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2010.11.17
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カテゴリ: 映画
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 敬愛する名匠アンジェイ・ワイダのひさしぶりの監督作は、ぜひ観ておきたかった。
ワイダ作品とのはじめての出会いは、十代のころの『灰とダイヤモンド』だった。独特なポーランド映画の雰囲気が気にいって以来ずっと好きだ。
80の大台に乗ったワイダの、人生の集大成ともいえる本作は、祖国ポーランドを見つめ続けてきたからこその重みを湛えている。

カティンの森事件 。この事件をわたしは知らなかった。
1939年、ナチスドイツとソ連に分割占領されていたポーランドでは、一万人以上の将校が捕虜となり収容所へと送られた。生きて戻らなかった彼らは、ずっと消息不明となっていたが、1943年にドイツ軍がソ連領で多数のポーランド人将校の遺体を発見したことから、この事件が発覚する。
本編では、将校の夫を持つ妻アンナを主人公に据えて、女性からの視点で事件の歴史的事実を描いている。娘のニカとともに、犠牲者リストに名前の載らなかった夫の無事を信じ、待ち続ける残された女たちの苦悩――。

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抑えられた色調で、淡々とすすんでいくドラマにはリアリティ。色調とともに音も抑えられている。時おり当時の映像を挟んで、より重い歴史の真実が告げられる。誰もがまだ、未来に、ソ連軍による大量虐殺が待ち受けていることを知らない。
ただ、アンナの夫アンジェイは、捕虜になってから、事細かに起る出来事を手帳に書き留めていく。いつか遺書になってしまう予感を感じたのだろう・・・・・・そのことは観客にも十分わかるから胸が苦しい。

世代 』からはじまる抵抗三部作は、とくに好きな作品だった。その悲劇の若きレジスタンスたちを彷彿とさせる青年が登場していたのは、きっと過去へのオマージュ。
中盤の人間模様から若干道が逸れ、パーフェクトとは言いきれない作品かもしれないけれども、祖国の暗い歴史を、今またもう一度、見つめ直そうとするワイダ監督の屈強な精神には頭が下がる思い。
85歳となったワイダにとって最後となるかもしれない監督作品ゆえ、ファンにとっては特別だ。


   †


監督/ アンジェイ・ワイダ
原作/ アンジェイ・ムラルチク 『カティンの森』
脚本/ アンジェイ・ワイダ  ヴワディスワフ・パシコフスキ  プシェムィスワフ・ノヴァコフスキ
撮影/ パヴェル・エデルマン
音楽/ クシシュトフ・ペンデレツキ
出演/ マヤ・オスタシェフスカ  アルトゥル・ジミイェフスキ  マヤ・コモロフスカ

(カラー/122分/KATYN)






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Last updated  2016.10.02 09:35:48
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Re:【カティンの森】 2007年 祖国ポーランドの歴史と向き合い続けたワイダの遺言状(11/17)  
ヤスカイ  さん
こんばんは。

これ はるさん 劇場でご覧になったんですね?
私 岩波ホールで観ようと思いつつ果たせず、千葉に来たときに行こうと画策しつつ果たせず・・・縁がなかったのかな・・・
とはいえレンタルになったら是非観たいと思ってます。

奇しくもポーランドの外務大臣(でしたっけ?)が乗った専用機が墜落したのもこのあたりだったように記憶していますが、そのニュースを聞いたときには なにかあるのか? などという気分になったりしました。

ソ連の所業を暴いたのがナチスだったというのが、なんとも奇妙な気分ではありますね。このときすでにやつらもとんでもないことをやっていたわけですから。
(2010.11.29 22:19:51)

ヤスカイさんへ  
はる **  さん
こんばんは。

わたしも劇場へいけず、DVDですよ。
新作ですが、ヤスカイさんにはぜひ観てほしいですw


>専用機が墜落した

そうです、そうです。まさにこの時でしたね。
タイムリーというか、、なんというか。

ナチスによる虐殺は周知の事実なわけですが、ソ連軍による虐殺行為は、あまり知られていなかった。
当時ソ連は認めなかったし、罪のなすりつけ合いとはいえないけれど、国家ぐるみで、将校たちの家族には口を閉ざしていた、そのズルさや非情さがクローズアップされています。
とんでもないはなしですね。 (2010.11.30 19:51:26)

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