下り階段をかけのぼる。

Mar 12, 2009
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カテゴリ: 映画の話。
プログラム。

『The War of the Roses』、シェイクスピア『Henry VI(ヘンリー六世)』の中にある『The War of the Roses(薔薇戦争)』・・・だと思っていたのだが。
どうやらそれはあまり関係なく、話はリチャード2世(Richard II)から始まる2部計4幕の話。そもそもヘンリー6世、空気だったし。
Wikipediaの薔薇戦争の項目 が、そのままあらすじに当たるので、詳しくはそっち見てください。あらすじ見る限りでは、シェイクスピア史劇のいくつかを混ぜ合わせてるような感じだな。一応「Written by William Shakespeare」とは書いてあるし。
あ、プログラムの表紙に書いてあるわ。
RICHARD II
HENRY IV PART 1&2
HENRY V
HENRY VI PART 1,2&3

から編纂したらしい。
この作品では、Part 1 act 1(以下1-1)がRechard II(C.Blanchett)、1-2がHenry IV(Robert Menzies)とHenry V(Ewen Leslie)、2-1がHenry VI(Eden Falk)、2-2はRichard III(Pamela Rabe)がそれぞれ主役。
で、各part約3時間半(休憩時間込み)。単純計算でact 1に1時間半かかってる。
余談だが、わたしが観たのはperformance 4(同日1時からと7時から)。昨日今日でperformance 8(共に7時から)、千秋楽。

問題は、 演出が抽象的過ぎ て話の内容がよくわからんかったこと。
・・・そもそも観劇なんかしたことがなく、シェイクスピア劇なぞかすりもせず観たことがない自分にとっては、えらいことハードルが高かった_| ̄|...○゙
要は、ガラスの仮面の劇中劇みたいに"再現する"作品じゃないわけですわ。
衣装もブラウスとスラックスだったり、Tシャツとジーパンだったり、色気無ぇ(爆。
舞台装置も無いも同然。2-2だけ、公園の遊具がセッティングされてたけど。

それと会場はHis Majesty's Theatreという、Perth市内のなぜかビジネス街の中にあるTheatre。


Part 1, Act 1
上から金色の紙が雪のように降っていて、その中を、立派な冠を被ったRichard II(くどいようだがCate)が座っており、その他の主要人物は 突っ立っている
動きはほどんどなく、あるのは座っているがRichard II、その他はセリフのある人のみ腕や首だけが動く。基本立ち姿勢のまま。
それが 40分程続く 。ほとんど朗読劇のようだったな。逆に言えば実にシェイクスピアらしいセリフが、一番もっともらしく聞けるのはここだと思われ。


しかしこの金の雪、かなり大量に降っており、ときどき役者が吐き出していたw あと舞台袖の一部でで大量に降ってきてしまい、そこに立っていた2人Queen Isabella(Hayley McElhinney)ともう1人、たまらなくなって移動していた。あれはアクシデントだ仕方ない。
金の雪はどうやら権力(それがもたらす罪なども含まれる)の象徴であるようで、あとの幕でもときどき出てくる。王になる人にぱっと振りかけたりする。

一番好きに動けるCate姐さん、舞台の下指して「この人寝てるわ」って仕草したのが何とも言えず笑い。
ちょっとお茶目なアドリブもしてたしね。映画だとこういうの観られないから新鮮。

Part 1, Act 2
前幕でRichard IIを廃位に追いやったHenry Bolingbroke(Robert Menzies)がHenry IVとして王になり、その放蕩息子Henry(のちのHenry V。Ewen Leslie)が結婚して王位を継ぐまでの話。
前幕とは違い、動きも多くなってくる。ちなみに舞台は、何の装置もなくて黒い幕が背景。エレキギター弾きの兄ちゃんがアンプと共に常に後ろを向いてBGM(というか雑音?)を演奏している。話にはまったく絡まない。

ようわからんかったのが、途中でHenry Vが増え顔に覆面(マックの紙袋)を被って本物がどれか判らないようにしてそれがお互い戦うという描写があったのだが、あれはなんだったんだ?
個人の葛藤を表したにしては、殺された方は覆面をはがされるので違うと思うんだ。

どーやったんかなーと思ったのが、Prince HenryがFalstaff(John Gaden)にフ○○○オしたシーン(爆)があるんだが、そのあと口から出すなwww 舞台一番前の客は引いてたぞwwwww
いやだから、どやって装置仕込んでやったんかなって・・・。

この幕で印象的だったのはHenry PercyのLuke Mullins。
紹介の写真ではイマイチイケてないのだが、舞台上では爽やか系で、売り出しようによっては日本でもウケそうな感じだったな。
発声はいいんだが、思いっきりツバ飛んでたのが気になって気になって(笑。
オマケにHenry Vの結婚相手、Katherine of Franceもやってたのって・・・しかも文化的に問題ないので、普通にキスするしねえ。
※男女間であっても舞台上で普通にキスする。同性であってもする(爆)。日本だとどっちのケースも見せかけるだけでしないよね。
役がフランス人なのでフランス語で話す下りがあったが、彼フランス系なんだろうか? 全然英語訛りはなかったぞ。


さて2時間程間が空いて後半の部。

Part 2, Act 1
ここはエグイ、血で血を洗う薔薇戦争。
調べてみたら原作とは少し違って、Henry Vが急死して、そのあとすぐ分裂が起きている(史実では百年戦争終結後に薔薇戦争。Henry VIが20代のとき)
でもその時点でMargaretが来てるから、多分即位がだいぶあとのことにされているな。

ここの演出では、殺すときに 赤インクのボトルを持ってきて、口に含んで、相手にぶーーーっと吹きかける 。どーゆう演出なんだよw
仕舞いにはボトル持ち出すだけで観客がウケる。あれ何で出来てるんだろうな?
もうこの辺は、最初のテンションはどこへやら、コメディに近い。
どうも話が入り組んでいるらしく、場面展開が多いためか、天井からデジタル表示板がぶら下がっていて、そこにいちいち場面のタイトルが出ていた。

どうでもいいけどHenry VI(Eden Falk)の嫁Margaret of Anjou(Marta Dusseldorp)が半端なくヤな女でなあ。原作でもそうなんだろうけど、「お前ホント早く氏ね」と思えるくらい。
王室侍従長Suffolk(Steve Le Marquand)と密通してたっぽいような描写があったが、原作はどうなんだろう。史実ではなさそうだが。
衣装が役者一人に必ず決まっている(例外はある)と、誰だかわかりやすくていいね。

Margaretの侍女でElizabeth(Amber McMahon)というのがいるんだが、彼女、最初の段階でいきなり赤インクを顔に吹きかけられるんだが、それがなんでかわからない。あとでEdward IV(Brandon Burke)と結婚してQueen(王妃)になるけど。

Part 2, Act 2
なんか雪が降っていて、舞台装置には公園の遊具が使われていた。なんつーか、狭い箱庭的な世界を表しているような感じ。
ここでの主役はRichard III(Pamela Rabe)。
最初に子供らが遊んでいるんだ。Edward IVの息子Edward(Billy Shaw-Voysey)とRichard(Leo Shaw-Voysey)、Richard IIIの兄George(Ewen Leslie)の娘Margaret(Holly Fraser)。
だがその後ろに、政争に敗れたHenry VIとその息子Edward, Prince of Wales(Louis Hunter)の幽霊もいる。

ここのRichard IIIは独白的というか、観客に語るメタなタイプ。なんていうかRichardの存在自体がコメディっぽいんだよな。
Pamela Rabeは非常に現代劇っぽい演技なんだが、あとで嫁に迎える未亡人Anne Neville(さっき出てきた幽霊のEdwardの元妻)をやってるのがCate姐さんで、ものすごく迫力負けしてるんだが。どうなんだそれは。
Cate姐さんは多分、正統派シェイクスピア劇の演技する人だと思われる。セリフ回しがすごすぐる。
そういうのもあってPamelaの演技自体は好き嫌いが別れそうだが、この話の内容だと男性に演らせた方が良かった気がする。前までの幕とは違って、女性が3、4人くらい絡んでくるからコントラストが判りづらいというか。

Anneは義父と夫を死にやったRichardを非難して、"Elizabethからハイソックスを借りて"ブランコのところで首を吊る(なんかの繋がりを暗示しているんだろう)。
・・・首吊って死ぬところの演技もなかなか見られないよな。服の後ろに引っかけるところがあってそれをフックに吊すんだが、ヘタすると役者も服で首吊らない?
史実だと病死らしい。

結局、ほぼ全員が死に、最後には舞台に一人だけになった子供の方のMargaretが冠をもって幕が引く。
史実ではこのMargaretがPlantagenetの最後の生き残りらしいので、その暗示だろう。


どーでもいいけどなんでRichardとHenryばっかやねんイギリス。
解説と家系図がなかったらまったくワケわかんなかったですわよ。
といいつつ、このエントリ書くのにもグーグル先生に頼りっぱなしだったけど。
この辺りの話をよく知っている人なら、おそらく演出の意図もわかるだろうしもっと楽しめるんだろうなあとは思った。
高かったよハードル 。・゚・(ノД`)・゚・。

席は舞台から10m程度しか離れてないところ。だがもう1ランク下の席でもあんまり変わらなかった気がするが・・・。
しかしCate姐さんは発声レベルで威厳が違いすぎる。いわば"舞台演技"の人なんだが、その中でも品があって存在感はすごい。
他の人が悪いわけでは全然なくて、なんか昔の大河で和泉元彌が出ていたような感じで、なんだか1人だけ妙に浮世離れしているような雰囲気。
ただ、彼女の相手をするにはPamelaでは荷が重かった気がするんだがな。

この集団はSydney Theatre Company(STC)。
CateはArtist Directorとして所属しているが、actorとしてはゲスト扱い。
同じくゲストのRobert Menziesも豪州舞台では有名どころ(らしい)で、この人のハゲッぷりがツボにはまりつつ(このハゲマニアめ!)。ぐぐると同じ名前の豪州PMが引っかかるので注意してくれ。
でも写真と実物がかなり違うんだが・・・多分写真はもっと若いときに撮ったな。
John Gadenじいさんも大御所で、主要キャラ3人くらいやってたが、どれも違うキャラだったんだよな。パンフであらかじめ名前確認しておいたが、「へ? 同じ人?」という化け方が一番すごかったのは彼。衣装同じなのに。

ちなみにこのSTCのactorの中で3人程WAAPA出身。・・・ゲスト講師とかなかったのかな・・・。
EwenとHayleyはTVにも何本か出てる。どっかで見たことがあると思ったぜ。Edenは舞台だけだな。

かなり疲れたが、観に行ってよかったよ。



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Last updated  Mar 12, 2009 10:05:56 AM
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