

市川監督の手がけた文芸作品には、いまのところ外れがない。こちらも原作どおりで、だらだらとせず、見事な仕上がりになっている。
吃音症で複雑な内面を持った主人公の溝口を演じたのは、8代目 市川雷蔵
このたびの収穫は、市川雷蔵という役者を知ったことだけでも、大きいかも。
往年の大映の大スターで、37歳で夭折。短い生涯で158本の映画に出演したという方。他の出演作がさらなる楽しみとなった。

溝口の友人で内反足の男・戸刈は若き日の仲代達矢が演じている。彼が述べ立てる真理の数々は、原作よりも解りやすく端的に脚本化されていて、本当に巧いとしか言いようがなかった。
原作の丹念で美しい文体や言葉が、たった1時間半の映像に化けるなんて、唸らざるをえないし、画の力は圧倒的だ!



ラストが本とちょっと違っている。
原作では――

一ト仕事を終へて一服してゐる人がよくさう思ふやうに、生きようと私は思つた。

しかし映画では自ら命を絶ってしまうのだ。

原作の完成度が高すぎて、完璧な映画化ができないと判断した監督は、寺の名前などを変えたオリジナル脚本で映像化することにしたのだという。
タイトルが 炎上 なのもそのせい。
この重厚な物語の最後の一節が、生きようとするものだったので、余韻はじゃっかん変わってくるけれど期待どおりの良作だった。




原作  三島由紀夫 「金閣寺」
脚本  和田夏十  長谷部慶治
音楽  黛敏郎
出演  市川雷蔵  仲代達矢  中村鴈治郎  北林谷栄

(モノクロ/99分)






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Last updated  2008.12.18 08:09:09
コメント(4) | コメントを書く


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雷蔵は  
kaminarilove さん
東映ではなく、大映です。 (2008.12.17 22:56:07)

kaminariloveさん  
はる*37  さん
ご指摘ありがとうございました。
修正しておきました。 (2008.12.17 23:16:28)

Re:【炎上】 1958年  三島由紀夫「金閣寺」の映画化(12/16)  
Minicar  さん
はるさん、こんばんは。

やっぱりこの映画、はるさんの期待に応えられましたか。
ふふ・・嬉しいですねぇ・・。

私も市川雷蔵を見たのはこの作品が初めてだった気がします。
その後彼の出演作は数本しか観る機会に恵まれていませんが、この『炎上』と、同じく市川監督の『破戒』での市川雷蔵が1番ぐっときました。
(あっ、この間書いた事とかぶってきちゃったかも。)

私も(おそらく大体の人達と同じく)成長過程で繊細すぎては生きていけないと悟って、ある程度ずぶとく生きる様にしているせいなのか、正直な話『金閣寺』を読んでも理解しきれないところがありました。
でも映画の方はと言うと・・・今の私なら
「そんなに悩まなくてもいいじゃない!!」
と言ってしまいたくなる様な若い人の揺れる部分やナイーブさを市川雷蔵が見事に表現してくれているので、ずいぶんと分かりやすかったです。

演出などについては失念してしまいました。
なので、これだけ満足できた映画なので良い具合に凝っていたんだろうな・・と想像するばかりです。
(2008.12.18 06:49:37)

Minicarさん  
はる*37  さん
こんにちは。
やっと観ることができました。おすすめありがとうございます♪


>『破戒』での市川雷蔵が1番ぐっときました。

こちらも楽しみ!
雷蔵という役者は、か弱さも色気も、物腰の美しさもあらゆるものを持っていたのですね。ハンサムだし。

溝口の弱すぎるような内証的な性格が、次第に老師へのちょっとした悪戯行為として出てくる辺り、ドキッとしますね。
そして仕舞いにはとんでもないことを仕出かしてしまうまでに至って・・・
あの原作をここまで解り易く映画化できること、すごいって思いました。

演出も良かったですよ。
友人・戸刈が初めて画面に登場するシーンなんか、すごいインパクトでした。 (2008.12.18 08:21:16)

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