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2010.12.23
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テーマ: 読書(10242)
カテゴリ: 本


教えられていたとおり、わたしの感じ方は変化している。読書中も読了後も、20代半ばに感じたモヤやイライラを、それほど感じなくなっていた。

ワタナベや直子やレイコや緑の気持ちを受け入れられたのは、もっと大人になったからかもしれない。精神の病という、救ってやれない病気の直子を見守り続けると誓ったワタナベの苦しみは、どれほどだろうと同情することができる。感情移入もできる。
ただ、愛なのか責務なのかわからないまま、目の前にある緑との恋愛を巻き込んでいく様は、やはり釈然としなくてイヤだった。

今回読んでいて気がついたのは、緑が、覚えていたよりずっと苦労して傷ついていたことだ。
子どものころ両親に腹いっぱいの愛情を注がれなかったこと、父親や親戚の看病に明け暮れてクタクタであること、恋人との関係がうまくいっていないこと、、、それでも快活にしている、可愛げにワガママを言う彼女が好きだ。
映画の緑役だった水原希子に、苦労の色が見えないのは、だから今思うと残念だった。ただの身勝手なお嬢さんに見えてしまうのが、もったいないのだ。
直子役の菊地凛子と、配役が逆でもよかったかと想像してみるが、それでは壊れた直子の凄味は出ていなかったろうし、むつかしい。

性についてオープンに語る会話劇は、いまではなんの違和もなく読み進んでしまう。初めて読んだ8年ほど前は、会話そのものを嫌っていたのだけど。

時が経っても変わらないのは、長い―という感想。赤と緑の装丁が当時としてはよかったのだから、上下巻は必然なのかもしれないけれど。 

 追記。

 改めて映画を思いおこすと、小説にある死生観の多くは、描き出されてはいなかった。たくさんの時を要した出来事と、短い期間で起こった出来事と、そういう時の流れが持つ大事なニュアンスが伝わりきれなかったのは残念。
それでも、やはり日本の1960年代という独特な時代の匂いがこの小説には大切で、トラン監督が切り取った自然の美と時代の切なさが相まった映画化は、失敗作とは思えない。
小説を後から読み返してみたのも、よかったのねきっと。





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Last updated  2010.12.29 13:44:55
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おお、読みましたか♪  
荻々亭主人  さん
はじめて読んだのが8年前ですか、世代的に若いなぁという感じです(笑)

本作を読んだときのもやもやは、年を重ねるにつれ薄れていき、やがてそのもやもやというかわからなさに対して懐かしさを感じるようになります。そうなると人生後半戦ですね、私の場合(*^о)ゞほほ

村上春樹作品の特徴の半分はその文体に宿っているようなところがあるので、映像化すると、すべて表現しきれないのかもしれません。どんな作品になっているのか、映画館ではやく観てみたい。田舎に住んでいると、なかなか上映する順番がめぐってこないので、そこにもやもやしております。

それでは、よいお年を♪

(*^ー゜)vPEACE!!!

(2010.12.24 20:22:31)

荻々亭主人さん   
はる **  さん
読みましたよ、早速^^

先日、荻々亭さんがおっしゃったとおり、覚えていた以上に人が死にましたね。喪失しまくっていましたね。
前回どうしてあんなに嫌悪感を抱いたのかといえば、ワタナベの自意識がネックだったように思います。
しかし、歳を重ねれば重ねるほど、自意識って強くなっていくのか、それが気にならなくなっている、、! びっくりです。

つぎ村上春樹を読むなら、ハードボイルド系がわたしには向いているのかもしれませんね。
『羊をめぐる冒険』はおもしろかったから。

Merry Christmas and A Happy new year! (2010.12.24 21:39:10)

次は、  
荻々亭主人  さん
傑作との評価が一致している『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』ですかね。自称「思想家見習い」の東浩紀氏が評論で現代を読み解く傑作みたいなことを書いていました。

実はこの作品も出版とほぼ同時代に読んだのですが、よく理解できないまま20年ほど経過してしまいました。これは読み直すしかないかなぁと思っています。

なんだか最近は、新井素子さんの作品にはまりつつありますけれど‥‥。

(*^ー゜)vPEACE!!!

(2010.12.24 23:32:08)

荻々亭主人さん  
はる **  さん
>『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』

傑作ですかぁ。図書館ででも、探してみます。
いつになるかわかりませんけれど、、^^
本であれ映画であれ、二度目三度目の感じ方はおもしろいですね~


>新井素子さん

一度も手に取ったことありませんが、おすすめですか。
評価の高い方のようですね! (2010.12.25 16:11:20)

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